投稿日: Jan 27, 2022
AWS は、Amazon Fraud Detector 機械学習 (ML) モデル用に予測の説明の提供を開始しました。予測の説明は、AWS コンソールと SDK の両方でご利用いただけます。 予測の説明では不正スコアに対する予測子 (入力変数) の影響が報告されるため、お客様は ML モデルの特定の不正スコアがどのように算出されたのかをより詳しく把握できます。Amazon Fraud Detector (AFD) は、偽アカウントの作成やオンライン決済詐欺といった、不正の疑いのあるオンライン活動を簡単に特定できるフルマネージドサービスです。内部で機械学習を使用し、20 年を超える期間にわたって蓄積してきた AFD の不正検出の専門知識に基づいて、潜在的な不正行為をミリ秒単位で自動的に識別します。機械学習の専門知識は必要ありません。
お客様はこれまで、不正予測の一部としてリスクスコアを受け取っていましたが、どの入力変数が特定の ML リスクスコアの要因となったのかを示す詳細は受け取っていませんでした。そのため、リスクスコアがどのように計算されたのかを判断し、手動調査やコンプライアンスなどの目的でリスクスコアの主な要因について説明することは困難でした。AFD ではモデルレベルの説明が提供されるため、お客様はモデルパフォーマンス全体を高めている入力に関するインサイトを得ることはできますが、個々の予測レベルの説明を取得することはできませんでした。
予測の説明が導入されることで、不正予測スコアに与えた各入力変数の影響に関する情報がそれぞれの不正予測で提供されるようになります。.これらの詳細により、どの入力が不正予測スコアの上昇または下降の要因になったのかをより簡単かつ正確に把握できます。予測の説明は各予測に含まれており、追加費用はかかりません。
AWS コンソールで予測の説明を確認するには、Fraud Detector コンソールに移動して、[Search Past Predictions] (過去の予測を検索) タブで予測をクリックします。ML ベースのそれぞれの不正予測リスクスコアとともに、リスクスコアに対する影響に応じてランク付けされた予測のイベント入力変数のリストが表示されます。また、変数の重要度がその程度 (0~5 のスケールで示され、5 が全体的なスコアへの影響が最も高い) と方向 (スコアが高くなったか低くなったか) の観点で視覚的に示されます。例えば、モデルが予測したリスクスコアを最も高めた変数が特定のイベントの IP アドレスであった場合、この変数は [variables that increased fraud risk] (不正リスクを高めた変数) に表示され、高い影響値が付与されます。予測の説明は、AWS SDK および CLI (AFD の GetEventPredictionMetadata API を使用) を介して入手することもできます。これらの方法では、ご希望の調査ワークベンチで不正アナリストにこれらの詳細を簡単に表示できます。
予測の説明は、Fraud Detector が提供されている米国東部 (バージニア北部)、米国東部 (オハイオ)、米国西部 (オレゴン)、欧州 (アイルランド)、アジアパシフィック (シンガポール)、アジアパシフィック (シドニー) といった AWS の各リージョンで、2021 年 6 月 30 日以降にトレーニングされたモデルでのみ自動的に生成され、使用できます。その他の詳細については、ドキュメントページをご覧ください。