投稿日: Dec 9, 2022

Amazon Braket のオンデマンドな状態ベクトルシミュレータである SV1 は、随伴微分法による勾配計算をサポートするようになりました。これにより、量子機械学習と最適化のワークロードの実行時間を短縮し、コストを節約できます。今回のリリースにより、多数のパラメータを使用して変分量子アルゴリズム (量子近似最適化アルゴリズム (QAOA) など) をシミュレートする場合に、Braket Python SDK や API から直接、または量子微分プログラミング用に構築されたオープンソースのソフトウェアフレームワークである PennyLane を使用して、随伴勾配計算をシームレスに組み込むことができるようになりました。

従来のシミュレーションを使用して変分量子アルゴリズムの勾配を計算する場合は、随伴微分法の使用が好まれます。随伴微分法は、パラメータの数や量子ビット数に関係なく、回路を 2 回実行するだけで済み、効率が良いためです。パラメータシフトルールなどの代替方法では、回路の実行回数をパラメータの数に比例して増やす必要があります。例えば、合計 4 つのパラメータを持つ 2 層 QAOA に随伴微分法を使用して勾配を計算すると、パラメータシフト法を使用する場合と比較して、実行時間が 4 倍速くなり、それに応じてコストを節約できます。SV1 で随伴勾配を計算するには、随伴勾配の結果タイプおよび対応するパラメータと観測値を指定し、通常どおりシミュレーションを実行するだけで済むようになりました。

この機能は本日より、Braket が利用可能なすべての AWS リージョンで追加費用なしで利用できます。SV1 での勾配計算を開始するには、Amazon Braket デベロッパーガイド、Braket での随伴勾配計算が説明されているサンプルノートブック、PennyLane との統合を使用したこちらのサンプルノートブックといったリソースを参照してください。Braket でのシミュレータの使用に対する AWS 無料利用枠について詳しくは、料金ページをご覧ください。