投稿日: Mar 28, 2024

AWS は DFL の長期的なイノベーション戦略の一環として、公式生成 AI プロバイダーに

*本プレスリリースは、現地時間 2024 年 3 月 20 日にドイツで、3 月 21 日に米国で発表されたプレスリリースの抄訳版です。

ドイツサッカーリーグ機構(DFL)と Amazon Web Services(AWS)は現地時間 3 月 20 日、協業関係を拡大し、2020 年から開始した取組を今後も複数年にわたり進めていくことを発表しました。DFL は長年、世界のプロサッカーリーグにおけるイノベーションの原動力となっており、AWS は世界で最も包括的かつ広範に採用されているクラウドサービスを提供しています。AWS は引き続き、長期的に DFL の公式テクノロジープロバイダーを務めるほか、公式生成 AI プロバイダーとして、生成 AI を活用したイノベーションの加速にも注力していきます。

新たに拡大した協業関係の下、DFL のバリューチェーン全体で、さらなる革新と変革を進めていくための新プロジェクトが具体的に示されました。これらのプロジェクトは、DFL の 3 つの中核分野に焦点が当てられています。具体的には、ファン体験(自動翻訳、パーソナライゼーション、ローカライゼーション等)、コンテンツ制作(コンテンツ制作におけるクラウドインフラの活用、映像アーカイブ等)、データサービス(試合中のプレイ等の自動認識、ブンデスリーガ向けに開発された統計データ分析ポートフォリオの他リーグへの応用等)の 3 つです。

スポーツテクノロジーに関する展示会「SportsInnovation」で、
パートナーシップの拡大を発表するDFLとAWS

今回の発表は、ドイツ・デュッセルドルフで開催されたスポーツテクノロジーに関する展示会「SportsInnovation」(3 月 20 日~ 21 日)において行われました。イベントでは、DFL の子会社である Sportec Solutions が AWS と協力してファン体験を強化するための画期的なアプローチを紹介し、生成 AI や最先端の大規模言語モデル(LLM)を活用して、リアルタイムでダイナミックな試合解説文を複数の言語で作成するデモンストレーションを行いました。解説文は放送中、パーソナライズされたフィードを通じて視聴者に合わせて提供されます。

DFL の CEO であるシュテッフェン・メルケル(Steffen Merkel)氏は、次のように述べています。「DFL と AWS との協業が、世界のサッカー界におけるイノベーションの基準を作りました。常に重視しているのは、メディアパートナーやファン、そして DFL 自身にとってより多くの価値をもたらすことです。世界的なクラウドサービスプロバイダーとの実り多いパートナーシップを長期にわたって継続できることを嬉しく思い、生成AIの可能性を活かすことで、ドイツのプロサッカー界のイノベーションを加速していくことに期待しています」

AWS セールス、マーケティングおよびグローバルサービス担当シニアバイスプレジデントであるマット・ガーマン(Matt Garman)は、次のように述べています。「私たちは、スポーツ界のイノベーションをけん引する DFL とのパートナーシップをさらに深めていくことを嬉しく思います。AWS は 4 年前に、DFL がテクノロジーを活用してパーソナルなレベルでファンとつながり、新たな統計データの可能性を引き出し、事業運営や放送サービスを変革していけるよう、支援を開始しました。本日、SportsInnovation で行ったデモンストレーションは、世界中のブンデスリーガファンに、希望する言語でよりパーソナライズされた視聴体験を提供していくための基礎となるでしょう」

2020 年からの取組
DFL と AWS は 2020 年から、スポーツ、メディア、データ分析、機械学習(ML)および人工知能(AI)の活用において、双方の持つ専門的知見を融合し、サッカーリーグとテクノロジー企業との広範な協業関係を築くことで、多数のプロジェクトを成功に導いてきました。例えば、Bundesliga Match Facts Powered by AWS の開発は、公式試合のライブデータをベースにした高度な統計データをリアルタイムに提供するという包括的ポートフォリオへと成長しました。

自動化された動画コンテンツ制作とクラウドでのグローバル配信:
200 か国以上で試合を放映するメディアパートナーを擁する DFL は、AWS とともに優れたコンテンツを世界中のファンにできるだけ容易に提供するためのイノベーションに取り組んでいます。衛星や光ファイバーを介した国際放送を補うため、DFL はクラウドベースのストリーミングサービスを提供し、OTT(オーバー・ザ・トップ)コンテンツへの需要の高まりに応えています。現在、自動化によって、ブンデスリーガ 2 部の全 306 試合で画面表示を英語にできるようになっており、チームラインナップ、スコアに加えて、Bundesliga Match Facts も英語で表示することができます。結果として、国際放送されるブンデスリーガ 2 部の試合数が 2 倍以上に増加し、視聴者数はほぼ 4 倍に達しています。

ブンデスリーガ・デジタルアーカイブの最適化:
この協業関係を通して実現したもう 1 つの進化が、世界最大規模であり、かつ絶えず拡大し続けているサッカー動画のデジタルアーカイブ「DFL Media Hub」内でのコンテンツの検索機能の向上です。AI によって生成されたメタデータを利用することで、ユーザーは 21 万時間を超える映像の中から、より効率的にコンテンツを検索できるようになりました。コンテンツに素早く簡単にアクセスできることは、ブンデスリーガおよびブンデスリーガ 2 部に参加するクラブ、国内外のメディアパートナー、さらにその他のメディアやエージェンシー、スポンサーなどにとり大きな価値となります。

ブンデスリーガアプリにおけるパーソナライゼーション:
AWS はブンデスリーガ公式アプリのパーソナライズ機能においても、重要な役割を果たしています。アプリにはレコメンデーションエンジンとして Amazon Personalize が使われており、ファン 1 人ひとりの好みに合わせたコンテンツを状況に応じて調整することができます。これにより動画の視聴回数の増加やリテンション率の向上につながり、アプリのセッション時間が 17%長くなりました。

開発者の生産性:
ブンデスリーガではいち早く、アプリケーションの開発および運用管理の全ライフサイクルに、 AWS の生成 AI 搭載アシスタントである Amazon Q Developer を採用しました。Q Developer は開発スピードの点で大幅なアドバンテージを提供するだけでなく、機能の開発能力や Q Code Transformation のように、単にコードを書き込むだけでない推論タスクのための画期的な機能も備えることで、DFL は開発者の生産性を新たなレベルへと引き上げました。