Amazon Web Services ブログ
自動車業界向け AWS re:Invent 2022 のダイジェスト
このブログは、Chandra Keswarkar と Sushant Dhamnekarによって 2023 年 1 月 5 日に公開されたブログRecap of AWS re:Invent 2022 for the Automotive Industryの翻訳です。
昨年 11 月に 5 日間に渡り AWS 最大の年次イベント AWS re:Invent が開催されました。このブログでは、re:Invent の発表から自動車業界に関連するトピックを要約し、自動車業界のお客様に役立つ AWS の自動車・製造業のブレイクアウトセッション、デモ、ワークショップ、チョークトークをハイライトしてお伝えします。自動車業界のお客様が自らを改革し続け、よりコネクテッドで、持続可能で、パーソナライズされた、優れたモビリティ体験を実現する変革の中で、課題を克服するために役立つ内容であると確信しています。
Automotive Reinvention (AUT101-L) で、Wendy Bauer (General Manager, AWS Automotive & Manufacturing) は、自動車業界を動かしている次のようなマクロトレンドを強調しました。
- 持続可能なモビリティ: 世界中のお客様は、自動車業界が世界中で今後何年にもわたって持続可能なモビリティを提供することを期待し、要求しています。
- 車両のテクノロジー: コネクテッド、自動化、シェアリング、電動化 (CASE) は、かつてないほど業界を変革しています。 現在、世界中で約 2 億 4,600 万台のコネクテッドカーが路上を走っています。 コネクテッドモビリティは、データの力と、車がリアルタイムで意思決定できるエッジコンピューティングに依存しています。 お客様は自分の車とやり取りすることができ、車は他の車、歩行者、インフラストラクチャなどの環境と通信できます。
- 顧客体験とパーソナライゼーション: 消費者のニーズは、これまでの価格主導型から、顧客体験とパーソナライゼーションを重視するものへと進化しています。 消費者は、インフォテインメント、地理的にローカライズされたパーソナライズされたコンテンツ、およびシームレスな顧客体験を備えた、1 マイルあたりの最高の顧客体験向上を求めています。
同じセッションで、Marc Solsona Palomar (General Manager, Automotive Technology, AWS) は、AWS GravitonでBlackberry QNX が利用可能になったことを発表しました。これにより、組込みソフトウェアのクラウドネイティブ開発が可能になり、自動車ソフトウェア開発における開発チームのハードウェア依存を減らすことができます。さらに、AWS Industry Products と Blackberry チームは、デモエリアで Blackberry IVY のデモを展示しました。IVY を最新の Bosch インフォテインメント電子制御ユニット (ECU) に導入することで、AWS と Blackberry チームは、Blackberry IVY パートナーと共に燃料供給と予知保全のデモを開発しました。IVY は、車両センサーデータを収集し、エッジコンピューティングを実行して、洞察を AWS クラウドに送信します。
AWS の自動車・製造業は、自動車分野のいくつかの主要な自動車メーカー (OEM: Original Equipment Manufacturer)、Tier 1、顧客、およびパートナーと連携し、いくつかの戦略的なワークロードに焦点を当てています。これらの戦略的ワークロードの一部に関して、re:Invent 2022 からのさらなるハイライトと発表をお伝えします。
自動運転
Amazon の VP 兼 CTO である Dr. Werner Vogels はキーノートで、同時実行性と並列性を制御した、非同期で疎結合のイベント駆動型システムを構築することを奨励しています。これにより、進化可能なアーキテクチャを構築できます。Dr. Vogels は「自動運転では、単純な 2D マップでは不十分です」と述べています。車両には空間インテリジェンスが必要であり、センサーとカスタム ML モデルの融合が必要です。認識システムには、周囲に 360 度のフィールドを作成するカメラ、LiDAR、赤外線レーダーからのデータが含まれます。3D コンテンツの作成を大規模に合理化するオープンソースのツールスイートである AWS Ambit シナリオデザイナーは、GitHub で利用できます。シミュレーション、トレーニング、および仮想ウォークスルーで使用するために、ほぼリアルタイムの 3D モデルと環境をレンダリングできます。 Dr. Vogels は、自律型トラック輸送の技術を構築し、LiDAR、レーダー、カメラを使用し、現実世界で行う前に仮想的に 200 万回以上の青信号による左折を行った Aurora の例を挙げて、現実世界の問題を解決するために空間シミュレーションについて検討するよう促しました。シミュレーションには大量のメモリが必要ですが、AWS SimSpace Weaver を使用すると、インフラストラクチャを管理することなく大規模な空間シミュレーションを実行できます。SimSpace Weaver がすべてのネットワーク、メモリ管理、および同期を処理し、ユーザーは、トラフィックパターンや公共交通機関ネットワーク、またはサプライチェーンインフラストラクチャをシミュレートできます。
自動運転車は、地理空間データを利用して A から B に移動します。地理空間データを活用したマップによって、建設区域や法律や運転規則の変更に関する頻繁な更新が可能になります。ただし、地理空間データを扱うのは非常に困難です。高品質のデータセットにアクセスして ML モデルをトレーニングすることは困難であり、複数のデータソースや複数のベンダーと連携する必要があり、大規模なデータセットの準備に時間がかかり、可視化ツールが限られています。地理空間データの価値を解き放つために、AWS のデータおよび機械学習担当 VP である Dr. Swami Sivasubramanian はキーノートで、Amazon SageMaker が新しい地理空間 ML 機能をサポートするようになり、地理空間データを使用した機械学習モデルの構築、トレーニング、デプロイが容易になったことを発表しました。この機能を使用すると、衛星画像、地図、位置データなど、すぐに利用できる地理空間データソースから数クリックで地理空間データを取得でき、組み込みアルゴリズムを使用して地理空間データを簡単に準備できます。Amazon Sagemaker は、モデル開発を加速するための組み込みの事前トレーニング済ニューラルネットワークも提供します。AWS の ML/AI サービスの General Manager である Kumar Chellapilla は、水位上昇による危険な道路状況を予測する方法の例を挙げて、Amazon Sagemaker の地理空間機能を使用してこの予測を行う方法を示しました。
AI/ML セッション (AIM217-L) では、AWS の ML および AI サービス VP である Bratin Saha が、自動車業界が地理空間データをどのように使用しているかを説明しました。セッションに招待されたのは、BMW のデータ変革 & AI 担当 General Manager である Marco Görgmaier 氏で、BMW グループが Amazon SageMaker の地理空間機械学習機能 (マップマッチング、効率的なジオハッシング、デジタルマップなど) を使用して、ドライバーの運転行動に基づいて電気自動車に対するドライバーの親和性を 80% 以上の精度で予測する持続可能なソリューションを構築する方法について話しました。わずか 8 週間でアイデアからソリューションを構築した彼は、単一の API を使用して異種の地理空間データにアクセスして変換・強化することや、地理空間データ用に特別に調整された事前構築済みの可視化ツールを使用する利点を語っています。
デモスペースでは、AWS プロフェッショナルサービス チームが、SeedFarmer オーケストレーションツールを使用してデプロイされた、シーン検出、シミュレーション (モック)、可視化、コンピューティング、ストレージ、および集中ロギング用のモジュールのコレクションである Autonomous Driving Data Framework (ADDF) を紹介しました。ADDF を使用すると、お客様は個別のスタンドアロン インフラストラクチャをコード モジュールとして構築し、あるモジュールからエクスポートして別のモジュールにインポートできるメタデータを使用して依存関係に関する情報を交換できます。AWS DeepRacer League は、機械学習 (ML) によって推進される世界初のグローバル自律型レーシングリーグです。あらゆるスキル レベルの開発者が、世界中でオンラインや対面でレースに参加できます。2022 年には、世界中の 160 か国以上から 150,000 人を超える開発者が AWS DeepRacer に参加しました。AWS DeepRacer 2022 Championship Speedway レースが re:Invent 2022 で開催されました。
ハイパフォーマンスコンピューティング
自動車メーカーがハイパフォーマンスコンピューティングを使用する主なユース ケースの 1 つは、自動運転と運転支援システムのシミュレーションワークロードです。今年、AWS Utility Computing の SVP である Peter DeSantis はキーノートで、X86 ベースのワークロードを実行する Amazon EC2 R7iz インスタンス、強化されたネットワーキングを備え、Graviton と Nitro v5 チップを搭載した EC2 インスタンス C7gn など、最高のコンピューティングパフォーマンスを実現する EC2 インスタンスをいくつか発表しました。HPC ワークロードは、コンピューティング、ネットワーク、データ、およびメモリを集中的に使用する傾向があります。コンピューティングセッション(CMP223-L) で Amazon EC2 VP の Dave Brown は、コンピューティング集約型の HPC ワークロード用のAmazon EC2 HPC6a インスタンス、Graviton3E を搭載した Amazon EC2 HPC7g インスタンス、およびコンピューティング集約型およびネットワーク集約型の HPC ワークロード用の Elastic Fabric Adaptor、メモリおよびデータ集約型の HPC ワークロード用の EC2 HPC6id インスタンスを発表しました。また、クラウドでの ML トレーニングおよび HPC アプリケーション用の EC2 P4de インスタンス、超大規模モデルのトレーニング用にネットワーク最適化された Tranium ベースの EC2 Trn1n インスタンス、小〜中規模の複雑さのモデルの機械学習推論用の AWS Inferentia チップを搭載した EC2 Inf1 インスタンス、大規模で複雑なモデルの ML 推論のための Inferentia2 アクセラレータを搭載した EC2 Inf2 インスタンスも発表されました。
容易な開発
メカニカルからソフトウェアのマインドセットに移行したことで、今日の自動車システムにはかつてないほど多くのソフトウェアが搭載されています。ソフトウェア開発を簡素化して加速するために、Dr. Werner Vogels は、開発にかかる重労働を取り除く Amazon CodeCatalyst (プレビュー) を発表しました。Amazon CodeCatalystは、AWS での構築とデリバリを高速化する統合ソフトウェア開発サービスです。個別にも組織にもできるブループリントの基本概念により、コードを作成するだけでなく、プロジェクト ファイル、統合ツールの構成、ソースコード管理、CI/CD パイプライン、問題管理、GitHub との統合まで、すべてをセットアップします。これにより、お客様は必要なものすべてを含むプロジェクトを数分で作成できます。また、ワンクリックで環境とコードベースを簡単に切り替えることができます。もう 1 つの機能は、サーバーレスアプリケーションの設計、構成、および構築を簡素化および加速する AWS Application Composer (プレビュー) です。これにより、お客様はサーバーレスアプリケーションを視覚的にすばやく設計構築できます。またお客様は、チーム メンバー、クライアント、または同僚と簡単に共有および構築できるアーキテクチャのモデルを維持できます。
標準インターフェイスを使用しながら、より小さなコンポーネントでより大きなアプリケーションを構築する必要性に対処するために、Dr. Werner Vogels は Amazon EventBridge Pipes を発表しました。これは、イベントプロデューサーとコンシューマーを数秒で接続し、ユーザーが AWS サービスをつなぎ合わせることを可能にし、さまざまなAWS サービスからのメッセージを統合するように設計されています。Amazon EventBridge Pipes は、AWS Lambda または AWS Step Functions を使用して、コンシューマーに到達する前にパイプラインを通過するメッセージを操作できます。また、組み込みのイベントフィルターで、イベントのサブセットのみをコンシューマーに送信することもできます。
機械学習の開発を簡素化するために、Bratin Saha は彼の AI/ML セッション (AIM217-L) で、お客様がデータを視覚的に準備し、リアルタイムにコラボレーション (開発、ノートブックでの共同編集や共同作業)し、自動化されたノートブックのデプロイで実験から実稼働にすばやく移行できる、次世代の SageMaker Studio Notebooks を発表しました。
車両ツールチェーン
Automotive 開発ツールチェーン (AUT203) では、Tara Vatcher 氏 (SVP, Software Architecture & Development – Platform Stellantis) と Hendrik Shoeneberg (AWS の Principal Data Architect) が、Virtual Engineering Workbench (VEW) を開発するための Stellantis と AWS のコラボレーションについて話しました。VEW により、お客様は自動車用ソフトウェア開発を物理世界から仮想世界に変換できます。これにより、さまざまな地域のすべての開発者が適切なツールを使用して一貫した環境にアクセスできるようになり、完全に自動化されたパイプラインを備えた仮想環境が提供されるため、ハードウェアへの依存が軽減され、V モデルのシフトレフトが可能になります。
お客様の声
AWS での自動運転シミュレーションと検証 (AUT204) セッションで、Volkswagen Commercial Vehicles のお客様は、AWS 上に構築された自動運転システム向けのデータ駆動型開発ソリューションである「SNOWPARK」が、ブランドの全員に対するデータの民主化と容易なデータアクセスにどのように役立ったかについて話しました。同じセッションで、Toyota Motors North America のお客様は、AWS 上に構築された本番環境の ADAS/AV プログラム向けのスケールアウトエッジツークラウド DataOps ソリューションが開発プロセスの改善にどのように役立ち、取り込みから分析までの時間を数か月から数日に短縮できたかを説明しました。
AWS を使用したコネクテッドカーおよびモビリティプラットフォームの構築 (IOT311) では、AWS IoT Core が大規模なコネクテッドカーワークロードを実現する方法を説明し、コネクテッドカープラットフォームのベストプラクティスを議論し、AWS が OEM、Tier 1 サプライヤー、フリートテレマティクス ソリューションプロバイダーをどのように支援しているかを述べました。自動車 ISV は、車両フリートをクラウドに安全に接続するシステムを構築してデプロイします。このセッションには、Mercedes-Benz のお客様も参加し、多数の車両を AWS IoT Core に接続した経験を共有しました。
自動車製造
Dr. Werner Vogels はキーノートで、サーバーレスアプリケーション内で大規模な並列ワークロードを調整する AWS Step Functions Distributed Map も発表しました。AWS Step Functions の Distributed Map を使用すると、ユーザーは Map と Reduce ステップを非常に簡単に実行でき、シンプルな Lambda 関数を使用して半構造化データの膨大なデータセットを処理できます。例えば、製造現場の機械やロボットが毎秒数千のファイルを生成する自動車製造では、AWS Step Functions Distributed Map を使用してすべてのファイルを一度に処理することで、平均トルク圧力などの単純な出力を簡単に処理して推測できます。
デジタルツインは、自動車の生産ラインと製造プロセスのあらゆる側面に関する洞察をお客様に提供します。AWS IoT TwinMaker を使用すると、実世界のシステムのデジタルツインをより迅速かつ簡単に作成し、それらを適用して産業オペレーションを監視し最適化できます。
AI/ML セッション (AIM217-L) では、AWS の ML および AI サービスの VP である Bratin Saha が、ML を活用したいくつかのユースケースについて話しました。2020 年にローンチされた Amazon Monitron には、機械の振動と温度を測定するワイヤレスセンサー、ゲートウェイ、アプリが付属しており、ML を使用して機器のメンテナンスが必要な時期を予測します。何よりもML コードを 1 行も書かなくても、これらすべての機能が提供されます。
分析
ちょうど昨年、ML を利用したビジネスインテリジェンス (BI) サービスである Amazon QuickSight が 80 の新機能をリリースしました。今年の re:Invent で、AWS は QuickSight で印刷に適した高度にフォーマットされたレポートを発表しました。これは、お客様が業務で必要なページ分割されたレポートを作成するのに役立ちます。これは、自動車の製造および工程計画において特に役立ちます。例えば、工場の従業員は、製造現場で特定モデルの自動車をどのように組み立てるか等が印刷された指示書を受け取ります。Amazon QuickSight を使用すると、何百ものページ分割されたレポートページを簡単に生成して印刷し、現場の従業員に渡すことができます。
2020 年に発表されたもう 1 つの人気のある機能は QuickSight Q です。これにより、組織内の誰もが自然言語を使用して業務の質問をすることができます。 例えば、QuickSight Q に「2022 年の売上上位 10 製品は?」と尋ねると、開発者がダッシュボードを作成して SQL クエリを作成する代わりに、Q が数秒で可視化された形で回答を返します。今年、AWS は Q での ML を活用した予測を発表しました。これにより、お客様は Q に予測を依頼したり、Q を使用して「なぜ」の質問をしたりでき、過去のイベントを深く掘り下げて理解し、予測に影響を与えた傾向を分析できます。
Dr. Swami Sivasubramanian はキーノートで、データレイクでデータ品質を維持することの重要性を強調し、お客様が自動でデータ品質ルールを生成し、データレイクのデータ品質を測定、監視、管理できるようにする AWS Glue Data Quality のプレビューを発表しました。 現在、多くのお客様が、回帰テストや時系列予測などの複雑なデータ分析や分散アプリケーションの構築にオープンソースフレームワークである Apache Spark を使用しています。ただし、インタラクティブな分析を実行するには、インフラストラクチャを管理する必要があります。Dr. Swami は、インフラストラクチャのセットアップやインタラクティブな分析用のクラスターの維持に対処するのではなく、インタラクティブなアプリケーションの構築を簡素化するために、ユーザーが Apache Spark でインタラクティブな分析を1 秒以内に実行できるようにする Amazon Athena for Apache Spark を発表しました。 これによりお客様は、他のサーバーレス Spark 製品よりも最大 75 倍速く Spark ワークロードを起動できます。データ共有を容易にするために、Dr. Swami は Amazon DataZone を発表しました。これは、組織のセキュリティとデータ プライバシーの要件を満たしつつ、AWS だけでなく、サードパーティのデータサービスに存在するデータを組織全体でカタログ化し、発見し、共有し、管理するのに役立ちます。
ゼロ ETL ビジョン
お客様が最も時間を費やす領域の 1 つは、トランザクションデータベースとデータウェアハウス間の ETL パイプラインの構築と管理です。
AWS の CEO である Adam Selipsky はキーノートで、Amazon Aurora と Amazon Redshift 間のフルマネージドの新しいゼロ ETL 統合を発表しました。これにより、トランザクションデータに対してニアリアルタイムの分析と ML が可能になります。数クリックで、数秒以内にデータが Redshift でシームレスに利用可能になります。お客様は複数の Aurora データベースから Redshift インスタンスにデータをレプリケートでき、データはほぼリアルタイムで自動的かつ継続的に更新されます。システム全体がサーバーレスで、動的にスケールアップおよびスケールダウンします。別の発表では、Amazon Redshift と Apache Spark の統合がありました。これにより、データを移動したり、ETL パイプラインを構築する必要なく、Amazon EMR、AWS Glue、Amazon SageMaker から Redshift 上のデータに対して Apache Spark クエリを簡単に実行できます。これらの発表はどちらも、ETL に関するお客様の主要な問題点を解決し、ETL ゼロの未来という AWS のビジョンに向けて 2 歩前進することを可能にします。
車両での顧客体験
自動車業界では、顧客体験の重要な要素の 1 つは、ロードサイドアシスタンスや緊急対応に関するものです。現在、Amazon Connect を使用して、コンタクトセンターでの顧客体験を自動化できます。今年 AWS は Amazon Connect の 3 つの新機能、つまり ML 主導の予測、キャパシティ プランニング、スケジューリングを提供開始しました。 これらの新機能は、コンタクトセンターのマネージャーがエージェントのスケジュールを最適化し、適切なエージェントを適切なタイミングで配置するのに役立ちます。次に、AWS は Contact Lensとリアルタイム通話分析を使用したエージェントパフォーマンス管理機能をプレビュー提供しました。これらのツールは、コンタクトセンターマネージャーがパフォーマンスの問題を特定するのに費やす時間を短縮し、エージェントのコーチングを支援するのに役立ちます。Amazon Connect には、エージェントが問題をさらに迅速に解決できるように、ステップバイステップのアクションでお客様とのやり取りを通じてエージェントをガイドする新しいユーザーインターフェイスが含まれるようになりました。Contact Lens for Amazon Connect が提供するもう 1 つの新機能は、お客様の問題に対処し、エージェントのパフォーマンスを定義、評価、改善し、重要な会社や製品のフィードバックを特定するために使用できる会話分析です。
自動車向けデジタルカスタマーエンゲージメント (AUT201) セッションには、Rivian のお客様が参加し、お客様とのコミュニケーションチャネルでの顧客体験を向上させるために Amazon Connect を使用してカスタマーエンゲージメントセンター、Rivian Guide、Rivian Vehicle Services を構築した話を紹介しました。このセッションには、BMW のお客様も含まれており、AWS 上に Cloud Data Hub (CDH) を構築してお客様の個人的な体験をキュレートすることにより、データの観点から顧客中心主義を実現することについて話しました。デジタル顧客体験を継続的に改善するために、OEM は車載ソフトウェアを定期的に更新して車載アプリケーションを更新し、車両の機能を追加する必要があります。AWS のサービスを使用した業界デモエリアでは、AWS パートナーの Harman が Over-The-Air (OTA) 更新デモを紹介しました。
サプライチェーン
Adam Selipsky はキーノートで、サプライチェーンについて、サプライヤー、部品、製造拠点、流通施設、輸送業者の複雑なグローバル ネットワークをすべて調整しながら、適切な商品を適切なタイミングで低コストで配送しようとしていると述べました。在庫を管理するには、お客様がサプライ チェーンを正確に最新の状態で把握する必要があります。在庫とサプライチェーンの全体像を把握するには、膨大な数のERP とサプライチェーン管理システムにわたってデータを収集および処理するために、カスタマイズされた統合の構築が必要です。これらのニーズを満たすために、Adam は AWS Supply Chain (プレビュー) を発表しました。これは、サプライチェーンの可視性を向上させ、お客様がサプライチェーンのリスクを軽減してコストを削減するのに役立つ実用的な洞察を提供するよう設計されています。このサービスを使用すると、サプライチェーンデータ、ML を活用した洞察、推奨されるアクション、および組み込みのコラボレーション機能が統合されたビューにより、予期しない問題に迅速に対応できます。数クリックするだけで、SAP S/4 Hana、EDI、または SAP ECC からサプライチェーンデータに接続できます。AWS Supply Chain は、事前にトレーニングされた ML モデルを使用してデータレイクを自動的に設定し、バラバラで互換性のないデータを統一されたデータモデルに変換します。次にAWS Supply Chain は、お客様のデータをリアルタイムでビジュアルなマップに関連付けします。このマップは、お客様のサプライチェーンネットワーク全体の在庫の全体的な健全性を示します。在庫リスクの可能性がある場合に通知を受け取るために、ウォッチリストを作成することもできます。AWS Supply Chain は、従量課金制で前払いのライセンス料金なしで利用でき、お客様にサプライチェーンの統一されたビューを提供して最も現実的な洞察を明らかにすることで、リスクを軽減し、コストを削減するのに役立ちます。
結論
以上、自動車業界に最も関連のある AWS の発表をご紹介しました。これらの新しい製品と機能が、自社の組織の俊敏性と効率性の向上にどのように役立つかをご検討される場合、AWS がお手伝いします。今すぐ AWS チームにお問い合わせください。また、製品の詳細をお知りになりたい場合は、当社の自動車向け AWS ページを是非ご参照下さい。
このブログは、Solutions Architect Leader の Shawn Sehy、Solutions Architect の小野田 卓、國政 丈力が翻訳を担当しました。