病院内文書作成業務を支援するアプリケーション

病院内の文書作成業務の負担

病院内の文書作成業務は、その種類も多く、多くの医療機関にとっていまだ負担となっているのではないでしょうか?

自動化ソフトなどの導入にって改善されている点もあるかと思いますが、自然言語処理を得意とする大規模言語モデルを活用することで、柔軟に出力形式を指定したり、文章の長さを調整して出力することが可能になります。

言語モデルを利用した文書作成業務支援

文書を1から作成する必要はありません。
与えられたデータを指定した形式で出力するように、大規模言語モデルを利用します。
複数の形式に対応するために、言語モデルにプロンプトと呼ばれるテキストデータを与えます。プロンプトで形式に沿った文書を生成できるよう、あらかじめテンプレート化しておくことが可能です。

文書作成に使用するため言語モデルに与えるデータは、電子カルテなどの医療情報システムのアプリケーションから取得します。データ連携をシステムかすることで、人手で再入力等することによるミスを防ぎます。
文書に出力するために取得したテキストデータが長すぎる場合は、重要なキーワードのみ抽出してまとめたり、内容を要約して出力したり、データが足りない場合は不足していることを表示することが可能です。

病院内の情報を安全にアプリケーションに届ける

電子カルテなどのシステム本体に大規模言語モデルを組み込むためには、モデルをホスティングするための大きな計算機が必要となりますが、AWS クラウドを利用することで、既存のシステム自体に大きな計算機を追加することなく機能を実現できます。

病院内に電子カルテがある場合、院内のシステムと AWS クラウド上の文書作成業務支援アプリケーションとの通信のために、ゲートウェイ等を設置することができます。
クライアント証明書を設置し、通信を暗号化することで、大切な医療情報を安全にアプリケーションに届けます。

構成のポイント

文書を作成していない間コストがかかることを防ぐため、AWSのサーバレスと呼ばれる使ったときだけコストがかかるサービスを使います。暗号化通信、証明書認証などもサービスの機能で実現します。


(API Gateway、Lambda などへのリンク)

クラウドで提供することのメリット

前述した、大きな大規模言語モデルを簡単にホスティングできることに加えて、病院が必要とする他のアプリケーション機能をクラウドでホストして提供するなどの拡張性を得ることができます。

クラウド型の電子カルテであれば、アドオン機能の1つとして提供することも考えられます。

大規模言語モデルができることはこれからも増えていくと予想されます。新しい機能をクラウドで迅速に実験/開発し、提供することはシステムに付加価値を追加するための手段とすることが可能です。

本記事の執筆者

今井 真宏

パブリックセクター技術統括本部
スマートシティ/ヘルスケア担当 シニアソリューションアーキテクト


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