Tapestry が Amperity と AWS のサービスを利用してオムニチャネルのカスタマーエクスペリエンスをパーソナライズ

エグゼクティブサマリー

Coach、Kate Spade、Stuart Weitzman などのラグジュアリーブランドやライフスタイルブランドを展開するグローバル企業である Tapestry は、顧客データのジレンマに陥っていました。消費者の関心が低下していたわけでも、消費者による購入が少なかったわけでもありません。しかし、有用な形での顧客データの収集や、さまざまなサイロでのデータの分散に関する課題がありました。また、Tapestry は、プロモーションで特定の顧客セグメントを適切にターゲットとして設定して、パーソナライゼーションに関する顧客の増大する需要に応えるため、効果的なアイデンティティ解決を必要としていました。

そこで、Amazon Web Services (AWS) を利用する Amperity を頼ることにしました。世界中のブランドによって利用されている主要なエンタープライズ顧客データプラットフォーム (CDP) である Amperity を利用することで、Tapestry は自社の顧客データを管理して、顧客関係を体系的に改善し、より良いパーソナライゼーションを提供するとともに、ブランドロイヤルティを高めることができました。

課題: 各顧客の特定と識別

2020 年 3 月、Tapestry は企業とブランド全体の変革を推進し、データと新しい働き方を活用して成長を促進するために、トランスフォーメーションマネジメントオフィス (TMO) を立ち上げました。まず、販売時点情報管理 (POS)、e コマース、E メールでのやり取り、ロイヤルティデータ、モバイルアプリエンゲージメントなど、全社的に複数のソースにおいて分散していた過去の顧客データを統合する必要がありました。また、顧客がブランドとやり取りする際に日々生成される現在のデータフィードに関する統合計画を立てる必要もありました。

まとまりのないデータサイロがあることに加えて、個々の顧客データにも不整合が含まれていました。Tapestry は、顧客が場面ごとに自らを異なる方法で称しているのを何度も目にしました (ある場面ではフルネームを使用し、別の場面ではニックネームを使用していました)。顧客が情報を更新する際に、入力ミスが発生することもありました。Tapestry を頻繁に利用する顧客は、ブランドと頻繁にやり取りするため、整合性のない不正確な個人を特定できる情報 (PII) を保有している可能性が高く、したがってデータがより乱雑になっている可能性がありました。そして、顧客は、自らの人生を歩む中で、メールアドレスや電話番号を変更したり、引っ越したり、名前を変更したりすることもありました。

1 つの顧客ビューを実現するために、Tapestry は、一元的なシステムへの出入力に使用されるデータパイプを構築、メンテナンス、モニタリングして、さまざまなシステムからの情報をまとめる必要がありました。しかも、e コマース、ロイヤルティ、モバイル、POS などのほとんどのシステムは、相互に統合するようには設計されていません。

これらのシステムは同じ識別子を共有していなかったため、Tapestry にとって、一貫性のある態様で顧客情報を整合することは困難でした。同社は、顧客が誰であるか、何を購入するのか、同社のさまざまなビジネスにおける関わり方など、必要な情報をすべて含む、顧客に関する単一のビューを確立する方法を必要としていました。

Tapestry では、膨大な量のデータが毎日分析されて、取り込まれ、送信されています。「Amperity を実装することで、複雑なデータアーキテクチャがシンプルになり、Tapestry チームは日々の戦術的な要件ではなく、より戦略的で成長を促進する機会に注力できるようになりました」

- Amperity、Director of Product Marketing、Ana Ginsberg 氏

Amperity とその顧客識別ソリューションソフトウェアの導入

Tapestry は、顧客情報を含む同社のすべてのデータソース内およびそれら全体で同じ顧客を識別できるようにするため、Amperity に依頼しました。Amazon Elastic Cloud Compute (Amazon EC2)、Amazon Simple Storage Service (Amazon S3)、Amazon Kinesis を活用した Amperity の Customer Data Platform と連携して、Tapestry はファーストパーティーデータの基盤を構築しました。これにより、同社は完全に統合された革新的なカスタマーエクスペリエンスを提供し、価値の高い顧客とのより深いエンゲージメントを促進できるようになりました。

この新しいテクノロジーを採用したことで、さまざまなベンダー、特に自動メールプロバイダーに必要なデータファイルのオートメーションがすぐに改善されました。これに使用されていたレガシーツールは、ほとんど手作業を要するものでした。Amperity の採用により、ファイルのオートメーションとエンドツーエンドの配信が可能になり、1 週間あたり何時間分もの労力を節約できました。その節約分は、成長を促進する他の機会に割り当てることができました。

E メールのオートメーションで何時間分もの労力を排除

すぐに改善すべき点の 1 つは、さまざまなベンダー、特に自動メールプロバイダーに必要なデータファイルのオートメーションでした。これに使用されていたレガシーツールは、ほとんど手作業を要するものでした。Amperity の採用により、ファイルのオートメーションとエンドツーエンドの配信が可能になり、1 週間あたり何時間分もの労力を節約できました。その節約分は、成長を促進する他の機会に割り当てることができました。

顧客に関する正確かつ最新の 360 度ビューを構築

Amperity 独自の機械学習 (ML) アルゴリズムはレコードを照合します。これにより、一意の識別子が不完全、一貫性がない、または利用できない場合でも、時間の経過とともに一致率と精度が改善されます。また、確率的データリンキングでは、人間のようなロジックで、より厳格な照合スキーマでも処理できない不一致を捉えることができます。これにより、Tapestry は顧客の正確かつ最新の 360 度ビューを構築でき、オムニチャネルエクスペリエンスを提供できるようになりました。また、マーケティング担当者やアナリストにも、データへのアクセスが提供されました。Amperity により、新規顧客の割合とその製品生涯価値、リピート、およびウィンバックの購買行動など、中核となる KPI と統計を強調表示するダッシュボードを利用できるほか、チャネル、小売店、および他の変数ごとのデータをつなぎ合わせるための他の多くのディメンションを強調表示できます。

「正確なお客様データの基盤があることで、Tapestry が所有する各ブランドのあらゆる部門が、リアルタイムで同じようにお客様情報にアクセスでき、あらゆるブランドタッチポイントでシームレスなカスタマージャーニーをお客様に提供できます」

- Tapestry、CRM Director/Europe、Gary Cassidy 氏

顧客とのコミュニケーションのパーソナライズ

Tapestry は、各顧客のアイデンティティを明確にすることで、一人ひとりの顧客に関するインサイトを得ることができました。その結果、同社は強力なクロスチャネル戦略を有効に実行し、顧客とのコミュニケーションとエンゲージメントを劇的に改善することができました。現在では、メッセージを適切にパーソナライズできるようになりました。これにより、何度も同じことを伝えたり、一貫性のないコミュニケーションを行ったりすることがなくなりました。顧客に関するこれらのビジネス上重要なインサイトを明らかにすることは、Tapestry の組織全体の価値を高めています。今では、Tapestry は個人レベルで顧客とつながることができるため、より高い顧客ロイヤルティと生涯価値を実現できるようになりました。

Tapestry

Tapestry について

Tapestry は、CoachKate Spade New YorkStuart Weitzman などのラグジュアリーブランドを展開する大手企業です。Tapestry は、企業責任の目標を大胆に達成し、財務力からデジタルに関する専門知識まで、その強みを生かして事業運営を行っています。

Amperity について

Amperity は、顧客中心のブランド向けに構築されたエンタープライズ顧客データプラットフォームであり、アイデンティティの解決から、捉えにくいあらゆる顧客情報の収集とアクセス、重要な顧客インテリジェンスの検出と活用に至るまで、顧客データに関するあらゆる課題に対処する一連の製品を提供しています。

公開日: 2022 年 7 月