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南海トラフ地震に備えて、土佐ガスグループの Windows システムを AWS へ移行
安定稼働と無駄のないリモートワーク環境を実現

2020

土佐ガスグループの一員として、各種システムの開発・運用を手掛ける株式会社アツミ電子計算センター。グループ各社が利用するシステムをオンプレミス環境で運用してきた同社は、南海トラフ地震に備えるためにアマゾン ウェブ サービス(AWS)を採用し、Windows サーバー上で稼働する業務システムを移行しました。リソースの短期調達が可能な AWS により、新規サービス開発時のリードタイムの短縮を実現。サーバー機器の保守作業からの解放や、AWS のサービスを使った新たな提案の実現など、さまざまなメリットをもたらしています。

AWS 導入事例  | 株式会社アツミ電子計算センター
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AWS に移行した最大のメリットは、安心感が得られたことです。夜間や休日にシステム障害が発生し、ライフラインであるガスの供給に影響を与える不安がなくなりました

山本 和弘 氏
株式会社アツミ電子計算センター
代表取締役社長

南海トラフ地震に備え Windows サーバーのクラウド化を検討

高知県で LP ガスの供給、福祉用具レンタル・販売、住宅リフォーム、上下水道工事などを手掛ける土佐ガスグループの情報システム会社として設立されたアツミ電子計算センター。土佐ガスグループが利用するシステムの構築・運用・保守と並行し、近年は県内外の一般企業を対象としたシステムやネットワークの構築支援などに事業領域を拡大しています。

土佐ガスグループでは 1986 年に業界でいち早く 24 時間の LP ガス監視システムを導入。その後も基幹システム、営業支援システム、グループウェアなどを順次展開し、高知市内の事務所に 9 台、その他の拠点に4 台の計 13 台の Windows サーバーを設置して、オンプレミス環境で運用していました。

しかし、運用を継続する中でサーバーの老朽化が進み、ハードウェア障害への対応が迫られるようになったことから、アツミ電子計算センターはグループの IT インフラのクラウド化の検討を開始しました。「土佐ガスはガス漏れ等の緊急対応に備えて、社員が各事務所に常駐しており、24 時間 365 日のシステム稼働が必須です。高知県は南海トラフ地震が発生することが想定されており、事業継続計画対策(BCP)や災害対策(DR)も求められていました。そこでサーバーを自社で持たないクラウドの採用を検討しました」と語るのは、代表取締役社長の山本和弘氏です。

AWS Summit で中堅中小企業の事例を収集 “自分たちでもできる”と確信

2015 年頃からクラウドの調査を開始した同社は、2016 年 6 月に東京で開催された AWS Summit Tokyo に参加しました。その後も AWS のクラウド活用を学ぶ AWS 実践入門に参加するなどして基礎知識を身に付け、AWS を自力で導入する方針を固めます。2017 年 1 月より AWS の勉強を開始するとともに、試用環境での検証をスタートしました。

2017 年 3 月には Amazon EC2 を使って WordPress サイトを構築。手応えを得た後、2017 年 9 月にグループの役員会でプレゼンテーションし、AWS の正式導入が承認されます。導入を主導した情報システムグループ 課長代理 椎原徹氏は次のように語ります。

「AWS に決めた一番の理由は、実積の多さです。サミットでは中堅中小企業の事例が数多く発表されており、“自分たちでもできる”と自信が持てるようになりました。サーバー以外の AWS の各種サービスを使った先進的な事例を見ているうちに“スキルを高めて業務の幅を拡げたい”という気持ちが大きくなっていきました」

他のクラウドサービスも調査はしたものの、操作性、サービス、サポート面などからAWS がベストな選択であると判断したといいます。

「役員会のプレゼンテーションでは、災害時でもシステムが継続利用できること、セキュリティ面でも不安がないこと、インフラコストの軽減が見込めることを説明して承認を得ました」(山本氏)

AWS DMS を利用して Oracle DB を Amazon RDS に移行

プロジェクトは 2018 年 1 月からスタートし、まずファイル兼ログサーバーを Amazon EC2 に移行しました。その後、営業支援システムの AP サーバーと DB サーバー、ワークフロー、介護支援システムなどを順次移行していきました。

基幹システムのサーバーは、Oracle DB を AWS Database Migration Service を活用して Amazon RDS for Oracle に移行。グループのホームページの刷新のタイミングでは、レンタルサーバーから AWS の仮想サーバーサービスの Amazon Lightsail に移行し、Linux と WordPress でサイトを構築しています。

さらに、現場作業が多い担当者に配布しているタブレット端末からリモートで日報入力はじめさまざまな業務ができるように仮想デスクトップサービスの Amazon WorkSpaces を導入しました。

「オンプレミスのリモートデスクトップサーバーから Amazon WorkSpaces に移行したことでレスポンスが地域によっては 3 倍以上向上しました。新型コロナウイルス感染症の影響で、グループが一定期間、急遽在宅勤務を実施した際も、Amazon WorkSpaces のライセンスを一時的に 20 台まで増やすことで、迅速に無駄なく対応することができました。通常の勤務に戻った今は、台数をもとに戻しています」(椎原氏)

移行は、従来から同社のサーバー保守をサポートしてきた株式会社アイビスが後方支援を担当しました。

「アイビスには AWS に限らずさまざまな困りごとに相談に乗ってもらいました。今回はナレッジを蓄積するため、自社で解決できするように努めましたが、それでも対応が難しいケースは貴重な助言をいただきました」(椎原氏)

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高知県のライフラインを支えるガスシステムの安定稼働に貢献

現在、Amazon EC2 は東京リージョンを利用し、安定稼働を確認した後に定額料金のリザーブドインスタンスに移行。テスト環境は不要時に停止することでコストの最適化を図っています。

AWS への移行後、サービスリリース時のハードウェア調達のリードタイムは、従来の 1、2 ヶ月から最短で数分に短縮され、納期の短縮と工数削減につながりました。運用担当者はサーバーの保守作業から解放さました。

「AWS に移行した一番のメリットは、安心感が得られたことです。夜間や休日にシステムが止まり、ライフラインであるガスの供給に影響を与える不安がなくなりました。自社導入によってノウハウが蓄積されたことで、グループへの貢献だけでなく外販に向けた提案の範囲が拡大しています」(山本氏)

AI や IoT を活用して配送業務を効率化

同社では今後も AWS を積極的に活用していく計画で、新たなサービスの導入を検討中です。

「1 つは音声案内システムのクラウド化です。緊急時や修理時等の電話対応の自動音声案内システムを、交換機のリプレースの際に Amazon Connect の利用を検討しています。もう 1 つは、AI や IoT を活用したガスの配送業務の効率化です。ガス残量を無線によってリアルタイムに把握し、AI によって需要予測や配送ルートの最適化することができれば、人手不足や作業者の高齢化の課題にも対応ができるのではないかと考えています」(椎原氏)

リソースが限定される規模の情報システム会社でありながら、自社で AWS のノウハウを習得し、現在も AWS Summit やハンズオンセミナーへの参加を通して、知識をアップデートし続けるアツミ電子計算センター。山本氏は AWS とアイビスの両社に対して「インフラコストの低減に向けたさらなる支援と、AWS の最新サービスを活用するための技術習得の機会の提供を期待しています」と語ります。

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山本 和弘 氏

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椎原 徹 氏


カスタマープロフィール:株式会社アツミ電子計算センター

  • 資本金: 1,000 万円
  • 設立年月日: 1979 年 4 月
  • 従業員数: 8 名(2020 年 8 月末現在)
  • 事業内容:土佐ガスグループの基幹システムの開発・運用・機器メンテナンス、グループ外へのハードウェア導入・ソフトウェア構築など

AWS 導入後の効果と今後の展開

  • サーバー調達のリードタイムが 1、2 ヶ月から最短で数分に短縮
  • リザーブドインスタンスの活用などによるインフラコストの最適化
  • サーバー機器の保守作業からの解放
  • AWS のサービスを活用した新たな提案の実現
  • Amazon WorkSpaces を活用したリモートワークの実現
  • AI や IoT を活用したガスの配送業務の効率化を検討

APN セレクト コンサルティングパートナー

株式会社アイビス

1973 年に高知県で創業。高知県内だけでなく、四国全域の企業や自治体、学校などへ IT サービスを総合的に提供し、地域に密着したビジネスを展開。2018 年 4 月に高知県の企業として初めて APN セレクトコンサルティングパートナーに認定され、AWS の豊富な経験を基にお客様のクラウド移行を支援している。

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