BACCC が AWS で CAD ソフトウェアをストリーミングすることで 2,100 名の学生の平等を実現

Bay Area Community College Consortium (BACCC) は、新型コロナウイルス (COVID-19) のパンデミックによってカリフォルニア州の学校がリモート学習に移行した後、コミュニティカレッジの学生や高校生にさまざまなアプリケーションソフトウェアへのアクセスを提供したいと考えていました。コンピュータ支援設計 (CAD) ソフトウェアは、多くの学校の製造、設計、エンジニアリングのカリキュラムに不可欠です。しかし、多くの学生は、この種のソフトウェアをリモートで実行できるコンピュータにアクセスできませんでした。

 

BACCC は、必要なソフトウェアを仮想化し、サンフランシスコベイエリア全体の学生の需要を満たすためにスケールできるソリューションを探していました。2020 年 4 月、ベイエリアのコミュニティカレッジは Amazon Web Services (AWS) に注目し、フルマネージド型の非永続的アプリケーション仮想化サービスである Amazon AppStream 2.0 を見つけました。BACCC は、必要なソフトウェアをクラウドに移行することで、あらゆる社会経済的な立場にある学生が、より平等に自宅学習できるようにしました。

ベイエリアには 28 のコミュニティカレッジと 500 を超える高等学校があります。BACCC は、キャリアおよび技術教育プログラムに登録しているカレッジおよび K-12 の学生の両方と関わっています。BACCC のミッションは、これらのプログラムが高い教育水準を維持できるようサポートし、プログラムに登録する学生の数を増やしてベイエリアの企業の雇用需要を満たすことにあります。これを達成する方法の 1 つは、学生の収入と雇用の改善を支援する California Community College’s Strong Workforce Program を活用することです。

 

2020 年よりも前は、ハイエンドグラフィックスソフトウェアへのリモートアクセスを提供するシステムを導入していた学校はごくわずかでした。代わりに、ほとんどの学生は教室のコンピュータに依存して、製造、設計、およびエンジニアリングのクラスでソフトウェアを利用していました。ロックダウンが始まったとき、多くの学区はコンピュータを買う余裕のない学生にコンピュータを提供しました。しかし、これらのコンピュータの大半は、ハイエンドグラフィックスソフトウェアを実行するのに必要なコンピューティング性能を備えていませんでした。これに対処するため、BACCC はメンバーカレッジの 1 つである Cabrillo College のサーバーネットワークに仮想マシンを実装しました。しかし、より大規模な地域ネットワークでソフトウェアを利用できる必要があるため、よりスケーラブルなソリューションを探し始めました。

 

BACCC は、クラウドコンピューティングを設定し、アプリケーションを仮想化することにしました。これにより、オンライントラフィックの変動に必要な伸縮性が妥当なコストで提供されました。「教育者の観点から見ると、Amazon AppStream 2.0 のメリットの 1 つはシステムのスケーラビリティです」と BACCC の製造業雇用者エンゲージメント地域ディレクターである Mark Martin 氏は述べています。アプリケーションのクラウドへの移行は 1 人の職員が主導しました。また、BACCC は AWS から必要な技術サポートを受けることができました。「私は情報技術者ではありません」と Martin 氏は述べています。「ですから、あらゆる設定は目新しいものでしたが、AWS チームのメンバーが何時間もかけて説明してくれ、とても助かりました」。

BACCC は当初、Amazon AppStream 2.0 を利用して Autodesk ソフトウェアへのアクセスを可能にし、学生のメールアドレスに基づいたシングルサインオンシステムを作成しました。これは、学生にとって馴染みのあるログインプロセスです。さらに、BACCC は、学生が Autodesk アプリケーションにアクセスするための、目につきやすいアイコンを作成しました。このユーザーフレンドリーなプロセスにより、何千人もの学生がノートパソコンで実質的にレイテンシーなしで大規模なアプリケーションにアクセスし、実行できるようになりました。「25 の異なる学校の 2,100 名の学生が、Amazon AppStream 2.0 を利用して 28,000 を超えるセッションを実行できるようにしました」と Martin 氏は述べています。「セッションの平均継続時間は 1 時間でした」。

 

学年の後半には、BACCC は Project Lead the Way (科学、技術、工学、および数学のプログラム) に参加している一部の学校に、ソフトウェアへのアクセスを提供しました。「Amazon AppStream 2.0 は、コンピュータインスタンスを選択するオプションを提供してくれるので、調整しながら、グラフィックスの処理に必要となる適切なスピードを見つけることができるのです」と Martin 氏は述べています。BACCC の学校のある教師は、仮想化の取り組みに関する調査への回答に、「私は技術者ですが、これが私たちの Project Lead the Way の教師と生徒、そして情報技術チームの苦境を救ってくれたと考えています」と述べています。

 

こうしたミッションの中心的な役割を果たしている BACCC は、すべての学生がストリーミングアプリケーションを利用できるようにしたいと考えていました。「リモート学習は、適切な機器を持っていない学生に不公平をもたらしています。そのため、私たちは競争の場を公平にしようと取り組んでいます」と Martin 氏は述べています。「今では、学生は基本的なコンピュータの設定だけで、このグラフィックスを多用するソフトウェアを自宅で実行できるようになりました」。 アクセシビリティを促進するために、Martin 氏は、学校で Amazon AppStream 2.0 を設定するための統一システムを作成しました。他の学校の情報技術部門は、システムパラメータをスプレッドシートに入力することができました。これにより、ソフトウェアを Amazon AppStream 2.0 に移行するための一連のアクションが自動的に作成されます。これは、カリフォルニア州全体の学校が生徒のためにリモートアクセスを設定することを可能にしました。「生徒のためにこのような設備をこれほど迅速に用意することはできなかったので、学区にとって大きな助けになりました」とある学区の教師は述べています。