株式会社ブルボン

株式会社ブルボン

お客様相談センターの電話応対システムに Amazon Connect を導入 クラウドサービスの柔軟性を活用してさらなるサービス向上へ

2022

多くの人々に愛されるお菓子をはじめ、さまざまな食品の開発・製造・販売を行う株式会社ブルボン。お客様の声を品質やサービスの改善につなげる活動をしているのが、同社のお客様相談センターです。同センターは社内で管理・運用していた電話応対用の機器交換を機に、コロナ禍など環境の変化への柔軟な対応に向けてクラウドのシステムを検討し、Amazon Connect を導入。同社内でデジタル推進部との協力により、付加価値の高い業務に専念できる環境を構築しました。

株式会社ブルボン
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Amazon Connect 導入により、オペレーターがそれぞれ自分の席で業務を行えるだけでなく、データがすべて 1 か所に統合されたことで、非常に効率的になったと皆実感しています

平澤 正博 氏
品質保証部 お客様相談センター センター長代理

お客様相談センターの電話応対における 業務環境の改善へ

新潟県柏崎市に本拠地を置くブルボンは、ビスケットやチョコレートをはじめとするお菓子のほか、生活習慣病予防のための機能性食品なども展開しています。さらに省資源などの環境保全活動、従業員の健康増進など、事業を通じて SDGs(持続可能な開発目標)の達成や『健康増進総合支援企業』として、継続的な発展と社会への貢献を目指しています。

同社の顧客満足度の向上を担うのが、品質保証部のお客様相談センターです。センター長代理の平澤正博氏は「当社は食品製造企業として、安全、安心な商品を提供していかなければなりません。お客様相談センターの大きな役割は、お客様の声を当社商品の品質やサービスの向上、業務の改善に活かすことができるよう情報を社内に伝えていくことです」と語ります。

同センターの課題の 1 つに、電話でのお問い合わせ対応業務の効率化がありました。問い合わせを受け付けるエリアが固定され、各オペレーターのデスクとは別になっていたため、受付業務と記録対応業務が分離した状況にあったことに加え、昨今のテレワーク対応も視野に入れる必要がありました。

そこで同センターは、従来の電話対応機器/システム(PBX)の更新時期を迎える2020 年秋頃を念頭に、新しいシステムへの刷新に向けて検討を始めます。課題解決について平澤氏は「オペレーターの負担を軽減させるとともに、録音データとテキストデータを集約して各種データの入手を容易にしたいと考えました」と振り返ります。

また、問い合わせが急増するような商品回収(リコール)等の緊急時には外部の会社に依頼して電話回線を増強していました。しかしコロナ禍を通じてこのような対応もリスクが高いと考え、柔軟に拡張できる仕組み作りも必要と考えていました。

柔軟性向上と管理負荷軽減に向けて Amazon Connect を採用

ブルボン社内の情報システムの設計・開発を担うデジタル推進部システム開発課では、お客様相談センターから電話応対システム刷新の相談を受け、クラウド型の電話受付サービスの導入を検討しました。従来のシステムでは、PC に音声録音用のソフトをインストールしていたため、ライセンス管理や PC 入れ替え時の再インストール作業もシステム部門の負担となっていました。同社では 2019 年頃から社内システムに AWS のサービスをすでに活用していたこともあり、「クラウドの利用によって、社内で保持していたサーバーなどの機器に対する運用・保守にかかっていた工数を、より付加価値の高い作業へシフトできており、お客様相談センターのシステムもクラウドへ移行することで、電話応対オペレーターだけでなく我々の業務効率化にもつながると考えました」と、システム開発課 係長の渡邉淳一氏は語ります。

その結果、「オペレーターごとの機器で着電・受電ができる」「人員の増減に柔軟に対応できる」「サーバーなどの機器を社内に置かない」という 3 つの要件を満たせるよう、複数の選択肢を比較して Amazon Connect を採用しました。また、同社は情報システムの内製化と外部サービスを使い分ける方針をとっており、働く人のニーズや業務の変化に応じたシステムの改善、他のシステムと Amazon Connect との連携についても、社内で速やかに行いたいという意向もありました。

「他にもクラウド上で提供されているコンタクトセンターサービスはありましたが、利用人数に応じて料金が変化するため、人数が増えるとコスト負担が大きくなる点がデメリットでした。コストも含めて臨機応変に対応できること、将来的には社内で運用することを想定すると、Amazon Connectに優位性があると判断しました」(渡邉氏)

AWS パートナーの協力を得て 新しい電話応対の環境を構築

ブルボンには Amazon Connect の利用経験がなかったため、外部パートナーの協力が必要と考え、富士ソフト株式会社に構築全体の統括を含めて依頼しました。富士ソフトは基本的な構築だけでなく、Amazon Connect 導入後はブルボン社内で改善が行えるよう、マニュアルを提供。システム開発課ではこのマニュアルを活用して、追加の要望などに社内で対応しています。

本格的な導入は 2021 年の 9 月で、オペレーターが Amazon Connect の操作に慣れるまでには 2 か月ほど要しましたが、インフラに起因する障害などもなく運用されています。

新システムの導入にあわせて、内製のCRM ツールと Amazon Connect を連携する部分は外部ベンダーの協力を得ながら、電話応対に関するデータを集計する仕組みは内製で構築しました。

従来は、録音データ、音声を文字に起こしたテキスト、顧客データなどが別々に管理されていましたが、これらを統合して管理・運用できるようになりました。平澤氏は「オペレーターがそれぞれ自席で業務を行えるだけでなく、データがすべて 1 か所に統合されていますので、非常に効率的になったと皆実感しています」と新たなシステム環境を評価しています。

そしてシステム開発課では、社内にサーバーを置く必要がなくなり、メンテナンスの工数を削減できました。「音声録音ソフトのライセンス管理やインストール作業にかける時間も不要となって、効率が上がっています」(渡邉氏)

問い合わせ対応の人員を増やす際に外部事業者に依頼するコストも不要となりました。在宅勤務での活用も、これから試していきたいといいます。

対応品質と効率化をさらに高めるため 電話以外のサービスや AI も活用

お客様相談センターでは Amazon Connect 導入によって当初掲げた 3 つの要件をクリアしましたが、これからもさらに改善をしていきたいと考えています。また今後の挑戦として、音声録音の自動テキスト化を挙げています。電話対応の音声をテキスト化することは、トラブル解消やサービス改善のために欠かせません。そのために Contact Lens for Amazon Connect の機能を使った音声書き起こしを評価しています。このほか平澤氏は、「電話だけでなく、FAQ やチャットなど、顧客対応支援の仕組みを導入していきたい。さらに、電話の内容から AI が最適な回答を提案するなど、AWS でそのような仕組みがあれば使ってみたい」と語ります。

また、システム開発課ではさらなる内製化を促進するため、AWS の知見を持って開発ができる人員の育成に取り組む構えで、自社の業務知識を習得しながら効率よく学べる環境を求めています。

渡邉氏は「AWS では多くのサービスが年々増加・改善されていますので、AWS と富士ソフトには、新たに登場したサービスなどの情報共有にも期待しています」と語り、さらなるサービス活用にも意欲的です。

株式会社ブルボン
渡邉 淳一 氏

渡邉 淳一 氏

平澤 正博 氏

平澤 正博 氏


カスタマープロフィール:株式会社ブルボン

  • 設立:1924 年 11 月 20 日
  • 従業員数:約 5,100 名(2022 年 3 月末時点)
  • 事業内容:ビスケット、小麦粉せんべい、豆菓子、キャンデー、デザート、米菓、スナック、珍味、チョコレート、チューインガム、ミネラルウォーター、コーヒー・ココア飲料、その他清涼飲料水、およびマスクなどの開発・製造・販売

AWS 導入後の効果と今後の展開

  • データの一元管理による応対の効率向上
  • メンテナンス工数の削減
  • AWS のスキルを持ったシステム内製人材の育成

AWS プレミアティア サービス パートナー

富士ソフト株式会社

自動車や電子機器等の組込系ソフトウェア開発と、金融、製造、流通等における業務系システムの構築の 2 本柱を主力事業に AWS を活用したさまざまなシステムの導入や、運用保守まで含めたワンストップサービスを提供する プレミアコンサルティングパートナー。移行および IoT のコンピテンシーおよび、Amazon EC2 for Windows Server のサービスデリバリープログラムなどを取得している。

富士ソフト株式会社

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