お客様事例 / 石油とガス

2020 年
bpx energy のロゴ

bpx energy は、AWS を利用してネットゼロという大きな目標に近づいています

AWS のサービスを使用して、bpx energy はそのレガシーオペレーションテクノロジーのインフラストラクチャに見切りをつけてクラウドに移行することにより、事業運営費を削減して、生産性を最大化し、メタンの排出量を削減しました。

削減

情報と運用テクノロジーの保有コスト

強化された

サイバーセキュリティ

リアルタイムデータソリューションを使用

エンジニアやアルゴリズムが即座に意思決定できるようにするため

統合

複数のビジネスユニットを統一のデータ環境

向上した

スケーラビリティ

概要

bpx energy は、エネルギー会社 bp の米国に拠点を置くオンショアの石油およびガス事業です。同事業は、環境に対して責任を持てる石油およびガス生産を達成する方法を検討していましたが、レガシーテクノロジーインフラストラクチャに妨げられていました。bpx energy の最高技術責任者、Grant Matthews 氏は、この障害を克服する意欲に満ちあふれていました。
 
「当社は、コストのかかるオペレーションが足かせになっていました。利用できるスキルは限られており、性質の異なるデータセットが細かく存在し、情報管理能力はさまざまでした」と、Matthews 氏は述べています。「当社のビジネスリーダーに共通の形式で設備の生産能力を提示するまでに何日もかかっていました。当社の経営を成功させるには、リアルタイムのパラダイムに移行する必要がありました」
 
bpx energy は、Amazon Web Services (AWS) が提供する一群のソリューションを使用して、リアルタイムのインテリジェンスを達成しただけではなく、新しい、完全にクラウドベースのオペレーションテクノロジーインフラストラクチャを構築し、機械学習 (ML) を使用してオペレーションを最適化しました。その結果、事業運営費の削減、生産性の最大化、メタン排出量の削減を成し遂げ、2050 年までにはネットゼロを実現するという bp の大きな目標に向けて前進することができました。
Oil pipeline of tanker colored blurred background.

機会 |「当社のビジョンには、段階的な移行ではなく、飛躍的な変化が必要でした」

bpx energy は、合衆国本土における bp の オンショアの石油およびガスオペレーションを監督しています。同社は、エネルギー生産におけるイノベーションに専念しています。Matthews 氏は次のように説明しています。「bpx の x という文字は、 exploration (探査) を表しています。従来の意味での探査とビジネスを根本的に改善するための新しい考え方や方法を探るという両方の意味があります」
 
2017 年、bpx energy はオペレーションテクノロジーインフラストラクチャを改善する機会を見つけました。本社と 4 つのビジネスユニット (米国の異なる州にある) は、それぞれに少なくとも 1 つのフィールドベースのオペレーションセンターがあり、それぞれがオペレーションコストのほか、監視制御およびデータ取得 (SCADA) のホストとヒストリアンを運用するために必要な従業員の時間に対して責任を負っていました。このテクノロジーは、27 の異なる製造業者のリモートターミナルユニットと SCADA 管理ホストの組み合わせで実行されており、そのすべての契約が異なっていました。インフラストラクチャ全体は、ローカルに管理している IT システムにあり、数百人の従業員で管理する必要がありました。

これらのシステムが原因となり、会社の長期目標達成にとって重要なリアルタイムのデータ取得が困難になっていました。即時のデータレポートには会社全体が接続されている必要がありましたが、断片化されたオンプレミスのインフラストラクチャではそれをサポートできませんでした。
 
「当社のビジョンには、段階的な移行ではなく、飛躍的な変化が必要でした」と、Matthews 氏は言います。同氏は、クラウドの柔軟性、スケーラビリティ、アクセシビリティのために、bpx energy にとってクラウドへの移行が「避けられない現実」であると考えました。「リアルタイムデータが必要でした」と、Matthews 氏は言います。「当社には、オペレーションの最適化の推進を支援する機械学習ソリューションが必要でした」。bpx energy は、クラウドサービスプロバイダーを探し、AWS がすべての条件を満たしました。
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AWS Control Tower を採用した利点として、bpx energy のセキュリティ体制の強化、大規模なエンタープライズガバナンスの実現、スケーラビリティの向上などがあります”

Grant Matthews
bpx energy 最高技術責任者

ソリューション | リアルタイムデータの達成とその先 

当初、bpx energy は、一度に 1 つのエリアごとに従来のオペレーションテクノロジーをクラウドインフラストラクチャに追加する計画を立てちました。同社は AWS のサービスを使用して、インダストリアル IoT クラウド機能の初期バージョンを構築しましたが、これには、生産予測とウェアハウス最適化に使用できる同社初のインテリジェントオペレーションツールと機械学習のセットが含まれていました。
 
2018 年に本社をテキサス州ヒューストンからコロラド州デンバーに移転したことをきっかけに、オンプレミスシステムを完全に捨て去ります。同年、bpx energy は、多国籍鉱業会社 BHP の北米にある油田の設備資産を取得しました。105 億ドルの取引で、1 日当たり 190,000 バレルの石油とガスの生産が追加され、bp の買収では 20 年間で最大でした。「この記念碑的な変化は、当社のテクノロジー戦略を完全にクラウドベースのスタックに方向転換するために必要な起爆剤でした」と、Matthews 氏は述べています。

bpx energy は、AWS のソリューションアーキテクトと協力して、SCADA システムとヒストリアンをクラウドデータレイクに統合する完全なクラウドデータシステムの構築を開始しました。データレイクを使用して機械学習によりオペレーションを最適化し、同社の油井でリアルタイムのエッジインテリジェンスを収集しました。新しいインフラストラクチャには、複雑に入り組む AWS のサービスが必要でした。これには、セキュアなマルチアカウント AWS 環境を設定および管理するための最も簡単な方法である AWS Control Tower の早期の採用が含まれました。「AWS Control Tower を採用した利点には、bpx energy のセキュリティ体制の強化、大規模なエンタープライズガバナンスの有効化、スケーラビリティの向上などが含まれていました」と、Matthews 氏は言います。

フルマネージド機械学習サービスである Amazon SageMaker は、油田からリアルタイムデータを取得するという bpx energy の目標を達成するためのカギでした。以前は、レガシーハードウェアと現場での低帯域幅がネックとなり、機械学習を実行することはできませんでした。Amazon SageMaker により、迅速に機械学習アルゴリズムを開発するための計算能力が事実上無限に得られました。

その後、bpx energy は、Amazon SageMaker を AWS IoT Greengrass にペアリングしました。AWS IoT Greengrass は、AWS をシームレスにエッジデバイスに拡張して、生成するデータに基づいてローカルに動作できるようにするサービスです。Amazon SageMaker により生成される油井のデータに基づいて、AWS IoT Greengrass は、例えば、機器のセットポイントを技術者が手動で変更する必要があるかどうかなど、リアルタイムで行動するように従業員に指示できます。このサービスは、緊急シャットダウンなど、制御対応を自動化することもできます。

Matthews 氏は、AWS のサービスを採用した利点は bpx energy 全体に波及し続けている、と言っています。情報およびオペレーションテクノロジーの所有コストを大幅に削減できた一方で、サイバーセキュリティが強化され、リアルタイムの AI 制御と最適化の能力が向上し、ビジネスインテリジェンスのためのデータフローが効率化しました。何より、bpx energy は、エンジニアやアルゴリズムが即座に決定を下すことを可能にするリアルタイムのデータソリューションを手に入れました。

結果 | ネットゼロの世界の創出 

2020 年 2 月に bp は、2050 年までにはネットゼロの企業になるという大きな目標を設定しました。「これは、bp が資源の生産に重点を置いた国際的な石油会社からお客様にソリューションを提供することに重点を置いた統合エネルギー会社に方向転換する中で、当社の事業を再構築するものになります」と、Matthews 氏は言います。bp は、2030 年までに、低炭素への投資を 10 倍拡大し、再生可能エネルギーを 20 倍増加して 50 ギガワットとするほか、アップストリームの石油とガス生産に伴う炭素排出量を 40% 削減することを計画しています。
 
「AWS などのリーディングカンパニーとのコラボレーションは、この戦略を実現するために重要です」と、Matthews 氏は言います。「他社の皆さんが同じ大きな目標を抱くきっかけや励みになれたらと思っています。当社の新しい戦略では、排出量を実質ゼロにするという大きな目標を行動に移すための包括的で一貫したアプローチが得られると考えています。これからの 10 年間は、気候変動との戦いにおいて世界にとって重要です。世界的なエネルギーシステムに必要な変化を起こすには、全員に行動が求められます」

bpx energy について

bpx energy は、合衆国本土における bp の オンショアの石油およびガスオペレーションを監督しています。bp は世界のエネルギーシステムを幅広く手がける多国籍企業です。

使用されている AWS のサービス

AWS Control Tower

AWS Control Tower では、新しくセキュアなマルチアカウントの AWS 環境を、セットアップし管理するための最も簡単な方法が提供されます。このサービスは、AWS が何千ものエンタープライズのクラウド移行業務を通して確立した、ベストプラクティスに基づいています。

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Amazon SageMaker

Amazon SageMaker は、機械学習専用に構築された幅広い一連の機能をまとめて提供することにより、データサイエンティストとデベロッパーが高品質の機械学習 (ML) モデルを迅速に準備、構築、トレーニング、およびデプロイするのを支援します。

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AWS IoT Greengrass

AWS IoT Greengrass は、モノのインターネット (IoT) のオープンソースエッジランタイムおよびクラウドサービスであり、デバイスソフトウェアの構築、デプロイ、および管理に役立ちます。

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