導入事例 / 情報通信

2023
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NTTドコモ、約 9,000 万会員のデータ分析基盤を新たに AWS に構築。 利用者数を 13 倍に拡大し、データ利活用を活性化

7 か月

オンプレミス環境で運用してきたデータ基盤を、アマゾン ウェブ サービス(AWS)に7ケ月で移行

分析環境数 10 倍

分析環境の増加率(1 年強)

アカウント数 13 倍

ユーザー利用アカウント数の増加率(1 年強)

データカタログの MAU 2.4 倍

データカタログの MAU の増加率(1 年強)

概要

携帯通信キャリア大手の株式会社NTTドコモでは、オンプレミス環境で運用してきたデータ基盤を、約 7 か月でアマゾン ウェブ サービス(AWS)に移行。画一的な分析環境を、組織の要望に応じた個別の分析環境の提供に切り替え、データカタログを整備して自由に分析できるようにしました。その結果、分析環境のアカウント数は提供開始から1年足らずで 13 倍、環境構築数は 10 倍に増加し、多くの業務担当者がデータの利活用を推進しています。

ビジネスの課題 | データドリブン経営拡大・浸透に向けてデータ基盤をクラウド化

NTTドコモグループの親会社として、通信事業、スマートライフ事業、その他の事業を展開するNTTドコモ。携帯電話の契約数は 2021 年度末時点で 8,475 万件、回線契約者以外でも利用できる dポイントクラブの会員数は 8,908 万人に達しています。

しかし、従来のデータ基盤はオンプレミス環境であったために、迅速に基盤を拡張できない、最新のツールを使えないといった課題を抱えていました。提供するサービスが増えていく中でデータも分散化し、利用部門では十分にデータを活用できない状況が生まれていました。

そこで同社は、課題解決に向けてデータ基盤のクラウドシフトを決断しました。「データを駆使してお客様への理解を深めながら、より優れたサービスを提供していくために、組織の変革とクラウドシフトにチャレンジすることにしました」と語るのは、情報システム部 データ基盤担当 担当部長の日影浩隆氏です。

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データ活用環境の進化に向けたクラウド移行と、それに伴うIT部門の意識改革、コスト意識の向上は、分析環境利用者の満足度を高め、お客様価値向上を果たすものと確信しています

井尻 周作 氏
株式会社NTTドコモ
情報システム部 部長

ソリューション | 利用者目線で個別の分析環境を提供してビジネス活用を加速

複数のクラウドサービスを検討した同社は、ドコモグループにおける利用シェアの高さ、学習コストの低さ、システム間連携の容易さ、サービスの充実度などを評価して AWS の採用を決めました。情報システム部 データ基盤担当 主査の山本康二氏は「新たなデータ基盤では、IT 部門が環境を提供するだけでなく、利用部門が使いたいツールを選べる環境を構築するコンセプトを掲げました。AWS はセキュリティを確保したうえで、自由度の高い環境が構築でき、安心して利用できる点で他社サービスより秀でていました」と語ります。

さらにクラウドスキル向上のための充実したトレーニング、AWS の担当チームの手厚いサポート、コスト最適化に向けたクラウドエコノミクスやコスト管理ツールが提供されることも評価しました。「今後のデータ拡大に向けて、伴走していただけるパートナーとしても AWS は最適でした」(日影氏)

データ基盤の構築は 2021 年 1 月から 7 か月間で完了し、同年 7 月よりサービス提供を開始しました。クラウドシフトにあたり、IT 部門では新たなチャレンジとして、変革に向けた2つの施策を実行しています。

1つは利用者目線に基づく個別分析環境の提供です。「データ分析Lab」の名称で機械学習環境や可視環境などの機能群を用意し、AWS アカウントに応じて払い出せるようにしました。これにより、分析環境の利用拡大が見込まれ、ビジネスへの貢献が期待できます。さらに、利用部門が分析環境を独自に構築できるように社内研修を拡充し、利用者が要望に合わせて組み合わせたり、利用者用意のツールを選択できる「アラカルト」、IT 部門が完成品を提供する「バリューセット」を用意しました。

もう 1 つは、データカタログの整備です。データカタログは、データの所在や内容等の概要情報を項目別に記入する書式の総称です。従来は Excel による環境で整備され、データ利用者は分散した情報を自力で読み解くなど、ハードルが高いものでした。そこでデータカタログにすることで、一元化された情報を必要な時に確認ができるようにしました。

「これにより利用者がカタログを読み解く時間や、ノウハウを蓄積する時間を削減することができました。IT 部門が保有するナレッジ / 基幹システムの情報をきちんと整理して可視化でき、活用できる状態になりました」(山本氏)

一方、クラウド化が進むと、コスト意識も重要になります。オンプレミス環境なら、利用者はコストを考えることなく IT 部門が提供するデータ基盤を利用するだけです。しかしクラウドの場合、利用者が急増して活用が進むほどコストの高騰を招きます。そこでコストガバナンスを新たなミッションとして、IT 部門と利用部門に対して意識改革を促すため、AWSのCloud Financial ManagementワークショップであるFinhackを実施しました。

「コスト意識の共有により、IT 部門と利用部門間でスムーズに意思疎通ができるようになりました。稼働から 1 年後、IT 部門と SIer で FinHack を実施してコストの最適化を進めた結果、最大支払時より 30% のコストを削減することができました」(日影氏)

アーキテクチャ

導入効果 | 提供者としての意識改革により、ユーザー目線での開発にマインドチェンジ

クラウドシフトにより、利用部門ではデータ基盤の活用が急速に拡大しています。2021 年 7 月から 1 年足らずで分析環境数は 10 倍に増えました。IT 部門が払い出したユーザー利用アカウント数は 13 倍増、データカタログの月間アクティブユーザー数も 2.4 倍に達しています。

クラウドシフトの効果について、情報システム部 データ基盤担当 担当課長の小林潤氏は「オンプレミスのような需要予測に基づくサーバー構築が不要になり、スケールアップ、スケールアウトが容易になりました。コストについては、自らの意識を高めることでコントロール可能になりました。利用部門に分析環境を提供する IT 部門としては、システムに合わせる Fit to Standard を意識するようになり、スクラッチ開発に馴染んできた自身のマインドチェンジを図りました。データ基盤の利用者に対しては、データカタログや QA サイトなどの整備を通して、ユーザー目線での開発やデータを身近に感じてもらうことが重要であることを実感しています」と語ります。

情報システム部 データ基盤担当の工藤ほのか氏は、「オンプレミスで半年かかっていたサービス提供期間が、クラウドなら 3 か月程度に短縮でき、ビジネススピードは確実に加速しています。クラウドシフトが進むことで会社に出社する必要もなくなり、コロナ禍の在宅勤務へもスムーズにシフトすることができました。利用部門が直接データカタログを参照し、独自の分析環境が構築できる自由度の高さも実感しています。新たなデータ基盤が社内で浸透するにつれて、複数の部署から機能拡充のリクエストが届くようになり、利用部門が希望する分析ツールも自由に使ってもらうことが可能になりました。利用希望のプロジェクト単位で AWS アカウントを払い出し、利用者もコストが確認できるように可視化しているため、社内全体でコスト意識が高まっています」と語ります。

NTTドコモのデータ活用は、サービス提供開始から 1 年で大きく進みました。さらに、利用部門の隅々まで浸透するために、今後は業務に組み込むなどの工夫をしながらデータ活用を拡大していく計画です。ユーザーが新たなツールを容易に試せるように検証用のサンドボックスの提供も予定されています。また、NTTドコモグループとして、新たに傘下となった NTTコミュニケーションズへの展開も目指しています。

「NTTドコモグループの経営に貢献するべく、多くの利用部門に展開し、データの価値を相対的に数値化しながら、磨くべきデータの選択と集中を進めていきます」(日影氏)

カスタマープロフィール:株式会社NTTドコモ

1992 年 7 月 1 日より営業開始。2022 年 5 月、NTTグループの NTTコミュニケーションズと NTTコムウェアを子会社化。NTTドコモグループとして「通信事業」「スマートライフ事業」「法人事業」を 3 本の柱とし、3 社のシナジーにより、法人事業の拡大、ネットワークの競争力強化、サービス創出・開発力強化と DX 推進を目指す。

井尻 周作 氏

山本 康二 氏

日影 浩隆 氏

工藤 ほのか 氏

小林 潤 氏

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