イベントレジスト株式会社は、「すべてのイベントをもっと快適に。」をテーマに、2011年11月にオンラインイベントプラットフォーム「EventRegist(イベントレジスト)」をリリースしました。
「EventRegist」は、簡単にイベント作成・事前集金・参加者管理ができる安心・安全なイベントプラットフォームで、個人が主催するイベントはも ちろん、企業のプライベートイベントや展示会・カンファレンスなどでも数多くご利用いただいています。2013年には、アジア最大級の規模を誇るIT・エ レクトロニクス関連の展示会「CEATEC JAPAN 2013」にも採用されました。現在日本語、英語、インドネシア語、タイ語、中国語(繁体)の5カ国語に対応し、グローバルに展開しています。
2011年11月にサービスを開始した当社では、他のスタートアップ企業同様、経営資源に大きな制約があります。
また、サービスの特性上、セキュリティ・可用性を担保しながら、大規模なイベントを運用する場合には、突発的なトラフィック増が発生するため、それに対応可能なシステムアーキテクチャを組んでおく必要がありました。
そのため、サービスを支えるインフラの選定には、以下の点を重視しました。
- サービス開始当初のコストは最小に。ビジネスの拡大に合わせて、すばやく、柔軟に拡張可能であること
- セキュリティと可用性の担保
- 急激なトラフィック増への柔軟な対応
- インフラ運用の人的リソースを抑える
上記のようなビジネス面での課題に答えられるインフラとして最も適していると判断したのがAWSでした。
弊社では私を始め、他のシステム構築の際にAWSを活用した経験のあるメンバーがおり、また、採用事例が多く、技術情報も豊富に揃っていることから、スムーズにAWSを採用することに決定しました。
弊社の課題を解決する助けとなる、AWSの主な特性として、下記があげられます。
- Elastic Load Balancing、Amazon RDS といったAWSがサービスとして提供している機能の豊富さ。
- プログラマブルにインフラ管理を可能にする充実したAPI群。
- Security Group や VPC による柔軟なセキュリティ設計。
上記のような特性により、セキュリティや可用性を担保しながら、インフラを運用するための人的リソースを抑えることが可能になると判断しました。
「イベントレジスト 株式会社様 システム構成図」
1つめのメリットとしては、コストの柔軟性を確保できたことです。例えば、大きなイベントへの EventRegist の採用が決まった際にも、すばやくスケールアップ・スケールアウトが可能なため、「使いたい時に使いたいだけコンピューティングリソースを確保し、使った 分だけのコストで済む」というシステム構成を組むことができました。事前に想定できないトラフィック増に対しても、AutoScaling 構成を取ることで、平常時は最低限のコストに抑えることができています。また、リザーブドインスタンスやスポットインスタンスを活用することで、よりコストを抑えることができます。
2つめのメリットとして、Amazon S3、Elastic Load Balancing、Amazon RDS、Amazon ElatiCache といったAWSのサービスを活用することで、自前で可用性を担保しながら構築・運用するには工数の大きい、ストレージ、ロードバランサー、RDBMS、 memcached といった諸機能に対する工数を低減することができたことです。
このような機能群が、日々、進化し、新たな機能も増え続けていることも大きな魅力です。
3つめのメリットして、AWSの持っている豊富なAPIを活用することで、インフラをプログラマブルに管理できるため、「インフラの構成管理をバー ジョン管理し、同構成のインフラを構築する」といったことや、「あるコンピューティングリソースが足りなくなった場合、自動的に追加する」というように、 インフラ構築・運用にかける工数を低減することができます。
弊社のようなスタートアップ企業の場合、エンジニアのリソースは非常に貴重です。
この貴重なリソースを、インフラ構築・運用に割くことを最小限にすることができ、なおかつ、高い可用性やセキュリティレベルを保つ上で、AWSは大きな助けとなってくれます。
インフラ構築・運用にかけるリソースを最小限にすることで、エンジニアはサービス開発に集中することができ、サービスが向上すればビジネスも拡大する、という好循環が生まれます。
AWSの進化のスピードは非常に早いため、その恩恵を十分に受けられるよう、リサーチを欠かさず、実際に使ってみることが重要です。リサーチの際にも「使いたい時に使いたい分だけ使える」ため、今後も、AWSの各サービスを積極的に活用していくつもりです。
- イベントレジスト株式会社 取締役CTO 池田 大輔様