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デジタル変革に向けて、AWS 上に全社共通基盤を構築
生産管理などの基幹システムを移行し、
SAP S/4HANA も 2021 年の稼働を目指し構築中

2021

オフィス家具の製造販売や、商業施設や物流施設の設備機器などの提供を通じて、人が働く環境づくりを行っている株式会社イトーキ。創業 130 年を迎える同社はクラウドを活用したデジタル変革に向けてオンプレミス環境にあった複数の業務系システムをアマゾン ウェブ サービス(AWS)へ移行し、人事システムや新基幹システムの SaaS 活用を実施。サーバー調達コストや期間を低減しながら、新しい技術をより早く導入することで利便性を向上していける環境を構築しています。

AWS導入事例:株式会社イトーキ
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AWS にシフトすると、情報システム部内にインフラ、ネットワーク、セキュリ
ティ、アプリといった個別のテクノロジーに対する専門性を持たなくても、各種
機能をサービスとして業務ユーザーに提供できるようになります

田中 理 氏
株式会社イトーキ 企画本部 業務改革統括部 統括部長
兼 情報システム部 部長

IT 業務をシンプルにするクラウドの活用へ

1890 年の創業以来、人が働く空間や環境づくりを行ってきた株式会社イトーキは、2020 年に創業 130 年を迎えました。オフィス家具の製造販売や、商業施設や工場・物流施設、教育機関、公共施設の設備機器などを展開しています。同社では、2020 年を最終年度とした中期経営計画『働き方変革 130』の一環として、IT 業務の変革を目指し AWS を採用。業務系システムの AWS 環境への移行や、AWS 上での人事システムや新基幹システムの SaaS 活用など、IT 基盤の再構築を行ってきました。

IT の全体方針として掲げられたのが “Think Cloud Way First(クラウドで IT 業務を変革)”、“Fully Digitalization(全ての業務をデジタルへ)”、“Always New in Anywhere, Anytime(ユーザーの利便性向上の徹底)”、“Enjoy New(新しいテクノロジーを楽しむ)”です。この方針について、業務改革統括部 統括部長 兼 情報システム部 部長の田中理氏は、次のように語ります。

「私たちのような事業会社では、システムインテグレーション企業と同等のスキルセットを持つ人材は限られています。IT 部門がカバーすべき領域はインフラ、ネットワーク、セキュリティ、アプリケーションなど多岐にわたりますが、これをよりシンプルにするにはクラウドの活用が有効と判断し、仕事のやり方を含めてクラウドありきで考えるという意味で “Cloud Way” というキーワードを使っています」

また、田中氏自身の経験からも、AWS の有効性を実感していたといいます。「前職で情報システム部門の責任者として AWS を活用していました。その当時からクラウド事業者の中で日本に大きな市場規模があり、導入事例や専門知識を持った導入パートナーも多く、AWS 一択という状況でした」

既存の業務システムを移行し新しく人事・基幹システムも導入

現在同社の AWS 環境は、4 つのアカウントの異なる VPC で構築されています。「1 つはオンプレミスにあった業務系システムを移設したもので、2 つ目が新規に導入する SaaS 型の ERP、3 つ目が人事システム、4 つ目はコーポレートサイトなどの環境です。これら 4 つの環境は、それぞれパートナー企業を通じて契約する構成となっています」と、業務改革統括部 情報システム部 インフラ管理課 チームリーダーの新野達也氏は説明します。同氏は、複数のパートナー企業が構築していても、同じAWS 上であれば共通基盤が構築できることをメリットとして挙げました。

イトーキが実施した AWS 利用の最初のプロジェクトが、オンプレミス環境にあった業務システムの移行です。日本電気株式会社(NEC)が提供する生産管理システム EXPLANNER/J を AWS のプレミアコンサルティングパートナーでもある NEC に依頼して構築しました。「従来の環境を元に環境を構築してテストをしましたが、実稼働してみると思うようにパフォーマンスが出ませんでした。NEC に調べてもらった結果、AWS 特有の仕様によりサーバーとストレージ間のデータ転送速度の上限があることがわかり、構成を変えることで対応できました」(田中氏)

その後は施工管理、原価計算などの業務系システムが順調に移設され、2018 年に 20 だったインスタンス数も 116(2020 年 10 月時点)まで増え、活用が進んでいます。また、新たに導入した人事系の SaaS システムは 2020 年 2 月に稼働を開始し、新たな基幹システム(SAP HANA Enterprise Cloud)も SaaS の基盤として AWS を採用したものを 2021 年の稼働を目指し構築中です。

「オンプレミス環境の ERP はアップグレードが難しいため、手作業が発生するなどイノベーションへの障害になると考えていました。SaaS 型の SAP HANA Enterprise Cloud であれば毎年アップグレードできますから、サービスレベルを上げてユーザーの利便性向上につなげたいと思っています」(田中氏)

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クラウド移行によって組織のあるべき姿を再構築

AWS の効果について田中氏は、高い柔軟性によるインフラ調達や設置までの期間が 40% 削減されたことを挙げました。また、オンプレミス環境からの移設は、自社のデータセンターやサーバールーム縮小と、組織改革につながったといいます。「新大阪に IT 部門専用オフィスがあり、そこにサーバールームもあったのですが、2020 年 6 月には廃止しました。その結果、IT 担当者がバックオフィス部門のある事業所に勤務する体制も構築できました。IT 担当者は、ユーザーの近くにいたほうがニーズを掘り起こせると思っています。これにより年間 0.5 億円程度の削減効果がありました」(田中氏)

また組織とシステムの課題として、従来はシステムとその運用担当者が強く結び付いており、人事異動のたびにその担当システムを持って異動していました。「AWS を利用しオンプレミスからクラウドに移設する時に最適化および運用方法を可視化して導入するシステムは組織内できちんと意味を持たせ、誰が来ても引き継げるようにしていきます。既存システムも稼働している中ですんなりフィットするわけではありませんが、移行していくなかで、クラウド活用のスキルがアップしていくと思います。NEC のようなパートナー企業にも相談し、運用を軽減して事業に専念できる体制を整えていきます」(田中氏)

一方、新野氏は AWS の導入効果は新しいシステム開発にも現れていると語りました。現在開発中の新しい見積システムは、サーバーレス環境で構築されています。
「サーバーが必要なシステムを構築すると、そのサーバーを管理する業務が発生してしまいます。AWS Lambda ならサーバー管理が不要というメリットがあります。せっかくの AWS 環境ですので、良い機能はどんどん採用していきたいです」

生産部門でのクラウド導入も検討

パートナーとともに変革を推進

2020 年までの中期経営計画のもとでは販売会計システムの刷新が行われましたが、さらに AWS への All-in を進めるため、今後は生産部門でのシステム導入を視野に入れているといいます。

「これから、生産や原価、物流の仕組みをどうするかも検討していきます。基本的には AWS を活用することを念頭に置いています。また、コロナ禍によってオフィスの考え方も変わりました。イトーキはものを作る企業ですが、オフィス家具やスマートオフィス向けのソリューションなど、外部のソフトウェア企業との連携も視野に入れています。このような事業でも AWS と連携できればと思っています」(田中氏)

最後に、クラウド活用に取り組む企業に対してのアドバイスを、田中氏は次のように語りました。
「クラウド導入についてよく『セキュリティが心配』と懸念される声を聞きますが、それはオンプレミスでも同じです。クラウドのセキュリティ特性を理解して構築すれば大丈夫です。AWS なら、豊富なノウハウを持つ専業のパートナーがたくさんおられますから、相談されることをおすすめします。しっかり教えてくれますし、安心して構築をお任せできるでしょう」

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田中 理 氏

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新野 達也 氏


カスタマープロフィール:株式会社イトーキ

  • 創業年月日:1890 年 12 月 1 日
  • 設立年月日:1950 年 4 月 20 日
  • 従業員数: 2,022 名(2019 年 12 月 31 日現在)
  • 事業内容:ワークステーションシステムやデスク、事務・会議チェア、保守サービス業務などのオフィス関連事業、オフィス建材内装設備や工場、商業施設機器などの設備機器関連事業ほか

AWS 導入後の効果と今後の展開

  • 検証や開発環境を迅速に手配可能
  • 自社管理のサーバールームを削減し、組織改革に寄与
  • サーバーレスのシステムを活用し、サーバー管理運用業務を削減

APN プレミアコンサルティングパートナー

日本電気株式会社

NEC は、AI や IoT などさまざまなテクノロジーを活用したデジタルトランスフォーメーションにより、安全・安心で効率・公平な都市実現を支える NEC Safer Cities と、人・モノ・プロセスをバリューチェーン全体で共有し新たな価値を生み出す NEC Value Chain Innovation の提供に取り組んでいる。プレミアコンサルティングパートナーに 2017 年から認定されている実績、経験を活かし、お客様のデジタルトランスフォーメーションの実現をサポートしている。

NEC Corporation

ご利用中の主なサービス

Amazon Virtual Private Cloud

Amazon Virtual Private Cloud (Amazon VPC) では、AWS クラウドの論理的に分離されたセクションをプロビジョニングし、お客様が定義した仮想ネットワーク内の AWS リソースを起動することができます。

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Amazon EC2

Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) は、安全でサイズ変更可能なコンピューティング性能をクラウド内で提供するウェブサービスです。ウェブスケールのクラウドコンピューティングを開発者が簡単に利用できるよう設計されています。

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AWS Direct Connect はオンプレミスから AWS への専用ネットワーク接続の構築をシンプルにするクラウドサービスソリューションです。AWS Direct Connect を使用すると、AWS とデータセンター、オフィス、またはコロケーション環境との間にプライベート接続を確立することができます。

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AWS Lambda

AWS Lambda を使用することで、サーバーのプロビジョニングや管理をすることなく、コードを実行できます。料金は、コンピューティングに使用した時間に対してのみ発生します。

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