京セラドキュメントソリューションズジャパン株式会社は、ドキュメント分野で新たな価値あるソリューションを創造し、提供し続けることを目指して事業活動 を行っております。長年培ってきた長寿命化技術を搭載した環境にやさしいプリンター・複合機と豊富なソフトウェア技術によって、お客様のドキュメントワー クに環境性と経済性という価値を提供してまいりました。近年、モバイル情報機器やクラウドコンピューティングなどの普及で、ドキュメントワークは場所や時 間に関係なく行いたいというニーズが高まっています。更には、情報共有が促進されるとともに、データ管理やセキュリティーサービスへのニーズも高まってい ます。このように、ビジネスにおけるドキュメント環境が大きく変化する中で、わたしたちの果たすべき役割は、ドキュメント機器の販売や保守サービスの提供 だけに留まらず、業務効率の改善に繋がるトータルドキュメントソリューションをお客様に提供することであると考えます。
FAXお預かりサービス(Docurium for FAX Service)で利用しています。これは、京セラ複合機からアップロードされたFAX受信データをDocuriumセンター(FAXを一元管理するサー バー)に一時蓄積すると共に、担当者にメール通知するサービスです。これにより担当者は、いつでもどこでもモバイル端末を使って自由にFAX受信データを 閲覧する事が出来ます。更には複合機を使ってDocuriumセンターに蓄積されたFAX受信データを印刷する事もできます。
今回、我々はこのDocuriumセンターをAWSのクラウドサービスに移行し、ハードウェアを柔軟にスケールアウトできる環境を作りました。これにより将来の契約社数増加に容易に対応できる環境になりました。
「京セラドキュメントソリューションズジャパン株式会社様 Docurium for FAX Service システム構成図」
このプロジェクトは、2011年8月より外部のホスティングサービスを利用し、ハードウェアを購入して運用を開始しました。同時に、その後の契約社数の増 加を見込んだシステム拡張を、ハードウェアを随時増設するのかクラウドを使うのかの視点で検討を計画しました。検討の結果、重視したのは、初期投資コスト を考慮し自社のハードウェア資産を持たないこと、契約社数増減に備え自在にスケールアウト/インができるよう仮想化を利用することでした。
AWSを採用したポイントは、信頼性、導入実績、国内にデータセンターがあること、また価格面において優れていることでした。特に信頼性においては数値的 なSLAが明確で、また、Amazon EC2が仮に故障しても日次でAmazon S3にバックアップしているために安心して運用できると考え採用を決定し、2012年3月に移行いたしました。
Docurium for FAX Service ではサービスの都合上、スケールアウト/インを短期間で実施する必要がありますが、実際にはサーバー台数変更をわずか2時間で対応することができました。 AWSでは短期間でスケールアウト/インを実施することが可能であり、運用負荷の低減につながっています。
Docurium for FAX Service は、契約社数も順調に増えており、今後もサーバー台数を増やす予定です。現在はサーバー台数増減を手動で行っておりますが、Elastic Load Balancingも利用しているため将来的にはオートスケールを使った柔軟な対応ができると考えております。