コスト感、信頼性、セキュリティ、実績などを考慮し、AWS を選びました。
基幹系システムの稼働を含め AWS の実績には魅力的なものがありました。

 

加藤 淳一 氏 丸紅株式会社 情報企画部 部長代理

 

1858 年に創業し、現在は世界 66 の国や地域に 131 拠点を構えビジネスを展開する総合商社の丸紅株式会社。丸紅グループでは、2020 年に向けて中期経営計画「Global Challenge 2018」を策定し、「財務基盤のさらなる強化」「事業戦略の進化」のためグループ一丸となりビジネスに取り組んでいます。

丸紅がグループ経営力の強化を進める中で、求められたのが効率的な事業活動とそれを支える IT インフラです。そのためにも IT システムは企業単体としてではなく、グループ全体に役立つ IT システムへ進化させる必要があります。たとえばグループ全体でのセキュリティの確保や、グループ全体で情報を集め分析できる環境の構築が課題となっていました。
従来の IT インフラの環境にも課題がありました。将来を見据えた適切なサイジングが難しく、5 年ごとに発生するハードウェア更新なども大きな負荷となっていました。

さらなる課題が BCP 対策に関するコストです。丸紅では、東日本大震災を機に 2 箇所のデータセンターによって災害対策構成を実現してきましたが、この構成では設備やハードウェアなどを二重持ちするために、コストが大きな負担になっていました。そこで、安全性や信頼性を損なわずに、より安価に効率的な BCP 対策を実現する仕組みを模索していました。

 

こうした課題に対処するために丸紅では、オンプレミス環境の更新時期を迎えるにあたり、新たな IT インフラに関しての検討を本格化しました。最初に決定したのが、より柔軟な IT インフラを安価に手に入れられるクラウドの利用です。そして 数あるクラウドサービスの中から選定したのが、AWS でした。

選定においてはコンサルティング会社の支援のもと、チェックリストを作り、詳細に比較しました。「コスト感、信頼性、セキュリティ、実績などを考慮し、AWS を選びました。基幹系システムの稼働を含め AWS の実績には魅力的なものがありました。」と丸紅株式会社 情報企画部 部長代理の加藤淳一氏は語ります。

次にポイントになったのが、サービスレベルやセキュリティでした。しかし、グローバルな規模で AWS が採用されていることから、必要な仕組みは AWS に備わっていると考えました。特にセキュリティ関しては、グローバルで大規模な投資をしており、多くの外部認証を取得している AWS のほうが自前のデータセンターを運用するよりもより安全であると判断しました。「クラウドのトップランナーである AWS であればサービスの継続も確実であり、セキュリティや設備、新しいサービスの開発などにも大きな投資をしており、我々はそのメリットを享受したいと考えております。」(加藤氏)

AWS 化のプロジェクトにおいて丸紅をサポートしたのが、APN プレミアコンサルティングパートナーで、移行コンピテンシーを所有する株式会社サーバーワークスです。クラウド専業の同社は、オンプレミスから AWS への移行の豊富な実績と高い技術を有しています。しかし、それだけでありません。「最初の提案時に(外部ベンダーの力を借りず)丸紅グループ内で AWS 環境の管理・運用を完結できるようにするという内容があったことです。」と選択理由を説明するのは、丸紅株式会社 情報企画部 総務企画課の芦川裕也氏です。トレーニングやスキルトランスファーによって AWS を使いこなせるようにする提案が採用の決め手となりました。 

丸紅では移行に際し、2013 年の最初のフェーズでは、更新時期を迎える 30 程のサーバーに対して、VMware を利用したオンプレミス環境を介してAmazon EC2 のインスタンスにインポートしました。また、一部のデータベースを Amazon RDS に載せ替えています。ストレージには Amazon EBS・Amazon S3 を活用し、全体の監視には Amazon CloudWatch も利用しています。

移行を支援したサーバーワークスは、多くのエンタープライズ企業の AWS 化の経験に基づき、複雑な構成にも迅速でしっかりとした対応が可能でした。また、グループの IT 構築、運用を担う丸紅 IT ソリューションズにも AWS のスキルトランスファーが実施されました。その結果、最初のフェーズの後は、サーバーワークスのサポートなしで移行作業が行えるようになりました。現在サーバーワークスからは、AWS の新しい機能の活用などの提案やサポートを受けています。

こうして手順が確立されたことにより移行は加速し、2017 年 6 月時点で基幹系から情報系システムまで 220 のインスタンスが AWS で稼働、最終的には 300 台超のサーバーを移行する予定です。「2020 年度までには、基幹系の SAP ERP も移行予定です。オフコンや UNIX ベースのシステムなど一部は残りますが、ほぼすべてを AWS に移行することで、自前のデータセンターは大幅な縮小が可能となります。」(加藤氏)

AWS に移行したことで、新規システムのリソース調達時間は大きく短縮されました。サーバーの調達・構築には従来 3 ヶ月程度の時間が必要でしたが、今は承認プロセスを経て 2 日ほどで、急ぐ際には即日で用意できるようになりました。

従来のハードウェアコストと現在 AWS の利用料だけを比較すると、それほど大きな差はありませんが、ハードウェアの運用の手間、リプレースや日常管理の手間が減り、リソース調達のリードタイム短縮などを勘案すれば、大きなコスト削減となっています。その上で東京に加えシンガポールリージョンを利用し、災害対策構成も実現しています。

case_marubeni_img_システム構成図

 

丸紅では夜間に利用しないサーバーのインスタンスを停止するなど、さらなるコスト削減に取り組む計画です。

「AWS は明らかに障害が少なく、安定性の高いインフラという評価が社内で確立しました。今後は Amazon Redshift のようなマネージドサービスも活用し、より AWS を使いこなしていきたい。AWS は新しいサービスを試すのに敷居が低いため、簡易に始められるのがメリットです。」(芦川氏)

丸紅の情報企画部メンバーは、サーバーリプレースやバージョンアップ関連のプロジェクトから解放され、今後のグループ IT 環境の ロードマップを描くなどの創造性の高い業務にシフトしています。

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加藤 淳一 氏

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芦川 裕也 氏

 

APN コンサルティングパートナー
株式会社サーバーワークス

AWS に特化したインテグレーション事業とサービスを提供しており、610 社、3,900 プロジェクトを超える AWS 導入実績を持つクラウドインテグレーター。2013 年より APN プレミアコンサルティングパートナー。移行コンピテンシーを所有。(2018 年 1 月現在)

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