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会員約 480 万人、月間約 5,100 万人※が利用するナビゲーションサービスの基盤を AWS に移行
段階的なコスト最適化でインフラコストを 30% 削減

※ 2018 年 9 月末時点

2020

経路探索技術をもとに、『NAVITIME』を始めとするナビゲーションサービスを提供する株式会社ナビタイムジャパン。同社はサービスを支えるバックエンド基盤を、2016 年から 2019 年にかけてアマゾン ウェブ サービス(AWS)に移行しました。移行後は Amazon EC2 全体の約 90% にリザーブドインスタンス(RI)とスポットインスタンスを適用。さらに AWS の Cloud Financial Management(CFM)プログラムを活用し、包括的なコスト最適化の診断の結果、ストレージコストを約 10% 削減しました。加えて、次世代プロセッサーを具備した最新世代のインスタンスへ変更したことにより、さらなるコスト削減とパフォーマンス向上が見込んでいます。

AWS 導入事例:株式会社ナビタイムジャパン
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AWS との定期的なミーティングを通して、CFM プログラムの実施などコスト最適化に向けた取り組みを進めてきました。クラウド移行により会社全体にオンプレ時代よりもコスト意識が浸透しました。引き続き、新インスタンスの開発や、アーキテクチャレビュー、新サービスの提供などの支援を期待しています

菊池 新 氏
株式会社ナビタイムジャパン
取締役副社長 最高技術責任者

外的要因に影響されるナビゲーションサービスに高い伸縮性と拡張性を持つ AWS を採用

「経路探索エンジンの技術で世界の産業に奉仕する」を理念に、さまざまなナビゲーションサービスを展開するナビタイムジャパン。現在、個人向けサービスの有料会員数は約 480 万人、ユニークユーザー数は月間約 5,100 万人となっています(2018 年 9 月末時点)。

2001 年のサービス開始以来、バックエンドンシステムをオンプレミスで運用してきた同社が AWS を初めて採用したのは、2013 年にデータ分析基盤の一部で利用したのが始まりでした。そこで短いリードタイムやスモールスタートのメリットを実感し、2015 年に海外旅行向け乗換案内サービスを AWS 環境で構築しました。

その後も AWS の利用を進める中、2016 年より全サービスをオンプレミスからクラウド環境 に移行するプロジェクトを本格的にスタートしました。「経路探索サービスは、台風が発生したりメディアで取り上げられたりすると途端にアクセスが増加します。このような状況に応じたサーバー増強は運用負荷がかかり、サイジングを見誤るとユーザーが必要なときにサービスが提供できなくなる恐れがあります。そこで高い伸縮性と拡張性を持つクラウドへの移行を決めました」と語るのは取締役副社長 最高技術責任者の菊池新氏です。

インフラエンジニア クラウド担当の田中一樹氏は「最も事例が豊富で、日本語の情報が充実していたことと、導入後も AWS のアカウントチームからの量と質のある提案が継続的に受けられることが AWS を採用する決め手となりました」と語ります。田中氏は、新入社員だった 2013 年に、クラウドの将来性をいち早く感じ、上司にオンプレからクラウドへの移行を提案したといいます。

マネージドサービスを積極的に活用しクラウドネイティブ化を推進

AWS への移行は、路線検索の『乗換NAVITIME』、トータルナビゲーションの『NAVITIME』と順次進めていき、2019 年までに主要サービスの移行を終えました。現在、実質 18 個のアプリのうち、AWS に移行できないものを除いた 15 個のアプリが AWS上で稼働しています。

移行時に同社が掲げた基本方針は、自動化、Infrastructure as Code、コンテナ化の 3 つで、それぞれは AWS Auto Scaling、AWS CloudFormation、Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS)で実現しています。インフラエンジニア グループマネージャーの小泉亮輔氏は次のように語ります。

「コストを抑えるため、AWS Auto Scaling と AWS CloudFormation による自動化は必須とし、アプリケーションのポータビリティを高め保守・運用性向上のために、疎結合なアーキテクチャへ作り替え、そのうえで Amazon ECS で運用する方針としました」

また、マネージドサービスを積極的に活用し、クラウドネイティブ化を推進しています。データベースは原則として Amazon RDS や Amazon Aurora を活用し、可能な範囲でサーバーレスの AWS Lambda で構成するなど、アーキテクチャのモダン化を進めています。

その結果、サーバー構築の依頼からサービスインまでのリードタイムは最大 2 週間から数時間に激減しました。メディア事業部 兼 トラベル事業部 事業部長の毛塚大輔氏は「事業部側としてはインフラの構築時間を気にする必要がなくなり、短期間でサービスをリリースすることが可能になりました」と語ります。

リザーブドインスタンスとスポットインスタンスを 90% 以上に適用

ナビタイムジャパンでは、継続的にコスト削減の取り組みを進めています。移行直後は、Amazon EC2 のオンデマンドインスタンスを採用していましたが、そのままではコストが高止まりしてしまうため、長期定額割引のリザーブドインスタンス(RI)と、余剰インスタンスに入札するスポットインスタンスに徐々にシフトしました。

「その結果、現在は Amazon EC2 全体の 90% 以上で RI または スポットインスタンスを適用しています。常時稼働が必要なサーバーは RI とし、スケールが必要なサーバーはスポットインスタンスを利用しています」(田中氏)

スポットインスタンスについては、指定した条件に合わせて複数のインスタンスタイプを立ち上げる Spot Fleet と RI とのミックスインスタンスによってコストを最適化しています。これは RI で一定のインスタンスを確保したうえで、アクセス数に応じてスポットインスタンスを自動的にスケールさせるもので、大幅にコストを下げることができます。

コスト削減におけるもう 1 つの取り組みは、AWS が提供する Cloud Financial Management(CFM)プログラムの活用です。CFM は日本で 2020 年 4 月にローンチしたプログラムで、同社は CFM を国内企業でいち早く利用して、包括的なコスト削減に向けた診断を実施しました。

「その結果、Amazon S3 で削減余地があると診断され、ストレージ階層を整理することで 10% ほどのコスト削減が実現しています。見逃してしまいがちなところを指摘してもらえたのは効果的でした」(小泉氏)

その他にも常に最新の EC2 インスタンスタイプを検証し、ダウンサイジングなどによってコストパフォーマンスの向上を図ってきました。このように、3 年間にわたる段階的なコスト最適化によって、インフラコストはオンプレミス比で 30% の削減が実現しました。

「社内全体のコスト意識が高まり、事業側と開発側の双方で削減への取り組みが進んでいます。開発者もパフォーマンス改善がコスト削減につながることを意識し、プログラムの改善や、AWS の新サービスをチェックしています。また、COVID-19 の影響が大きかった時にすぐにスケールインしてコストを抑制できたため、これまでクラウドネイティブ化を進めてきたことが事業継続の観点からも間違いなかったと確信できました」(菊池氏)

CFM の継続とアーキテクチャレビューでコスト削減とシステム最適化を推進

同社は今後も CFM のフレームワークに基づいた包括的なコスト削減や、アーキテクチャレビューを通したクラウドネイティブ化を推進していく予定です。

「AWS のアカウントチームに改善点を相談しながら、さらなるコストの最適化に取り組んでいきます。また、次世代プロセッサーを備えた最新世代のインスタンス等、AWS の最新サービスの迅速な導入のために密に連携を取って対応を進めていきます」(小泉氏)

ビジネス面では、法人向けサービスの強化を進めていく方針です。交通事業者と共同で進めている MaaS 事業も、5G などのテクノロジーの進化に合わせて経路検索エンジンの強化を進める考えです。菊池氏は「量子コンピューティングの Amazon Braket などに興味があります。AWS には引き続き新サービスの紹介を期待しています」と語ります。

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菊池 新 氏

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毛塚 大輔 氏

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小泉 亮輔 氏

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田中 一樹 氏


カスタマープロフィール:株式会社ナビタイムジャパン

  • 資本金: 9,000 万円
  • 設立年月日: 2000 年 3 月 1 日
  • 事業内容:ナビゲーションサイト・アプリの運営・開発、経路探索エンジンのライセンス事業、経路付地図配信 ASP 事業、ビジネスナビタイム事業、法人向けソリューション事業、Web メディア事業、テレマティクス事業、交通コンサルティング事業、海外事業、インバウンド事業、トラベル事業、MaaS 事業

AWS 導入後の効果と今後の展開

  • Amazon EC2 全体の 90% 以上でリザーブドインスタンスとスポットインスタンスを活用
  • Cloud Financial Management(CFM)を活用、一部インスタンスを最新世代のインスタンスへ変更し、Amazon S3 のコストを約 10% 削減
  • 段階的なコスト最適化でオンプレミスと比較してインフラコストを 30% 削減
  • 3 年間の段階的なコスト最適化で、約 2 倍のサーバーリクエストの増加に対して、コストの増加を約 1.2 倍に抑制

ご利用中の主なサービス

Amazon EC2

Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) は、安全でサイズ変更可能なコンピューティング性能をクラウド内で提供するウェブサービスです。ウェブスケールのクラウドコンピューティングを開発者が簡単に利用できるよう設計されています。

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Amazon ECS

Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS) は、完全マネージド型のコンテナオーケストレーションサービスです。Duolingo、Samsung、GE、Cook Pad などのお客様が ECS を使用して、セキュリティ、信頼性、スケーラビリティを獲得するために最も機密性が高くミッションクリティカルなアプリケーションを実行しています。

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AWS Lambda

AWS Lambda を使用することで、サーバーのプロビジョニングや管理をすることなく、コードを実行できます。料金は、コンピューティングに使用した時間に対してのみ発生します。

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Amazon RDS

Amazon Relational Database Service (Amazon RDS) を使用すると、クラウド上のリレーショナルデータベースのセットアップ、オペレーション、スケールが簡単になります。

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