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約 9,500 品目の販売管理を司る販売物流システムを AWS に移行
バッチ処理時間を 80 % 短縮し、TCO を 20 % 削減

2021

多彩な調味料や加工食品の製造・販売を手がける日本食研ホールディングス株式会社はオンプレミス環境で運用してきた販売物流システムのアマゾン ウェブ サービス(AWS)移行を決定し、パートナーの日本電気株式会社(NEC)の支援を受けて、大規模なサーバーとデータベースの移行を完遂しました。クラウド化により、バッチ処理の時間を 80 % 短縮するなど、パフォーマンスが大幅に向上。データセンター利用コストや運用コストを含めて総所有コスト(TCO)を 20 % 削減しています。
AWS 導入事例  | 日本食研ホールディングス株式会社
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今回のプロジェクトを通して AWS 環境を構築/活用する社内の人材の育成が大きく進んだため、今後は内製化によってプロジェクト費用の抑制効果も期待できます

近藤 誠治 氏
日本食研ホールディングス株式会社
情報システム部 部長

年 110 % のペースでデータが増加

リソースの増強という課題に直面

1971 年の創業以来、食文化を通じて社会に貢献することを目標に、ブレンド調味料をはじめとする食品を幅広く展開している日本食研ホールディングス(以下、日本食研)。商品企画から研究開発・製造・販売・物流にいたる全工程を自社で行う製造販売一貫のビジネスモデルを強みとし、全国の飲食店や量販店など約 20 万の取引先に商品を届けています。少量多品種生産を実現する工場は、愛媛と千葉の 2 拠点に設置。ウィーンのベルヴェデーレ宮殿を模した愛媛本社敷地内の KO 宮殿工場は、『世界食文化博物館』として観光スポットにもなっています。2020 年 5 月にはウィーンのシェーンブルン宮殿をモチーフとした新工場が今治市内で稼働し、さらなる成長を支える生産体制を整えています。

同社の基幹システムは、生産管理、販売管理、物流管理、会計など、複数で構成されています。今回クラウド移行のきっかけとなったのは、オンプレミス環境で運用していた販売物流システムのインフラ更新でした。「販売物流システムは、約 9,500 品目の商品を全国の取引先に販売するために欠かせないものです。売上が右肩上がりで推移していくとともに、データ量は年 110 % のペースで増え続け、定期的に発生するハードウェアの更新やリソースの増強、サーバーの故障対応などが負担になっていました」と語るのは、情報システム部 システム企画開発第 2 グループ グループリーダーの黒木晋氏です。

AWS の DB 移行サービス AWS DMS を活用して

Oracle Database を Amazon RDS に計 3 日で移行

インフラの選定では、同社システムの開発・運用を長年支援してきたパートナーの NEC に相談し、AWS を採用しました。その理由は、国内外での圧倒的なシェアと、世界の最先端を行く技術力と公開されている情報の量、コストメリットにありました。

「大きかったのは、Amazon RDS の存在です。フルマネージドなリレーショナルデータベース(DB)サービスによって、運用負荷が大幅に軽減できることが決め手になりました。加えて、リフトアップしてもこれまでと同様に業務処理ができて期待する性能、コストメリットが得られることを確認して採用を決めました」(黒木氏)
AWS 移行プロジェクトは 2018 年 4 月にキックオフ。設計、構築、テストなどを経て 2020 年 3 月にアプリケーションとデータの移行作業を実施し、本稼働を迎えました。オンプレミス上の基幹システムのサーバー 40 台を AWS 上に移行していますが、特長は DB 移行サービスの AWS Database Migration Service(AWS DMS)を活用して、Oracle Database をAmazon RDS for Oracle に移行したことです。プロジェクトを支援した NEC ソリューションイノベータ株式会社の松本健吾氏および石崎健太郎氏は次のように語ります。

「ダンプファイル換算で約 300GB、17 億行に達する Oracle Database のデータを最小限のダウンタイムで確実に移行するために AWS DMS の利用を提案しました。更新中の Oracle Database を稼働しながらバックエンドで徐々に Amazon RDS にデータを移行し、最終的にダウンタイム 1 日、合計 3 日で完了しました。また、今回は AWS DMS をデータ移行の用途だけでなく、情報系システムの Microsoft SQL Server と、Amazon RDS for Oracle の異機種 DB 間のデータ連携に活用する特殊な使い方もしています」

さらに今回は Amazon Connect を活用した障害検知の機能も実装。監視ツールの Amazon CloudWatch が、Amazon EC2 や Amazon RDS の異常やリソース不足などを検知すると、AWS Lambda が起動して Amazon Connect 経由で運用管理者の携帯電話に通知します。これらの仕組みも NEC が提案したもので、情報システム部 システム企画開発第 1 グループ 係長の髙橋良太氏は次のように評価しています。

「NEC からは AWS のスペシャリストをアサインしていただき、アプリケーションの Amazon EC2 への移行、Amazon RDS の活用、AWS DMS によるデータ転送、Amazon Connect の利用などの提案を受けながら、計画通りにプロジェクトを完遂することができました。AWS に対する当社の知見も深まり、自社でも AWS の環境が構築できるようになりました。新型コロナウイルス感染症の影響で増加した在宅ワークでも、私自身で AWS Client VPN を構築してユーザーにリモート環境を提供しています」

日中のバッチ処理が 120 分から 20 分へ

80 % の時間短縮で在庫引当処理などの業務が効率化

全体で 20% のコスト削減を実現

AWS へアプリケーションやデータベースの移行後、日中に実施しているバッチ処理は約 80 % の時間短縮が実現。夜間処理の時間も約 50 % 短縮されるなど、パフォーマンスが大幅に向上しました。

「日中に実施している請求処理のバッチ処理が 120 分から 20 分に短縮され、外部委託先にデータを遅延なく渡せるようになりました。在庫の引当処理も短縮され、倉庫から早い時間に出庫できるようになるなど、業務面で貢献しています」(黒木氏)

コスト面でもリプレース、増強、データセンター利用などの費用は従来比で 15 % 削減、運用コストを含めると約 20 % の削減が実現。周辺システムとのデータ連携を、これまでのオンプレミスのハブサーバーから AWS DMS に変更したことでランニングコストも軽減。情報システム部 部長の近藤誠治氏は次のように評価しています。

「経営方針として初期費用の抑制を掲げる中、ハードウェアコストを軽減できるのが一番のメリットです。また、プロジェクトを通して AWS 環境を構築/活用する人材の育成が大きく進んだため、今後は内製化によってプロジェクト費用の抑制効果も期待できます」

基幹システムの AWS 移行を加速しながら取引先にもメリットのある DX を推進

日本食研では、現在オンプレミス環境で稼働中の会計システムと物流系システムの AWS 移行計画が決定済みです。販売物流システムに次いで規模の大きい受発注システムの AWS 移行も決まり、NEC とともに 2021 年中のプロジェクト開始を計画しています。基幹システム以外のサブシステムについても、営業担当、開発担当などが日常業務で利用する社内 BI ツールの基盤を AWS 上に移行し、データの活用レベルを高める考えです。

一方、2020 年 7 月には同社の取引先がオリジナルの調味料や食材を手軽に注文できる『日本食研アプリ』を AWS 上に構築してリリース。外食業界を中心に他の食品業界のお客様にも販路を拡大していく方針です。

「今回は基幹システムのリフトアップでしたが、今後はエンドユーザーも含めてお得意先も満足できる仕組み作りに AWS を活用し、DX の起爆剤にしたいと思います。そのためにも AWS と NEC には継続的な提案と安定稼働のためのサポートを期待しています」(近藤氏)

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近藤 誠治 氏

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黒木 晋 氏

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髙橋 良太 氏


カスタマープロフィール:日本食研ホールディングス株式会社

  • 創業:1971 年 10 月 1 日
  • 設立:1973 年 2 月 13 日
  • 資本金:3 億 8,800 万円
  • グループ売上高:1,102 億 9,400 万円(2020 年 9 月期)
  • 従業員数:4,727 名(2020 年 10 月 1 日現在)※グループ全体
  • 事業内容:ブレンド調味料(液体・粉体)・加工調理食品の販売、研究開発、および持株会社としてのグループ戦略立案・各種事業会社の統括管理

AWS 導入後の効果と今後の展開

  • 日中のバッチ処理の時間を 80 % 短縮、夜間処理時間を 50 % 短縮
  • リプレース費用やデータセンター利用料などを含めて 15 % のコスト削減、運用コストを含めて 20 % のコスト削減
  • AWS DMS を用いた周辺システム連携によるランニングコストの削減
  • AWS のスキル習得による自社内での基盤構築の実現

APN プレミアコンサルティングパートナー

日本電気株式会社

NEC は、AI や IoT などさまざまなテクノロジーを活用したデジタルトランスフォーメーションにより、安全・安心で効率・公平な都市実現を支える NEC Safer Cities と、人・モノ・プロセスをバリューチェーン全体で共有し新たな価値を生み出す NEC Value Chain Innovation の提供に取り組んでいる。プレミアコンサルティングパートナーに2017 年から認定されている実績、経験を活かし、お客様のデジタルトランスフォーメーションの実現をサポートしている。

NEC Corporation

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Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) は、安全でサイズ変更可能なコンピューティング性能をクラウド内で提供するウェブサービスです。ウェブスケールのクラウドコンピューティングを開発者が簡単に利用できるよう設計されています。

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AWS Database Migration Service を使用すると、データベースを短期間で安全に AWS に移行できます。移行中でもソースデータベースは完全に利用可能な状態に保たれ、データベースを利用するアプリケーションのダウンタイムを最小限に抑えられます。

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Amazon Connect は使いやすいオムニチャネルのクラウドコンタクトセンターであり、企業が優れた顧客サービスを低コストで提供するのに役立ちます。

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