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オンプレミス環境の基幹システムと VDI を AWS に移行
BCP 対策の強化を実現するとともに事業成長に向けた攻めの IT の活用推進業務へシフト

2022

総合塗料メーカーとして工業用、建築用、防食用、道路用などの塗料を幅広く提供している神東塗料株式会社。同社は基幹システムの mcframe を稼働実績があるアマゾン ウェブ サービス(AWS)に移行しました。クラウド化により BCP 対策の強化を実現。さらにハードウェアの導入や管理、障害復旧などにかかっていた工数を、IT の活用推進などの業務へシフトするなど、事業成長に向けた攻めの IT 改革が進められています。

AWS 導入事例  | 神東塗料株式会社

アサヒグループホールディングス株式会社様ホール棟オブジェに神東塗料の塗料が使われています

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攻めと守りのバランスを取りながら推進している当社の IT 戦略にとって、欠かせないのがインフラ環境の整備です。守りとしての BCP 対策は、データセンターの利用から一歩進めて全システムのクラウド化を図り、さらに攻め IT を実現する環境も同時に整備することにしました

長尾 俊彦 氏
神東塗料株式会社
取締役(企画・経理室)

ハードウェア障害等のリスクが高まり BCP に向けてクラウド化を決断

「塗料事業を通じて社会の発展に貢献する」を経営理念に、多彩な塗料の開発・製造・販売を手がける神東塗料。“水の神東”として、環境対応型塗料を業界に先駆けて開発し、現在は取扱製品の 80% を占めています。同社のビジネスを支える基幹システムは、2011 年にカットオーバー した mcframe(生産管理・原価管理・販売管理)を、オンプレミス環境で運用してきました。しかし、ハードウェア障害等のリスクが高まり、障害発生時には夜間や休日を問わず対応することがありました。サーバーリソースの拡張やシステム更新などで、情報システム部の担当者にかかる負荷も大きく、IT 活用に向けた施策にも影響を及ぼしていました。

そこで、データセンターで運用していた mcframe と VDI (仮想デスクトップ)のハードウェア更新を機に、クラウドへの移行を決断しました。取締役(企画・経理室)の長尾俊彦氏は、次のように語ります。
「攻めと守りのバランスを取りながら推進している当社の IT 戦略にとって、欠かせないのがインフラ環境の整備です。守りとしての BCP 対策は、データセンターの利用から一歩進めて全システムのクラウド化を図り、さらに攻め IT を実現する環境も同時に整備することにしました」

mcframe の AWS 上での稼働実績と世界でのシェアの高さを評価

mcframe と VDI のクラウド移行を検討した同社は、複数のサービスを比較した中から AWS の採用を決めました。選定の決め手は、mcframe の稼働実績にありました。

企画・経理室 情報システム 部長の永井康浩氏は次のように語ります。
「2018 年当時、mcframe の実績があったクラウドは AWS のみでした。AWS が世界で最もシェアが高いクラウドであることから、安定運用の観点からも評価しました。経営層には大企業での採用実績、SLA、耐障害性、ダウンタイムなどの根拠を示して理解を得ました」
移行パートナーには、オンプレミス環境への mcframe の導入と、それ以降の運用を支援してきた日立ソリューションズを採用し、ハードウェアの保守期限の問題から、VDI の構築から着手しました。VDI はコスト面からサーバー(Amazon EC2)+マルチセッション環境を採用しています。
企画・経理室 情報システム 課長の藤原義規氏は「VDI の構築プロジェクトでは、各種ライセンスの扱いがオンプレとは違い、システム構成にも工夫が必要になりました」と語ります。

その後、2019 年 11 月から mcframe の移行プロジェクトをスタートし、2020 年 7 月の 3 連休を利用して本番移行を実施して本稼働を迎えました。日立ソリューションズの鳥居氏は「mcframe では、DB にミドルウェアや OS の管理が不要なマネージドサービスの Amazon RDS に変更して運用負荷を軽減し、ライセンスコストの抑制を図りました。データ移行では、ログデータも含めてデータを精査して移行対象データを削減し、DB のフルバックアップデータを活用して約 8 時間で移行しました。移行前には 2 回のリハーサルを実施して、3 日間での本番環境の移行を実現しています」と語ります。

プロジェクトでは、mcframe と VDI と並行し、会計システム、人事給与システム、ラベル発行や物流系システムなどの周辺システムも合わせて移行しています。mcframe の移行期は新型コロナウイルス感染症のまん延期であったために、日立ソリューションズとの打ち合わせや作業はほぼリモートで対応しました。
「オンラインになったことで、すき間時間を使って会議のスケジュールが柔軟に組むことができたり、即座に必要な人につなぐことができたりと、柔軟かつスムーズに進めることができました。日立ソリューションズにはアプリケーションからインフラ、ネットワークまで幅広くサポートしていただき感謝しています」(永井氏)

ほぼすべてのシステムをクラウド化

コストを抑えて冗長性を確保

現在、AWS 上で管理しているサーバー数は、mcframe は Amazon EC2 が 6 台と Amazon RDS が 2 台、周辺システムは Amazon EC2 が 10 台と Amazon RDS が 2 台となっています。環境はマルチ AZ とし、片方の AZ にはバックアップとリストア環境を構築して冗長性を確保。監視ツールとして Amazon CloudWatch を活用しています。

VDI は、外出が多い営業部門や技術部門を中心に、全社員の半数にあたる約 170 名が利用しています。セッション数に応じて自動的に AWS 上のサーバーを起動させる運用とし、夜間は緊急用の 1 台を残してすべて停止するなどして、コストの最適化を図っています。
2018 年から 2 年のプロジェクトにより、基幹システムから情報系システムまでのすべての基盤をクラウド化し、データセンターの契約も終了しました。機器購入からサービス利用に変更になり、納期などを気にすることなくスピーディーなシステム導入が可能になりました。検証環境の構築も容易になり、保守環境の充実が進んでいます。また、コスト高になることなく冗長性が確保でき、資金計画も平準化されています。

その結果、当初の目的どおり、ハードウェア障害を心配する必要がなくなり、より強固な BCP 対策が実現しました。夜間や休日の対応もほぼなくなり、情報システム担当者の運用負荷も軽減されました。
「ハードウェアの導入や管理、障害復旧などにかかっていた工数が、本来情報システム部門に求められる IT の活用推進などに当てることが可能になり、攻めの IT 活用へとシフトすることができました。ここ数年で大量のシステムが増えている中、情報システム部の要員を増やすことなく対応できているのも AWS 移行の効果です」(藤原氏)

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製造業 DX の加速に向けてデータ活用基盤を整備

ほぼすべてのシステムをクラウドに移行した同社では、今後も積極的に活用しながら、ビジネスを加速していく方針です。
「新たなシステム導入は SaaS ファーストで考えていますが、既存システムとの連携を考慮するケースなどについては、必要に応じて AWS のサービスを活用していきます。今後はテレワークも含めて、クラウド環境での業務利用が進むことが予想されるため、セキュリティ強化に向けてゼロトラストネットワークの構築も予定しています」(永井氏)

さらに、製造業 DX に向けて、クラウドに蓄積されていくデータ活用も検討中で、業務プロセスを一元管理する DB の構築を構想しています。
「現在、営業、技術、生産の各部門がそれぞれデータを持ち、それらを受け渡しています。これらのデータを一元化し、生産性向上に向けたさまざまな業務改善や、新たな付加価値の創出を進めていきます」(長尾氏)

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長尾 俊彦 氏

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永井 康浩 氏

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藤原 義規 氏


カスタマープロフィール:神東塗料株式会社

  • 設立: 1933 年 4 月 17 日
  • 資本金: 22 億 5,500 万円
  • 従業員数: 453 名(連結)
  • 事業内容: 塗料、顔料、合成樹脂、油脂、化成品等の製造、加工、売買

AWS 導入後の効果と今後の展開

  • 基幹システムから VDI 環境まですべてのシステム基盤のクラウド化が実現
  • BCP 対策のさらなる強化
  • スピーディーなシステム導入やリソース拡張が実現
  • 情報システム担当の工数を、IT の活用推進業務へシフト
  • 検証環境の構築による保守環境の充実
  • コスト高になることなく冗長性を確保

AWS アドバンストティアサービスパートナー

株式会社日立ソリューションズ

日立ソリューションズは、お客様との協創をベースに、最先端のデジタル技術を用いたさまざまなソリューションを提供することで、デジタルトランスフォーメーションを実現し、社会や企業が抱える課題にグローバルに対応します。そして、人々が安全にかつ安心して快適に暮らすことができ、持続的に成長可能な社会の実現に貢献していきます。

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