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人と企業をつなぐ“ビジネス SNS ”のサービス開発に AWS を採用
Kubernetes や DevOps を活用することで変化に強いインフラをエンジニア主導で構築
ユーザーに価値あるサービスを次々に展開

2020

働く人々と企業、そして働く人々同士をつなげるビジネス SNS『Wantedly』を提供するウォンテッドリー株式会社は 2013 年からアマゾン ウェブ サービス(AWS)の利用を始め、約 1 年で全面移行しました。アプリサーバーもコンテナ化し、OSS のインフラ構成管理ツールを用いて AWS リソースのコード管理を実現。2016 年にはコンテナ管理の Kubernetes を導入し、開発者が自らリソースを調達できる環境を構築。人と企業が“つながる”ためのさまざまなサービスを生みだしています。

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お客様への継続的なサービス提供に向けて、日本のマーケットにコミットしていることを重視し、AWS を採用しました。加えて安定稼働の実績、マネージドサービスの充実、OSS のコミュニティ、充実したサポート体制などを評価しました

川崎 禎紀 氏
ウォンテッドリー株式会社
取締役 CTO

サービスの継続提供を確保するため日本市場にコミットした AWS を採用

HR Tech のスタートアップとして注目を集めるウォンテッドリー。同社のビジネス SNS『Wantedly』は 2012 年のリリース以来、3 万 5,000 社を超える企業、約 250 万人の個人ユーザーに利用されています(2020 年 8 月時点)。現在、企業と人が“共感”でつながる会社訪問アプリ『Wantedly Visit』と、名刺管理ができるつながり管理アプリ『Wantedly People』も展開。

2020 年 3 月からは新たに Wantedly 利用企業の従業員がさまざまなサービスを割引価格で使える従業員特典『Perk』、ストーリーを通じて会社のビジョンやミッション、そしてそれを実現するためのバリューの浸透を促進するための社内報『Internal Story』、そして Slack 上から会社のバリュー浸透、メンバーの仕事の調子を管理できるコンディション・マネジメント『Pulse』をリリースし、入社後の活躍と定着を支援するためのエンゲージメント事業に乗り出しています。

同社が AWS を導入したのは 2013 年。海外製 PaaS 上で運用してきた Wantedly Visit の検索エンジンサーバーや画像変換・配信サーバーを移行したのが始まりです。翌年にはスマートフォンの利用拡大を受けてモバイルファーストに舵を切り、アプリサーバーを海外製 PaaS から AWS 東京リージョンに移行しました。

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「お客様に迅速かつ継続してサービスを提供していくために、日本のマーケットにコミットしているクラウドの信頼性を重視し、AWS を採用しました。加えて安定稼働の実績、Amazon Relational Database Service(Amazon RDS) を中心としたマネージドサービスの充実、OSS のコミュニティ、充実したサポート体制なども決め手となりました」と語るのは、取締役 CTO の川崎禎紀氏です。

同時に、アプリサーバーは Docker を用いてコンテナ化し、Amazon EC2 上での運用を開始。さらに Amazon RDS、Amazon S3、Elastic Load Balancing、Amazon CloudFront などを用いてアーキテクチャを構成しました。

Kubernetes on Amazon EC2 の採用で変化に強いインフラを実現

次に同社が取り組んだのが、変化に強いインフラ作りです。特にインフラのコード化と Kubernetes の採用は大きなターニングポイントになりました。

Wantedly がスタートした当初は、インフラチームがその都度デプロイの仕組みを構築していました。ところが事業の成長につれてサービスやエンジニアの数が増加して依頼タスクが急増。結果としてインフラチームの作業待ちが発生し、開発のボトルネックとなります。そこで 2015 年 4 月より OSS のインフラ構成管理ツール(Terraform)を利用して API によるリソースの提供を開始。現在、AWS のリソースは GitHub 上でコード管理しています。「コード化の結果、インフラエンジニアだけでなく、開発エンジニアの一人ひとりがオーナーシップを持ち、必要な時にリソースを調達できるようになりました」と Infrastructure Squad Leader の坂部広大氏は語ります。

Kubernetes による運用開始は 2016 年 5月からで、こちらも開発者が自由にリリースできる仕組みを作ることが狙いです。

「プロダクトとして十分な品質を保つため、Kubernetes を用いて Amazon EC2 のクラスタリングを構成し、その中から必要なリソースを自由にデリバリーできるようにしました。これによりマイクロサービス化が実現し、インフラエンジニアが関与することなく、エンジニア主導でサービスを構築することが可能になりました」(坂部氏)

2017 年 9 月に東証マザーズに上場し、2019 年に ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)を取得した同社では、セキュリティとガバナンスの強化も重要です。セキュリティ面では、イベント管理の AWSCloudTrail と分析ツールの Amazon Athena を組み合わせ、操作ログの解析を実現。結果として、ISMS のスムーズな取得につながりました。また、GitHub の Pull Request を使ったワークフローでインフラリソースの変更作業を行っているため、誰が、何を、誰の承認で実行したかといった追跡も可能です。これにより監査レベルが向上し、上場時の監査にも役立ったといいます。

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Infrastructure as Code によりインフラの管理負荷が大幅に軽減

AWS の導入は同社にさまざまなメリットをもたらしました。インフラ環境は API を通して必要なタイミングで調達が可能になっています。提供サービスが増えてサーバー台数が増加した現在でも、インフラチームを大幅に拡大することはなく、担当者はレビューなどの本来業務に集中することが可能です。

コスト面でも、AWS 側の料金改定や Amazon EC2 スポットインスタンスを活用して増大を抑制しています。「ビジネスタイム以外は利用しない検証環境、サンドボックス環境にスポットインスタンスを活用してコストの軽減を図っています。EC2 等の管理台数が減ることで、AWS の料金が下がれば、監視をはじめとする AWS 連携サードパーティのサービス利用料金も下がります。結果として、前年比で約 20 % のコスト削減が実現しました」(坂部氏)

AWS は、同社の開発生産性の向上にも貢献しています。現在、総勢約 50 名のエンジニアがアプリ、共通基盤、インフラのチームに分かれて開発を担当。DevOps により、エンジニア全員がインフラ基盤や開発ツールの知識を共有しながら効率的に業務を進めています。同社が積極的に進める学生のインターンシップでは機械学習の開発と学習にAmazon SageMaker を活用中です。「共通の学習基盤が迅速に用意でき、インターン終了後も継続的にモデリングの検証が可能です」(川崎氏)

グローバル展開の拡大に向けマルチリージョンへの移行を検討

技術的なチャレンジを重ねながらアーキテクチャを進化させてきたウォンテッドリーが AWS のサービスを使い続ける理由は、手厚いサポート体制にあるといいます。

「質問に対するカスタマーサポートの回答スピードや、ソリューションアーキテクトによる的確な技術アドバイスはもちろんのこと、新しい事業やサービスにチャレンジしたい時にビジネスの視点から相談ができる点を評価しています。AWS の膨大なサービスを使いこなすうえで、漠然とした質問に対しても丁寧に対応いただけることも非常に助かっています」(川崎氏)

同社は今後も AWS をフルに活用しながら、ユーザーに価値あるサービスを届け、ビジネスを強化していく考えです。Kubernetes 上で管理しているマイクロサービスについては、gRPC を使ったマイクロサービス間通信の拡大や API Gateway を使った集約と拡大を目指しています。また、アジアを中心としたグローバルビジネスにおいても、マルチリージョンアーキテクチャへの移行やデータの分散配置を検討中です。

AWS に対して「使っていてワクワクする、未来を感じるテクノロジーやサービスに今後も期待しています」と川崎氏は話しています。

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川崎 禎紀 氏
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坂部 広大 氏

カスタマープロフィール:ウォンテッドリー株式会社

  • 設立年月日:2010 年 9 月
  • 資本金:2 億 3,231 万円
  • 売上高:29 億 2,200 万円(2019 年 8 月期)
  • 事業内容:ビジネス SNS『Wantedly』の企画・開発・運営

AWS 導入後の効果と今後の展開

  • API を通して必要なタイミングでインフラリソースの調達が可能に
  • Kubernetes on Amazon EC2 により、エンジニア主導でサービスの構築が実現
  • スポットインスタンスなどを活用し、前年比で約 20 % のコスト削減
  • アプリとインフラが一体となった開発が実現し、生産性も向上
  • AWS CloudTrail と Amazon Athena の組み合わせにより操作ログの解析を実現し、セキュリティレベルが向上

ご利用中の主なサービス

Amazon EC2

Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) は、安全でサイズ変更可能なコンピューティング性能をクラウド内で提供するウェブサービスです。ウェブスケールのクラウドコンピューティングを開発者が簡単に利用できるよう設計されています。

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Amazon RDS

Amazon Relational Database Service (Amazon RDS) を使用すると、クラウド上のリレーショナルデータベースのセットアップ、オペレーション、スケールが簡単になります。

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Amazon S3

Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) は、業界をリードするスケーラビリティ、データ可用性、セキュリティ、およびパフォーマンスを提供するオブジェクトストレージサービスです。

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Elastic Load Balancing

Elastic Load Balancing は、アプリケーションへのトラフィックを複数のターゲット (Amazon EC2 インスタンス、コンテナ、IP アドレス、Lambda 関数など) に自動的に分散します。

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