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HR テックのリーディングカンパニーに向けて大手企業向け統合人事システム『COMPANY』を SaaS 化
柔軟な機能拡張と、短期間のサービスデリバリーを実現

2021

大手企業向け統合人事システム『COMPANY』の開発・販売を手がける株式会社Works Human Intelligence(以下、ワークス HI)。1996 年の出荷開始以来、オンプレミス環境に導入するパッケージ版として提供してきた『COMPANY』ですが、クラウドニーズの拡大と HR テックへの対応を見据えて SaaS 版への移行を決定。プラットフォームにアマゾン ウェブ サービス(AWS)を採用し、2019 年 7 月より『Ver8 シリーズ』として提供を開始しています。SaaS 化により顧客ニーズに合わせたシステム拡張が可能になり、人事業務に必要なサービスをクイックにデリバリーできるようになりました。

AWS 導入事例  | 株式会社Works Human Intelligence
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アプリケーション開発者の自由度が高まり、新たな機能を即座にテストして、お客様にデリバリーすることができます。結果として利便性の高い価値あるサービスを、お客様に大きなコスト負担をかけることなく提供することが可能になりました

森田 旭 氏
株式会社Works Human Intelligence
製品開発責任者

HR テックサービスとの連携に向けて『COMPANY』のクラウドシフトを決断

『複雑化、多様化する社会課題を、人の知恵を結集し解決することで「はたらく」を楽しくする』をミッションに、人事給与ソリューションを提供する ワークス HI。主力の『COMPANY』は、人事給与のデファクトスタンダードとして大手1,100 の企業グループに導入されています。

その特徴は「ノーカスタマイズ」と「無償バージョンアップ」にあります。業務を実行するうえで必要になったり、法制度に対応したりするための機能は標準として取り込み、バージョンアップ時に無償で実装されます。

人事給与のトップベンダーの地位を確立している同社ですが、近年は企業と従業員の信頼関係を高める「従業員エンゲージメント」や、従業員が会社の中で得られる経験価値を高める「エンプロイー・エクスペリエンス」の観点からもテクノロジーが重視されるようになり、HRテックの新たなニーズに対応していく中で、クラウド化やモバイルへのシフトは欠かせなくなっていました。

「近年、HR テック業界から多くのサービスが生まれていますが、大手企業にとって基幹系人事システムとは分断されたものであるため、人事データが活用しきれていないと感じています。また、データ活用のために多くの時間と費用をかけているがゆえに導入が進んでいません。大企業の人事システムが SaaS 系 HR テックのメリットを享受するためには、『COMPANY』をクラウドソリューションに進化させ、各種サービスとの連携やデータ活用を本格化することが急務となっていました」と語るのは、製品開発責任者の森田旭氏です。

継続的なサービスの進化とスケーラビリティーの高さを評価

2015 年より『COMPANY』の SaaS 化に着手した ワークス HI は、サービスの提供プラットフォームに AWS を採用し、2019 年 7 月に『COMPANY Ver8 シリーズ』(以下、V8 シリーズ)としてリリースしました。AWS を選定した背景には、同社が 2012 年にリリースしたクラウド環境の構築・運用支援とセットで提供する『COMPANY on Cloud Managed Service(以下、CCMS)』に、AWS を採用した経緯があったからです。Product Div. SRE Dept. Vice President の新村北斗氏は次のように語ります。

「2012 年当時は AWS の一択でした。そこから AWS のサービスが徐々に増え、活用レベルが高くなっていきました。クラウドのメリットは、CPU やメモリーなどのリソースを有効に利用できることです。そこで SaaS 化においても継続して AWS を採用することを決めました。また、AWS のエンタープライズサポートは、ミッションクリティカルな事態が発生した際には、15 分以内で回答が得られることも心強いと感じました」

しかし、SaaS 版の開発には思わぬ壁が立ちはだかり、リリースまでに約 4 年の年月を要することになります。というのも当初はマルチベンダー対応を視野に入れていたため、AWS のインフラリソースのみを利用して自社技術を導入する方針だったからです。しかし、結果としてコスト高となり、開発工数も増えてきたことから、マネージドサービスを全面的に採用する方向に舵を切りました。

「当時は AWS を理解しているエンジニアも少なく、開発や運用のノウハウもありません。そこで 2016 年に社内に SRE チームを立ち上げ、開発者のマインドを変えるために、AWS 認定の資格取得キャンペーンを実施したり、AWS の TAM と対面で直接相談できるオフィスアワーで技術的な支援を受けたりしながら知識を身に付けました」(新村氏)

その後、『COMPANY』の既存環境を Amazon EC2 上にリフトする方針で開発を進めました。現在は、SRE チームのエンジニア約 30 名体制で、クラウドネイティブなアーキテクチャへのシフトに向けて、AWS Fargate を活用したコンテナ化や、フルマネージド型ストレージ EFS の活用、AWS PrivateLink を活用したセキュアなネットワーク接続、AWS CloudFormation を活用したサービスデリバリーなど、AWS のサービスを採用して開発を進めています。

サービスデリバリー期間を 1 週間から 1 時間に短縮

V8 シリーズのリリース当初は、新規ユーザーを中心に導入を進めました。2020 年からは既存ユーザーのバージョンアップもスタートしています。
「オンプレミスサーバーの保守切れのタイミングなどでお客様に SaaS 化を提案し、徐々に移行を進めていく予定です。2027 年までには 1,100 社のすべての SaaS 化を目指していますが、お客様の要望に応じてオンプレミスや CCMS の延長サポートも検討します」(森田氏)

『COMPANY』の SaaS 化により、サービス提供面でさまざまなメリットが得られることが期待されています。ひとつは、柔軟なインフラリソースの拡張による機能追加です。オンプレミス環境ではサイジングの段階で、使えるリソースが決まってしまいます。SaaS なら、開発途中で新たな機能を追加したい時でも、検証用の環境を新たに立ち上げてテストをしたり、新たな機能を利用するための本番環境のリソースを増強したりすることが可能になります。想定していたユーザー数が開発段階で増え、全社展開の要望が発生した際も環境の拡張が容易です。

もう 1 つのメリットは、サービスデリバリー期間の短縮です。人事給与システムは年に数回の改訂が発生し、その都度対応が求められます。例えば、年末調整の法対応デプロイにおいて、従来のオンプレミス環境ならお客様先での作業に 1 社で 1 週間かかるものが、SaaS 化によって 1 時間で終了というように大幅な短縮が実現しています。

「SaaS 化によって、アプリケーション開発者の自由度が高まりました。ミドルウェアやオープンソースなど、世の中に新しい技術が登場した際も即座にテストして、お客様に新たな機能としてデリバリーすることができます。結果として利便性の高い価値あるサービスを、お客様に大きなコスト負担をかけることなく提供することが可能になりました」(森田氏)

AWS 上での開発によってエンジニアがサービスデリバリーに積極的に関与することになり、改善サイクルが高速化されました。新村氏は「イベント登壇などで、技術を発表する機会も増え、エンジニアのモチベーションも向上しています」と語ります。

プラットフォームのセキュリティーや可用性についても、AWS のサービスによって信頼性を確保。お客様の管理負担やコスト負担も、オンプレミスと比較して大幅に軽減されています。今後は AWS の大阪リージョンを DR に活用し、BCP 対策を強化していく考えです。

コンテナとサーバーレスを活用しながらモダンなアーキテクチャへ移行

ワークス HI では今後も SaaS 版『COMPANY』のアーキテクチャのモダナイゼーション化を進め、AWS の各種サービスを選択しながら機能を強化していく方針です。また、企業における社員データの活用を促進するため、評価 / 成果・経験・スキル・健康状態などさまざまなデータを活用した新規サービスの追加を検討しています。

「例えば、企業の健康経営への取り組みが加速している中で、ヘルスデータと人事・勤怠データなどを組み合わせてデータ分析できる状態にしていくなど、新たな価値をお客様に届けていきます。そして、人事に関するさまざまな IT サービスの提供を通して、私たちのミッションである " はたらくを楽しく " を実現していきます」(森田氏)

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森田 旭 氏

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新村 北斗 氏


カスタマープロフィール:株式会社Works Human Intelligence

  • 代表取締役社長最高経営責任者(CEO):安斎 富太郎
  • 設立年月日:2019 年 8 月 1 日
  • 資本金:1 億円
  • 従業員数:1,727 名(連結)(2019 年 12 月末時点)
  • 事業内容:大手企業向け統合人事システム『COMPANY』の開発・販売・サポート、HR 関連サービスの提供

AWS 導入後の効果と今後の展開

  • インフラリソースの拡張による機能追加やユーザー増への対応が実現
  • サービスデリバリー期間の短縮
  • アプリケーション開発者の自由度向上
  • 改善サイクルの高速化
  • エンジニアのモチベーション向上
  • セキュリティーや可用性の強化とお客様負担の軽減
  • 2027 年までに既存の 1,100 企業を SaaS に移行予定
  • 生体データと人事データを組み合わせた HT テックサービスの提供を検討

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