投稿日: Dec 23, 2022

Amazon QuickSight Q の新機能で、予測や「why」質問が可能に

自動データ準備機能で、Amazon QuickSight Q を利用した自社データに関する質問開始までの時間を短縮

新機能の ページ分割レポート機能により、使い慣れた Amazon QuickSight のインターフェースで、ビジネスで重要な運用レポートの作成や共有を容易に実現

Amazon QuickSight のインメモリエンジンが 10 億行のデータに対応できるようになり、大規模データセットの分析や視覚化を容易に

Amazon QuickSight のダッシュボードをプログラムで作成、管理、編集できるようになり、レガシーシステムからの移行を加速

※本プレスリリースは、現地時間2022 年11 月29 日に米国で発表されたプレスリリースの抄訳版です。

(ラスベガス、2022 年 11 月 29 日発表)Amazon.com, Inc.(NASDAQ:AMZN)の関連会社である Amazon Web Services, Inc.(AWS)は11月29日、AWS re:Invent において、クラウド向けに開発された最も人気のあるサーバーレスのビジネスインテリジェンス(BI)サービス Amazon QuickSight に関し、お客様のBI 業務の効率化を支援する 5 つの新機能を発表しました。自然言語によるクエリ機能である QuickSight Q の機能拡張による予測や「why」質問への対応、データ準備の自動化などの新機能によって、お客様は自然言語での質問をより簡単かつ迅速に開始できるようになります。また、インタラクティブなダッシュボードと併せて、ページ分割したレポートを作成して共有できるようになるほか、QuickSight 内で直接、10億行規模のデータセットを迅速に分析して可視化し、BI アセットをプログラムによって作成・管理することで、レガシーシステムからの移行を加速できます。今回発表した新機能と、QuickSight の拡張性や従量課金型の料金体系との組み合わせによって、お客様は組織内の実際の利用者の技術的知識の有無に関係なく、データを理解して可視化し、インサイトを引き出して予測を行えるようになります。QuickSight の利用を開始するには、以下のウェブサイトにアクセスしてください。
aws.amazon.com/quicksight  

AWS のアナリティクス担当バイスプレジデントである G2 Krishnamoorthyは、次のように述べています。「今日の組織には多数のステークホルダーが存在し、それぞれの技術的専門知識のレベルは異なるものの、誰もがクリティカルなビジネスインサイトにアクセスし、知識を共有する必要があります。10 万を超えるお客様が QuickSight を利用して、ビジネスインテリジェンスのニーズに対応しているのはそのためです。今回、発表した新機能によって、QuickSight はさらに直感的かつ柔軟になり、アクセスしやすくなると同時に、クラウド向けに構築された包括的ですぐに利用可能なサービスによって、ビジネスインテリジェンスを実現するための運用を効率化することができます。自然言語によるクエリを利用した売上予測、重要な業務レポートの配信、高トラフィックの web サイトへの分析の組込み、膨大なデータセットの視覚的な分析など、ユーザーがどのようなことを望んでいるにせよ、AWS は高度な ビジネスインテリジェンス機能を提供することで、大規模にデータドリブンな意思決定をサポートできるよう、継続的にお客様起点のイノベーションに取り組んでいきます」

現在、企業はかつてない量のデータを収集するようになっており、このデータを活用して情報に基づいた意思決定やビジネストレンドの把握、効率化を実現したいと考えています。従業員がデータをアクションに変えていけるよう、組織としては、自然言語によるクエリから、ページ分割したレポートやインタラクティブなダッシュボード、組込みアナリティクスなど、さまざまな形式で、幅広いオーディエンスがこうしたデータにアクセスできるようしなければなりません。クラウド向けに構築された、最も高い人気を誇るサーバーレスのBIサービスである Amazon QuickSight は、3M、ベストウェスタンホテル(Best Western)、ブリストル マイヤーズ スクイブ、Capital One、コムキャスト、エクスペリアン、Guardian Life、マクドナルド、NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)、NTTドコモ、シーメンス、ユナイテッド航空 など、多数のお客様でこれを実現しています。QuickSight はお客様がより簡単に、組織全体で、必要な時に必要な場所で、貴重なビジネスインサイトを共有できるよう、昨年 1 年間だけで 80 以上の機能を追加してきました。今回の発表はこうした機能強化を基盤に、お客様が BI イニシアチブをクラウドへ移行して統合できるよう、さらに機能を強化するものです。

  • Amazon QuickSight Q での予測と、「why」質問のサポート:QuickSight Q は機械学習を使って、あらゆるユーザーが自然言語でビジネスデータについて質問すると、数秒で適切な視覚情報とともに、正確な回答を受け取れるようにします。QuickSight Q では、専門知識のない人でも過去のトレンドや指標を検索し、データから新たなインサイトを引き出して、ダッシュボードやレポートを作成できるようにします。たとえば、セールス担当のユーザーなら「昨年、商品が最も売れた場所は ?」、あるいは財務部門のユーザーなら「目標に対して、実際の売上はどうなっているか ?」と質問することができます。多くのユーザーは、さまざまな指標の根本的な原因を理解したり、将来的な成長モデルの構築に向けて、さらに掘り下げた質問をしたいと思うでしょう。QuickSight Q の新機能で、ビジネスユーザーは過去のパターンが維持された場合の指標の予測を質問し、さらに「why」質問で、どのような過去のデータが特定の結果につながるのか、根拠を尋ねることもできるようになりました。たとえば、セールス部門マネージャーは、「カリフォルニア州のオフィスチェアの売上予測」について質問することができます。QuickSight Q は、これまでの指標に基づき、自動的に季節性や変則データを考慮した上で売上予測を行います。さらに、セールス部門マネージャーは、「先月はなぜ、売上が増加したのか」を質問することができます。すると QuickSight Q は数秒で、売上を押し上げた主な要因をまとめます。つまり、ビジネスユーザーは根本的な要因についての理解を深めたうえで、将来の結果につながる、データドリブンな意思決定を行うことができるようになるということです。QuickSight Q は現在、英語に対応しており、すべてのお客様は追加費用なしで、予測機能へのサポートと、「why」質問を利用することができます。
  • Amazon QuickSight Q の自動データ準備:QuickSight Q の新機能によって、自動的に意味付け情報を推論してデータセットに追加することで、組織のBI チームが自然言語を使ったクエリ用のデータ準備に費やす時間を数日から数分に短縮します。現在、BI チームは自然言語によるクエリ用にデータを準備するために、BI ダッシュボードや SQL クエリ用に最適化された簡略表現や略語を、一般的に使用されるビジネス用語に手動で変換しなければなりません(たとえば、「cust_ID」を「カスタマー ID」に変換)。QuickSight Q の自動データ準備機能は、事前トレーニング済みの機械学習モデルや、顧客の既存資産(ダッシュボードやレポートなど)からの学習を使用して、新規データセットごとに数分でビジネス用語を事前構成し、QuickSight Q でデータのクエリを開始するまでにかかる時間を短縮します。たとえば、ストリーミングサービスの場合、QuickSight Q の自動データ準備機能を使用して、顧客のカテゴリー、ID、所在地に基づく加入者情報を含んだ既存のダッシュボードを使って、データセット用のビジネス用語を事前設定することができます。マーケティングマネージャーがローンチキャンペーンを計画している場合であれば、「ロサンゼルスに有料加入者は何人いますか?」と質問することができ、QuickSight Q が正確な答えを返してくれます。自動データ準備機能は、追加費用なしで、QuickSight Q のすべてのお客様にご利用いただけます。:本番環境にモデルがデプロイされると、ML 実践者はそのモデルがどうのように動作するかを理解し、潜在的な課題を把握するため、時間をかけてそのモデルを追跡したいと考えます。このタスクは通常、個々の使用者が各モデルに対して個別に行いますが、組織が数千ものモデルを導入し始めると、この作業はますます複雑化し、より多くの時間とリソースが必要となります。Amazon SageMaker Model Dashboard は、デプロイされたモデルとエンドポイントの包括的な概要を提供し、使用者が 1 か所でリソースとモデルの動作を追跡できるようにします。ダッシュボードから、Amazon SageMaker Model Monitor(AWS のモデルとデータのドリフト監視能力)および Amazon SageMaker Clarify(AWS の ML バイアス検出機能)を組み込み、使用することもできます。モデルの動作とパフォーマンスをエンドツーエンドで可視化することにより、ML ガバナンスプロセスを簡素化し、モデルの問題を迅速にトラブルシューティングするために必要な情報を提供します。
  • クラウド向けのページ分割レポート:ページ分割レポート機能は、毎日の取引概要や週次報告など、社内で重要な業務情報を社内の幅広いビジネスユーザー(エグゼクティブ、マネージャー、フロントラインの従業員など)と共有できるよう、印刷可能な形式にデータをまとめたレポートを提供します。多くの組織が最新の BI 製品を導入するようになったものの、こうしたツールには、ページ分割したレポートを作成して共有する機能が不足していました。そのため、AWS のお客様の中には、複数のシステムを利用するケースも多く、最新の BI ニーズ対応用以外に、ページ分割したレポート用にレガシーのシステムも保有しています。こうしたオンプレミスのシステムは、インフラストラクチャに数百万ドル(数億円)のコストがかかる可能性があるだけでなく、固定されたライセンス料、さらに両方のシステムの間でデータセットを複製しなければならないなど、維持管理のために専任の人的リソースも必要になります。Amazon QuickSight にページ分割レポート機能が追加されたことで、企業は使い慣れた QuickSight のインターフェースで、ページ分割レポートの作成、活用、管理が行えるようになり、オンプレミスで別のシステムを保有するコストも煩雑さも不要になります。BI チームは QuickSight のポイント・アンド・クリック方式のダッシュボードやレポートオーサリングインターフェースを利用して、数分でレポートを作成して公開でき、そのために新たなツールを学んだり、インフラストラクチャを管理する必要はありません。ビジネスユーザーは、QuickSight のインタラクティブなダッシュボードで直接レポートにアクセスできます。QuickSight のページ分割レポートは、QuickSight Enterprise Edition のアドオンとして、QuickSight Enterprise Editionのすべてのお客様にご利用いただけます。
  • 大規模データセットのシンプルかつ迅速な分析:Amazon QuickSight の超高速な、並列、インメモリの計算エンジン(SPICE)は、大規模なスケールでの高速パフォーマンスを提供するため、毎週 1 億件以上のクエリに対応することができ、1 時間当たり平均数 10 兆のレコードを処理します。SPICE は、インフラストラクチャのセットアップや管理は一切不要で、組織内の数千のユーザーが同時に高速でインタラクティブな分析を実行できるようになっています。SPICE は最大 5 億行のデータセットをサポートする一方、QuickSight のリッチな視覚化機能を使用してさらに大量のデータセットを検索したい場合、これまではエンジニアが QuickSight と別のデータストア(Amazon Relational Database Service、Amazon Redshift または別のデータウェアハウスなど)との間で、手動でデータの調整を図らなければならないため、非常に大量なデータセットに素早くアクセスしたり分析したりすることは、極めて困難でした。SPICE が 10 億行のデータをサポートすることで、データストア同士を接続して、SPICE にデータを取り込むことが容易になりました。ユーザーは QuickSight から直接、大規模データセットを視覚的に分析できるようになり、自立性が高まることで、エンジニアリングチームと連携してサービス間のデータを手動で調整を図る必要がなくなりました。10億行のデータセットのサポートは、QuickSight Enterprise Edition のすべてのお客様にご利用いただけます。
  • クラウドへのより迅速でプログラム的な移行:QuickSight はアプリケーション プログラミング インターフェース(API)の機能を拡張し、お客様がプログラムによって、自社の BI アセット(ダッシュボード、分析、レポート等)の作成や管理、編集が行えるようになり、オンプレミスのレガシーシステムからの移行を加速し、効率化できるようになりました。現在の BI ツールには、ダッシュボードやレポートへのプログラムによるフルアクセス機能が不足しており、クラウドベースの BI 製品への移行は非常に複雑化しています。お客様がクラウドへの移行を実行するためには、何万ものダッシュボードやレポートを始めから作り直さなければならない場合もあり、それには何年もかかります。これが障害となって、多くの企業はレガシーシステムから移行できずにいます。API ベースでダッシュボードやレポートの基本データモデルにアクセスすることで、お客様やパートナーは、こうしたアセットをソフトウェアのソースコードのように扱えるようになり、プログラムによる全面的な実装やピアコードレビュー、あらゆる変更の監査性を実現します。プログラムによるダッシュボードへのアクセスは、追加費用なしで、QuickSight Enterprise Edition のすべてのお客様にご利用いただけます。

ナスダック(Nasdaq) は資本市場やさまざまな産業にサービスを提供するグローバルテクノロジー企業です。ナスダック 北米市場担当プロダクトマネージャーであるMichael Weiss氏は、次のように述べています。「QuickSight Q は、エグゼクティブもセールスもデータエンジニアリングチームも、データから即座に答えを得られるようにしてくれる画期的なツールです。当社のチームはさまざまなシナリオを想定し、従来のトレンドや現在のデータのスナップショットだけでなく、何らかの事態が生じた時にその原因を理解したり、トレンド予測を行いたいと考えています。QuickSight の新しい「why」質問機能は、当社のユーザーが主要指標における変化に最も貢献したディメンションやバリューを理解するために役立ち、予測機能を活用することで、将来的な収益や市場シェアの拡大など、さまざまな市場セグメントや顧客の将来展望を検討することができます。こうした QuickSight Q の新機能によって、当社は複雑なデータ分析を完全自動化し、エンドユーザーによるセルフサービス利用を支援して、アナリストによるモデル構築や分析を不要にすることで、BI の活用を加速できます」

シーメンス(Siemens)は電化、自動化、デジタル化のグローバルリーダーです。同社プロダクトマネージャーであるMassimilliano Ponticelli氏は、次のように述べています。「シーメンスでは、自社のソフトウェア・サービス・アズ・ア・サービス(SaaS)ソリューションによって、世界最大級の製造施設のいくつかを稼働させています。当社のすべてのお客様が、自社のあらゆる活動の細かな点まで確実に可視化できるようにするために、重要な要件となるのがオペレーショナルレポートです。そのために、当社は長年、さまざまなソリューションを試してきましたが、信頼性、安定性、使いやすさの点で常に課題に直面することになりました。今回、QuickSight にページ分割レポート機能が組み込まれたことを非常に喜んでいます。これで当社は、インタラクティブなダッシュボードとオペレーショナルレポートの両方を単一のインターフェースで利用できるようになります。これは当社のオペレーションをさらに効率化し、お客様のビジネスのあらゆる側面においてしっかりと完全な可視性を提供できるようにする上で、大いに役立ちます」

キャピタルワン(Capital One)は、クレジットカード、オートローン、バンキング、銀行口座に特化した大手金融機関です。キャピタルワンの Enterprise Data Consumption Platforms のディレクターである Latha Govada 氏は、次のように述べています。「当社の全事業部門におけるチームの多くが QuickSight を利用しており、ユーザーがデータドリブンの意思決定を行う際にリアルタイムインサイトにアクセスすることができます。また、ユーザーが他の製品を使用することなく、必要なデータの利用方法について多くの選択肢を提供してくれる QuickSight Paginated Reports に期待しています。また、ダッシュボードをプログラムで作成・管理できるため、BI業務の自動化と強化がさらに進むでしょう。QuickSightのイノベーションスピードは驚くほど速く、リリースされる毎に当チームの俊敏性が高まっています」

ベスト・ウェスタン・ホテル・アンド・リゾート(Best Western Hotels & Resorts) は数々の賞に輝くグローバルなホテルファミリーで、世界で約 100 の国と地域であらゆるタイプの旅行者向けに宿泊施設を提供しています。同社テクノロジーマネジメントディレクターであるJoseph Landucci氏は、次のように述べています。「当社は 18 のブランドを傘下に持ち、世界各地で多様な所有構造を抱える大規模で複雑な組織です。レガシーな BI から QuickSight に移行したことで、ユーザー数を 23,000 人以上に拡大する一方で、コストを 30% 削減しました。QuickSight によって、当社では複数の BI ソリューションやデータソースを統合して、より迅速に総合的なインサイトを得られるようになりました。QuickSight の容量が拡張され、10億行のデータセットに対応できるようになったことで、当社は今後も引き続き、マーケティングデータから高度な予約パターン、毎日の客室稼働率、ロイヤルティプログラムに関する情報など、さまざまなユースケースに渡って、大規模なスケールで優れたパフォーマンスを得ることができます。また、QuickSight のページ分割レポート機能で、必要に応じて高度なフォーマットのレポートを直接共有したいと考えるユーザーを取り込めるようになり、全社でデータを民主化するという当社のミッションをさらに前進させていくことができます」

日産自動車は、日産、インフィニティ、ダットサン等のブランドで各種車両を販売している世界的自動車メーカーです。日産自動車のR&Dデータサイエンスグループ 主管、グローバル情報システム部DX推進部門 主管、技術エキスパート(クラウド)俵道 大輔氏は、次のように述べています。「当社において、ダッシュボードやレポートの利用を拡大して、全社でコネクテッドカーのデータに関するデータドリブンなインサイトを共有するにあたって、BI アセットを手作業で導入するような、時間がかかり、ミスの生じやすいプロセスに依存することは次第に困難になってきています。データと分析を担当するアジャイルなチームとして、今回、QuickSight の拡張されたAPI 機能を使い、プログラムで DevOps パイプライン内の分析やダッシュボードアセットを管理できるようになったことを大いに喜んでいます。これにより、私たちはより迅速に変化を促進し、貴重なインサイトを当社のエンドユーザーと素早く共有できるようになります」