アジャイルと DevOps はどのように異なりますか?

DevOps プラクティスとアジャイルプラクティスは、ソフトウェア配信ライフサイクルにおける補完的なアプローチです。それぞれの原則と実践に焦点を当てることで、お客様のニーズに異なる方法で対応します。

目的

アジャイル手法は、段階的なソフトウェア開発に焦点を当てています。これにより、チームは顧客と協力し、価値を提供し、変化に迅速に対応できるようになります。チームはアジャイルプラクティスを使用して、ソフトウェア開発における進化する顧客ニーズと市場の要求に効率的に対応します。

DevOps には、アジャイルソフトウェア開発文化における運用チームが含まれます。運用の役割は、ソフトウェアをデプロイしてエンドユーザーに配信することです。ソフトウェアが頻繁に変更される場合は、運用チームもそれに追いつく必要があります。ソフトウェア環境の構成変更を管理する必要がありますが、これはアプリケーションがスケールするにつれてますます困難になります。

DevOps はサイロ化を解消し、開発チームと運用チーム間のコラボレーションに重点を置きます。さまざまなツールとテクノロジーにより、ソフトウェアのデプロイにおける柔軟性と効率性が向上します。

原則

アジャイル手法の 4 つの主要な原則 (優先事項) は次のとおりです。

• プロセスやツールよりも個人との対話
• 包括的なドキュメンテーションよりも実用的なソフトウェア
• 契約交渉よりも顧客とのコラボレーション
• 計画に厳密に従うことよりも、事後対応型の変更

アジャイルチームは変化を受け入れ、プロジェクトライフサイクル全体を通じて段階的かつ反復的な開発を行います。プロセスの早い段階から全体を通して顧客を巻き込むことで、チームがクライアントの要求に確実に対応できるようになります。

対照的に、DevOps には CALMS という略語でまとめて表現される 5 つの主要な原則があります。

• 責任共有のための開発チームと運用チーム間のコラボレーション
• 繰り返しの多いタスクを自動化し、エラーを減らし、効率を高めるための自動化ツールと手法
• 納期を延ばすプロセスを排除するリーン戦略
• データの収集と分析によるパフォーマンスの測定
• チーム間で情報や学習内容を共有し、全体的なパフォーマンスとイノベーションを向上

プラクティス

アジャイル手法では、タスクをストーリーと呼ばれるより小さな単位に分割します。アジャイルチームはスプリントと呼ばれる短い反復期間で作業します。 各スプリントでは、出荷可能な新しいソフトウェアまたは製品が追加されます。チームメンバーは毎日のスタンドアップミーティングに参加して調整します。同様に、アジャイルアプローチでは、定期的にさまざまなレトロスペクティブを実施して改善と効率性の向上を図ります。

DevOps は、構築、テスト、デプロイのプロセスを可能な限り自動化します。これにより、新しいソフトウェアバージョンの頻繁なリリースがサポートされます。継続的統合はコードを共有リポジトリに統合するため、デベロッパーはコードを定期的にテストできます。継続的デリバリーでは、デプロイパイプラインを使用して複数の環境に一度にデプロイします。 

DevOps は Infrastructure as Code (IaC) も使用するため、チームは管理とプロビジョニングをソフトウェア開発タスクとして処理できます。インフラストラクチャとアプリケーションをモニタリングすることで、デベロッパーは潜在的な問題を発見し、改善のためのトラブルシューティングを行います。

スキル

アジャイルチームのメンバーは、適応力があり、柔軟性があり、コミュニケーション能力が高い必要があります。また、ほとんどのチームメンバーは部門横断的なスキルも備えており、複数の分野にまたがって製品を完成させることができます。アジャイルチームはフィードバックを効果的に伝え、それに対応する必要があるため、コミュニケーションは不可欠です。

DevOps チームには、セキュリティ認識、モニタリング、自動化に関する知識、運用スキルなどのスキルが必要です。DevOps チームメンバーは IaC スクリプトを記述し、配信パイプラインをモニタリングするツールを開発します。自動化されたワークフローを維持することは DevOps にとって不可欠です。 

DevOps チームには、ソフトウェアデプロイの自動化について、より技術的な知識が必要です。アジャイルチームには、ビジネスアナリストやプロジェクトマネージャーなどの技術者以外のメンバーが含まれます。

	アジャイルプラクティス	DevOps
目的	アジャイルプロセスでは、顧客のニーズに応じて迅速かつ効果的に進化する反復的なアプローチを採用しています。	DevOps プラクティスは、継続的なデプロイのための自動化を活用して、開発チームと運用チームを結びつけます。
原則	アジャイルマインドセットには、人材、顧客コラボレーション、実用的なソフトウェア、リアクティブ開発という 4 つの基本原則があります。	DevOps には、文化、自動化、リーンの原則、測定、共有という 5 つの原則があります。
プラクティス	アジャイル開発では、タスクをストーリーに分割し、スタンドアップミーティングで毎日コミュニケーションを取ります。チームは「スプリント」と呼ばれる短期間の作業を行い、複雑なプロジェクトを管理し、効率を高めます。	DevOps ソフトウェア開発手法では、継続的デリバリー、自動化、モニタリング、継続的統合に重点が置かれています。
チームスキル	アジャイルチームのメンバーは、柔軟で、順応性があり、多機能で、強力なコミュニケーターです。技術的でも、非技術的でもあります。	DevOps チームのメンバーは、IaC を使用してプロセスを自動化し、ソフトウェアをデプロイします。また、一般的に技術に長けています。