コンタクトセンターへのあらゆるニーズに応える柔軟性と拡張性を獲得
最大 9,000 席まで拡張可能な進化するクラウド型 PBX サービスを実現
2020
加藤 寛 氏
株式会社ベルシステム 24
ソリューション推進本部
ソリューションセールス部 兼
ソリューションテクノロジー部 部長
事業の成長のためには柔軟なサービス提供が必要
「2011 年にサービスを開始した BellCloud® は、ある程度席数規模の大きいセンター向けでした。私たちの知見を多くのお客様に提供するためには、提供するサービスとそのインフラストラクチャに、より柔軟性と拡張性があるサービスが必要と感じていました」と語るのは、ソリューション推進本部 ソリューションセールス部 兼 ソリューションテクノロジー部 部長の加藤寛氏です。
PBX(電話交換機)の機能を提供する製品やサービスは数多ありますが、ほとんどはパッケージ化されており、利用者が必要とする機能だけを提供できるサービスは少ないといいます。ソリューション推進本部 ソリューションテクノロジー部 シニアソリューションマネージャーの横山洋一氏は「PBX だけでなく、音声認識、チャットボットなど、さまざまなニーズがありますが、多くのお客様が製品選びに悩まれています。いずれかの導入を決めたとしても、セキュリティ要件の検証など、本来のコンタクトセンター運営以外の業務が増えてしまう状況を抱えておられます」と話します。
このような課題の解決策として、2018 年頃からベルシステム 24 ではコンタクトセンター向けの各種機能のなかから柔軟に機能を選んで使えるとともに、必要に応じてスケーラビリティを調整可能な『BellCloud+』の企画を始めました。そしてシステム要件を検討し、グローバルの実績が豊富な AWS の採用を決定。「決め手の 1 つは、クラウドサービスとしての実績の多さと信頼性です。BellCloud® で利用していた AVAYA のシステム構築実績も豊富で継続して利用できるとともに、サーバーやネットワークだけでなく、音声分析やボイスボットなどのさまざまなサービスと連携できる拡張性も評価しました。また他に新規サービスを展開する上で、キャパシティプランニングが難しいオンプレミスとは違い、スモールスタートが可能なことも魅力でした」(横山氏)
クラウドの柔軟性・拡張性は同社の事業展開にも大きく影響するため、社内で承認を得る際の追い風になったといいます。「従来の当社のサービスが持つ堅牢性やユーザビリティに加えて、AWS によって柔軟性や拡張性を獲得し、また最新技術を取り入れることで業務を高度化していくことができます。“攻め”のサービスを展開することが可能と経営層にアピールし、社内での承認に至りました」(加藤氏)
4 社の協力により堅牢なシステムを迅速に構築
ベルシステム 24 では BellCloud+ の構築を担当するパートナーとして、数社の提案の中から伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)を選定。決め手はコンペにおける明確な回答、多数のインフラを扱っている実績、そしてさまざまな技術に対応可能なエンジニアの層の厚さでした。
プロジェクトでは、Amazon EC2 のインスタンス上に AVAYA のシステムを実装。なおシステムの安定性や可用性を考慮し、東京リージョンと大阪ローカルリージョンの冗長構成にて構築するという要件がありました。しかし、アジア地域の AWS 上で AVAYA のシステムを構築するのは初めてということもあり、想定外のことにも直面したといいます。
「当時、大阪ローカルリージョンで提供するインスタンスが AVAYA のサポート要件に対応していないなどがありましたが CTC と日本アバイア、AWS のそれぞれの担当者に調整をしていただき、大阪ローカルリージョンでも無事スケジュールどおりに構築できました」(横山氏)
CTC の FS 営業第 2 部の白井啓陽氏は、「今回のプロジェクトでは、お客様がスピード感を重視されていましたので、それにお応えできるよう提案を行いました」と当時を振り返ります。
顧客の注目を集め運用面のメリットも獲得
AWS の活用によって、ベルシステム 24 では営業面だけでなく、コスト負担や運用面でも大きなメリットを得ています。BellCloud+ は最大 9,000 席まで拡張できるシステムとなっていますが、オンプレミスで同等の設備を用意する場合と異なり、段階的に増やすことができるため初期コストも運用コストも抑えることができます。「障害が起きたときの対応も、コンソールの操作だけで済むので、以前のように機器を調達するリードタイムや夜間の作業が発生しません。これにより保守メンバーの負荷も大きく軽減されています」(横山氏)
組織内の意識改革も実現
成長していくシステムへ
今後、BellCloud+ には音声認識や音声分析、ボイスボット、スマートフォンの画面操作によるサポートのセルフサービスといったオプション機能が次々と計画されています。さらに、拡張現実(AR)やバーチャルリアリティ(VR)を活用したテクニカルサポートの構想もあり、Amazon Sumerian の導入も検討されています。「コンタクトセンター業界において、AWS の技術を最も利用しているユーザーでありたいと思っており、より優れたサービスの提供につなげていければと考えています」(横山氏)
さらに、機能の開発だけでなく、コールセンターのオペレーターの健康状態をモニタリングして、快適な勤務や離職防止に役立てられるようなデータ解析の取り組みも検討しています。新しい技術を次々に導入していくという BellCloud+ の将来について加藤氏は、次のように語っています。
「コンタクトセンターは、まだまだ進化できると考えています。新しいチャレンジをしたいというお客様と共に、先駆的な技術を活用しながら、生き物のように成長させていきたいという想いがあります。この構想を CTC、AWS のエンジニアたちにも共有し、常に議論をさせていただいています。さまざまな知見を活かし、お客様にさまざまな提案を行っていきます」
加藤 寛 氏
横山 洋一 氏
カスタマープロフィール:株式会社ベルシステム 24
- 設立年月日:1982 年 9 月 20 日
- 従業員数: 社員 9,010 名、コミュニケーター 19,078 名(2020 年 2 月末現在)
- 事業内容:CRM ソリューションに関する、アウトソーシングサービス / テクノロジーサービス / コンサルティングサービス / 人材派遣事業など
AWS 導入後の効果と今後の展開
- 柔軟性のあるサービスによる新たな顧客層へのアプローチ
- 社内での新サービス開発に向けた士気の高まり
- “攻め”の業務改革の推進
APN プレミアコンサルティングパートナー
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
CTC は、2017 年から APN パートナー最上位の「プレミアコンサルティングパートナー」の認定を取得。同時に AWS 移行に関して優れた実績・専門的スキルがあることを AWS が認定する「移行コンピテンシー」を有しています。クラウドの新規構築、および移行のためのコンサルティング、実装から運用をワンストップでご支援し、お客さまのビジネスを加速させるためのクラウド活用を共に推進します。
ご利用中の主なサービス
Amazon EC2
Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) は、安全でサイズ変更可能なコンピューティング性能をクラウド内で提供するウェブサービスです。ウェブスケールのクラウドコンピューティングを開発者が簡単に利用できるよう設計されています。
AWS Direct Connect
AWS Direct Connect はオンプレミスから AWS への専用ネットワーク接続の構築をシンプルにするクラウドサービスソリューションです。AWS Direct Connect を使用すると、AWS とデータセンター、オフィス、またはコロケーション環境との間にプライベート接続を確立することができます。