お客様事例/教育機関

2023 年
学校法人同志社 同志社大学
同志社大学、AWS を採用して情報インフラの安定性とセキュリティを強化
 
多様な教育・研究の質の向上につながる先端技術の導入へ

機器点検やシステム更新時のダウンタイム削減

全体的な調達とコストの最適化

災害対応環境の見直し

柔軟な配備によるシステムの安定稼働

概要

2025 年に創立 150 周年を迎える同志社大学は、教育理念「キリスト教主義」「自由主義」「国際主義」のもと、常に新しい教育・研究環境の提供に取り組んでいます。2022 年にはシステム基盤を刷新し、アマゾン ウェブ サービス(AWS)を採用してクラウドとオンプレミスとのハイブリッド環境を構築。システム調達やコストの最適化や安定的で安全なシステム提供、教育・研究の多様性と質の向上、そして先端技術導入への挑戦を可能にする情報インフラの整備を進めています。

学校法人同志社 同志社大学

課題 | 情報インフラ最適化と先端技術導入への挑戦のため、クラウドを選択

同志社大学は創立 150 周年を迎える 2025 年に向け、創立者の新島襄の志と、革新的な創造性を融合させた『同志社大学ビジョン 2025』を定め、さまざまな施策を展開しています。同学の情報化推進部でも教育・研究活動への直接の支援、大学運営のためのデジタル活用、誰もが安心して利用できるセキュリティ向上、先端技術導入へのチャレンジといった方針のもと、情報インフラの整備を行ってきました。

「本学の情報インフラは、ネットワークシステム、ユーザ管理システム、教育研究支援システム、マルチメディアシステムの 4 系統があり、4 年に 1 度のペースで更新していました。各システム固有の要件からサーバーやスイッチなどの機器を個々に調達していたのですが、このあり方を見直し、2022 年度のインフラ系システムの更改を機に全体最適化を図りました」と語るのは、情報化推進部 情報基盤課 ネットワーク係 係長の高木育史氏です。

システムごとに異なる調達の仕様やコストに加え、セキュリティ基準の統一、キャンパス以外の環境でのより強固な災害対策なども課題となっていました。そこでシステム更新を機に、コストや災害対策の面で優れた点が多いクラウドを導入しようと、2019 年から計画を進めました。

同大学は、このプロジェクトについて提案を依頼した複数社のなかから、日立製作所が提案した AWS を活用するプランを採用しました。「他の事業者の提案はプライベートクラウドや特定のデータセンター環境で展開するものでした。しかし、本学のインフラ刷新で掲げた基本方針の 1 つに『先端技術導入へのチャレンジ』があります。このような大きな変化へのチャレンジには、より広がりのある AWS 環境が適していると考えました」と、情報化推進部 情報基盤課 ネットワーク係の田口健太氏は振り返ります。

同志社大学の情報システムを 20 年以上にわたり支援し、学内のシステムに精通している日立製作所は、クラウドの提案にあたり AWS の担当者とも情報インフラ刷新の内容について緊密に相談し、準備に万全を期していました。大規模なクラウドの導入は初めてとなる同大学にとって、こうした配慮も評価のポイントとなったといいます。

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ユーザ認証系のサービスや業務や教務の中心となるサービスのダウンタイムを大幅に短縮し、継続して提供できる環境を実現できました”

高木 育史氏
同志社大学 情報化推進部 情報基盤課 ネットワーク係 係長

ソリューション | ネットワークシステムとユーザ管理システムを AWS 環境へ

2021 年 11 月から同志社大学は日立製作所の支援のもと、情報インフラの整備を開始。各種システムのパフォーマンスを考慮してクラウドまたはオンプレミスで稼働させるハイブリッド構成で構築を進める方針を定めました。AWS 環境には柔軟な拡張や中長期的なコスト削減、災害対策も想定してネットワークシステムとユーザ管理システムを展開することとなりました。高木氏は、従来のオンプレミスだけの環境とは異なり、ネットワーク空間の設計に苦労したと語ります。「これまでと異なる考え方の設計に悩みましたが、日立製作所の担当者と連携して、最適な設計を実現できたと思います」

また、長期に利用するリソースは割引価格が適用されるリザーブドインスタンスとして契約し、目的の 1 つでもあったコストの最適化も着実に進めていきました。さらに、これまでキャンパス内のサーバーにバックアップを保存していた災害対策も見直し、対障害性において信頼性の高い AWS 環境に配備しました。

新しい情報インフラは、2022 年 4 月から稼働を開始しています。高木氏は「非常に急ピッチで構築できました。ちょうど世界的に半導体不足が心配されている時期でしたが、それを気にせず環境構築できるクラウドのメリットを感じました」と語ります。また、日立製作所の支援について田口氏は「毎週のように会議を行い、私たちがさまざまな要望や意見を伝えたものを、日立製作所の担当者が綺麗にまとめて具体化してくれました」と評価しています。なお今回のプロジェクトに対して AWS は、専門のコンサルタントによる豊富な知見を提供するプロフェッショナルサービスを通じて日立製作所と連携し、継続して支援を行っています。

同志社大学はクラウドとオンプレミスのハイブリッド構成となった情報インフラの稼働状況やパフォーマンスを継続的に検証しながら、徐々に AWS 環境の利用比率を高めていく計画です。一部のシステムでは、アプリケーションの移行を迅速に行う AWS Application Migration Service(AWS MGN)を使った移行を進めています。システムの特性に応じてクラウドへの移行パターンは複数ありますが、同大学では異なる 7 つの特性のシステムですべての移行パターンを経験し、いずれも円滑に完了しています。「これまで別の部署が管理していた業務系のシステムを AWS に移行しているところです。スムーズな進行を実感しています」(田口氏)

導入効果 | 迅速なシステム配備を実現し、クラウドの利点を活かすシステムへ

コロナ禍を経てオンライン授業など学習環境での IT 活用が急速に増加した結果、ユーザ認証の重要性が大幅に上昇しています。認証システムの AWS への移行は、学生や教員、職員といったエンドユーザーが大きな変化を感じることはないものの、セキュリティも高まり、安定したパフォーマンスを維持しています。田口氏は「予期しない負荷が発生したときでもクラウド環境ならリソースを柔軟に変更して対応できます。従来と比較して圧倒的に早く環境を準備して対応できるようになりました」と評価しています。さらに環境の統合によって、これまで情報基盤課で直接担当していなかったサーバーの管理をすることになっても、増員することなく対応が可能となっています。

また、AWS への移行により、システムのダウンタイムの短縮が期待されています。以前はキャンパス内のサーバールームにある非常用電源の法定点検や、4 年に 1 度のインフラ系システム更改時に数時間のダウンタイムが発生していました。一方で AWS は常に稼働しているため、AWS に移行したサービスにはダウンタイムがほぼ発生しません。「ユーザ認証系のサービスや業務や教務の中心となるサービスが使えない時間を大幅に短縮し、継続して提供できる環境を実現できました」(高木氏)

AWS 環境への業務システム系のシステム移行は 3 か年計画で進んでおり、完了するのは同志社大学が 150 周年を迎える 2025 年です。今後について田口氏は、「災害対策など、これまでにないことを実現できる実感を持っています。これからはオンプレミスではできない、よりクラウドらしい使い方を実現していきたいと考えています」と語ります。高木氏も「AWS サービスの優れた点を学内にも広めたいと感じています。また、クラウドの特性を活かせる、コンテナ技術のようなものを取り入れることで、従量課金の中でのリソース最適化・コスト最適化を図る方針を考えています。これらの点に関して、日立製作所や AWS からの提案を引き続き期待しています」と語っています。

カスタマープロフィール: 学校法人同志社 同志社大学

京都府内の 2 つの校地に 14 学部と大学院 16 研究科を擁し、豊かな教育を行う同志社大学。日本の近代化のリーダーとなる人物の育成を目指した新島襄によって 1875 年に立ち上げられた同志社英学校をルーツとする。同志社とは、「志を同じくする者が創る結社」を指し、新島の志を原点としている。創立以来、建学の精神である「良心教育」を基軸に、経済、政治、宗教、教育、社会事業といった幅広い領域で活躍する人物を輩出してきた。 

高木 育史氏

高木 育史氏

田口 健太氏

田口 健太氏


AWS 公共部門パートナー

株式会社日立製作所

日立の IT サービスは、さまざまなビジネス分野の豊富な専門知識を組み合わせることで、お客様の多様なニーズに対応している。日立は、クラウドサービスビジネスにおいてはフェデレーションクラウドに強みがあり、それによりさまざまな種類の複数のクラウドサービスを組み合わせて使用することができる。

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