グリー株式会社

創業時から16年にわたり

グリーを支えてきた CTO の挑戦

ものづくり企業として、プロダクトを効率的に作る仕組みを構築

2021

グリーのプロダクト開発を会社創業当初から 16 年間にわたって支える CTO が考えるCTO の役割と、「ビジネス×エンジニアリング」の面白さ。

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CTO の醍醐味は経営とエンジニアリングの両方の視点が持てることです。
3 年や 5 年のスパンで目標を設定しながら、会社が成長する方法を考える経営の仕事は面白みも大きい。エンジニアリングのバックグランドを持ちながら経営に関与し、組織のマネジメントができるのは貴重な経験です

藤本 真樹 氏
グリー    株式会社
取締役 上級執行役員 最高技術責任者(CTO)

プロダクトを効率的に作る仕組みを整え

事業を横断して支えることが CTO の役割

「インターネットを通じて、世界をより良くする。」をミッションに、ゲーム事業、メディア事業、ライブエンターテインメント事業を手がけるグリー。藤本氏は 2005 年に創業まもない同社に入社して CTO に就任。以来、16 年間にわたって同社の成長を技術面から支えてきました。わずか数名で起業したグリーも、現在は 1,600 名規模まで拡大しましたが、CTO の役割は設立時から一貫して変わらないといいます。

「以前はエンジニア全員が同じ部署に所属していましたが、今は各プロダクトに分かれて開発しています。事業もゲーム、広告・メディア、ライブエンターテインメントと多角化しています。その中でも私の役割は変わらず、ユーザーにサービスを提供する企業として、プロダクトを効率的に作る仕組みを整えること、事業を横断して支えることです」

現在、藤本氏はインフラやセキュリティなどの開発共通系やデータエンジニアリング系のセクションを統括するほか、技術面とビジネス面の双方からさまざまなミッションが日々降りてきます。

「会社が成長するために考えることは山ほどありますから、やるべきことは年々増えています。とはいえ、それはすべて勉強になるのでありがたい話です」(藤本氏)

エンジニアに求められる

ビジネスやプロダクトへの視点

プロダクト開発を推進するうえで、人材育成もCTO の重要な役割です。藤本氏が考えるグリーに必要な IT 人材とは、プロダクトについて、より深く考えられる人であるといいます。ソフトウェアのプロダクトを開発する同社は、エンタープライズ企業と比べて IT に関心の高い人が多く、バックオフィスやミドルオフィスを含めて全社員が IT の活用や生産性向上に対して高いリテラシーを有しており、日々改善を行っています。それゆえに、エンジニアには技術だけでなくプロダクトにどのような効果があるのかという視点、さらにはリリース後の運用の効率化など生産性視点が常に求められています。

「ノーコード・ローコード化で、ソフトウェア開発の敷居は確実に下がっています。だからこそ、会社のありかたを変えられるエンジニアを育成することが大切です。もちろんプロフェッショナル人材も必要で、両者のバランスは重視しています」(藤本氏)

求める IT 人材の獲得・定着に向けては、一定水準の給与体系を整備するほか、エンジニアとして得られるキャリア形成のメリットを訴求し、グリーの文化との親和性を重視しながら採用を進めています。

「メンバーには、『自分の市場価値をしっかり把握しておいてね』と話しています。今後、70 歳まで働くとするなら、1 人ひとりが自分自身の働き方や価値の高め方を考えていく必要があります。会社はメンバーの人生を最後まで保証できるかどうかはわかりません。エンジニアはその時々で必要な会社を選んでいく。それがグリーでなくなったら違う道を選ぶべきですし、会社は必要な人に長く働いてもらうことを考える。お互いにフェアな関係でいたいと思っています」(藤本氏)

また、グリーの文化との親和性も大切になります。面接をすると、能力の高さばかりに目が向いてしまい、現場は「この人に来て欲しい」と思いがちです。しかし、文化にマッチしていなければ、結果としてお互いが不幸になるケースが多いといいます。

「そうならないためには、グリーが大切にするバリューに合う人を見極めることです。新卒採用ならインターンで働いてもらったり、中途採用ならカジュアルな場で話をしてみて相互に理解する。時間をかけて人を選び、私たちも選んでもらえるように努めています」(藤本氏)

ソフトウェアへのシフトを加速し

日本企業全体の生産性向上へ

16 年の長きにわたりグリーで CTO を務める藤本氏にとって、CTO の醍醐味は経営とエンジニアリングの両方の視点が持てることにあるといいます。3 年や 5 年のスパンで目標を設定しながら、会社が成長する方法を考える経営の仕事はクリエイティビティが高く、面白みも大きいといいます。

「現場でコードを書くことは今でも楽しいです。ただ、自分の市場価値を高めるためにはビジネス×エンジニアリングのかけ算も悪くない。エンジニアリングのバックグランドを持ちながら経営に関与し、組織のマネジメントができるのは貴重な経験で、将来につながると考えています」(藤本氏)

2018 年からは一般社団法人日本 CTO協会の理事も務め、600 名近くの協会員と情報交換をしながら、先端企業の知見を広く社会に還元する取り組みを始めている藤本氏。その中で訴えているのは生産性の向上です。

「生産年齢人口の減少が進む中、日本企業が成長し続けていくためには、生産性を高める以外に方法はありません。そのためにはソフトウェアへのシフトが必須であり、ボトムアップによる改革と並行して、CTO が旗振り役となって改革していくことも重要です」(藤本氏)

藤本氏は今後も経営に関わる CTO として、グリーの事業の成長を牽引する責任を果たしていく考えです。そして、日本企業の経営者とエンジニアに対して、AWS などの日々進化を遂げていくソフトウェアを活用して事業を成長させて欲しいとエールを送ります。

「グリー自体はいつも右肩上がりで成長してきた会社ではなく、苦い経験もしてきました。経営陣の 1 人である CTO としては、きちんと意図して会社を成長させることがこれからの目標です。日本企業のみなさんにも、ソフトウェアの破壊力・威力を信じて生産性やクリエイティビティの向上に取り組み、私たちと一緒に頑張っていってもらえたらうれしいです」


カスタマープロフィール:グリー株式会社

● 代表取締役会長兼社長 田中 良和 氏
● 従業員数 1,589 人(グループ全体・2021年3月末現在)
● 事業内容 ゲーム事業、ライブエンターテインメント事業、メディア事業、広告事業、投資事業

実施施策

● プロダクトを効率的に開発するための環境整備
● ビジネスを理解し、会社のありかたを変えられる IT 人材の育成
● グリーの文化との親和性の高い IT 人材の採用


ご利用の主なサービス

Amazon EC2

Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) は、安全でサイズ変更可能なコンピューティング性能をクラウド内で提供するウェブサービスです。ウェブスケールのクラウドコンピューティングを開発者が簡単に利用できるよう設計されています。

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Amazon RDS

Amazon Relational Database Service (Amazon RDS) を使用すると、クラウド上のリレーショナルデータベースのセットアップ、オペレーション、スケールが簡単になります。

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Amazon Aurora

Amazon Aurora は、MySQL および PostgreSQL と互換性のあるクラウド向けのリレーショナルデータベースであり、従来のエンタープライズデータベースのパフォーマンスと可用性に加え、オープンソースデータベースのシンプルさとコスト効率性も兼ね備えています。

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Amazon DynamoDB

Amazon DynamoDB は、規模に関係なく数ミリ秒台のパフォーマンスを実現する、key-value およびドキュメントデータベースです。完全マネージド型マルチリージョン、マルチマスターで耐久性があるデータベースで、セキュリティ、バックアップおよび復元と、インターネット規模のアプリケーション用のメモリ内キャッシュが組み込まれています。

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