SAP on AWS でパフォーマンスを向上、コストを削減した Hudbay

カナダのトロントに本拠を置く Hudbay Minerals Inc. は、銅、亜鉛、およびその他の金属を 100 年近く採掘してきました。Hudbay は現在、米国のアリゾナ州とネバダ州でのプロジェクトに加えて、カナダのマニトバ州とペルーのアンデス地域で採掘事業を行っています。

Hudbay は、ミッションクリティカルな SAP エンタープライズリソースプランニング (ERP) セントラルコンポーネント (ECC) 環境を実行しており、数百人の従業員が財務機能、プラントメンテナンス、および資材管理に依存しています。Hudbay の Microsoft SQL Server ベースの SAP ECC 環境は、もともとペルーのリマにあるオンプレミスのデータセンターに収容されていたため、会社の管理と保守が困難でした。さらに、環境はレガシーハードウェアで実行されていたため、パフォーマンスとレイテンシーの問題が発生し、四半期ごとのビジネスレポートの作成が困難になりました。「四半期ごとの終わりに、レポートの時間になると、SAP を使用する人の数が増えたため、システムに多くのレイテンシーが発生しました」と、Hudbay の情報技術担当ディレクター、Jason Kozar 氏は言います。「例えば、コンピューターのキーストロークの一時停止があったときは、従業員がレポートを時間内に完了するのに本当に苦労しました。」

Hudbay は SAP の実装をアリゾナとオンタリオのオフィスに拡大した際、パフォーマンスの問題を解決する必要があることを確信しました。「場所に関係なく、全従業員が SAP ECC を高速化する必要がありました」と Kozar 氏は言います。「そのとき、クラウドに移行する必要があることに気づきました。」

パフォーマンスの課題を克服するために、Hudbay は SAP 環境を アマゾン ウェブ サービス (AWS) に移行することを選択しました。「既にいくつかの小規模な内部アプリケーションに AWS を使用していました」と Kozar 氏は言います。「AWS はクラウドサービス市場で成熟しており、私たちにぴったりでした。」

リフトアンドシフト移行アプローチを試みた後、Hudbay は SQL Server ベースの環境用にまったく新しい AWS 環境を作成することを決定しました。「現在の環境の地理的な位置が原因で、リフトアンドシフトが複雑になることはわかっていました」と Kozar 氏は言います。「AWS 環境を作成し、AWS で SAP ECC を再構築するのが最も理にかなっていました。」 Hudbay のクラウドベースの SAP ECC 6.0 環境は、Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) インスタンスで実行され、Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) を使用して SAP アプリケーションデータを保存します。

現在、ペルー、オンタリオ、アリゾナのリモートマイニングワーカーを含め、250 人以上の従業員が SAP ECC 6.0 を使用しています。「これにより、クラウド内に単一のグローバル SAP インスタンスが提供されます。これは、まさに私たちが必要としていたものです」と Kozar 氏は言います。新しい環境が本番環境に移行した直後に、Hudbay は最新バージョンの SAP ECC にアップグレードしました。

AWS で SAP ECC 6.0 を実行することにより、Hudbay はアプリケーションのパフォーマンスを向上させ、アプリケーションをより高速に実行できます。その結果、リモートの従業員は四半期ごとのレポートを時間どおりに完了することができるようになりました。「AWS で SAP 環境を実行することで、パフォーマンスが極端に低下したり、システムが定期的に停止したりすることはなくなりました」と Kozar 氏は言います。「その結果、四半期レポートをより迅速に配信できます。これは、ビジネスプロセスにとって重要です。」 Hudbay はまた、ネットワーク接続をギガビットでのインターネット速度にアップグレードしました。ネットワークをアップグレードすることで、同社は AWS Storage Gateway などのより多くの AWS のサービスを活用して、Hudbay データストレージテクノロジーへのより強力な接続を実現できます。

さらに、Hudbay は、計画されたビジネス拡大に対応するために必要なスケーラビリティを備えています。「AWS では、オンプレミス環境のようにスケーラビリティの制限がなくなりました」と Kozar 氏は言います。例えば、アリゾナで計画されている新しいマイニングプロジェクトは SAP ユーザーの 2 倍の量が必要になると予想されていますが、Hudbay はこれをサポートできます。「アリゾナプロジェクトはイノベーションセンターの 1 つだと考えています」と Kozar 氏は言います。「AWS を使用することで、その需要を満たすためのコンピューティングとストレージの容量を持っているのです。以前よりも最新のマイニングテクノロジーを利用できるため、イノベーションを推進するのに役立ちます。」

また、データセンターを維持したり、ハードウェアを調達およびプロビジョニングしたりする必要がなくなったため、Hudbay は SAP およびその他のアプリケーション環境を AWS で実行することにより、運用コストを約 10 万 USD 削減しました。

上場企業である Hudbay は、AWS の組み込みのセキュリティ機能を利用することで、業界の規制を満たし、アプリケーション環境を確実に保護しています。「SAP on AWS を実行すると、セキュリティ管理が簡素化します。例えば、内部および外部の監査人は、データセンターのセキュリティレポートと制御を手動で確認したり、ERP がロックダウンされた環境にあることを確認するために時間を費やしたりする必要がなくなりました。すべて AWS ソリューションに組み込まれているからです。」

Hudbay は、新しい SAP S4/HANA 環境を導入し、新しいデータ分析機能を開始する準備をしていますが、AWS で適切なテクノロジーを導入していることを確信しています。「鉱業セクターにおけるイノベーションは早くはありません」と Kozar 氏は言います。「これからも AWS を使い続けることで、イノベーションを加速させていきます。」