電子レシートを 1 枚発行するたびに発生する発行フィーと、
リテール様が電子レシートに広告を表示する際の配信フィーが当社のビジネスモデルです。
増え続けるトランザクションの中、安定性とレスポンスに優れた AWS が当社のビジネスを支えています。

米井 義人 氏 株式会社ログノート 取締役

電子レシートプラットフォーム『iReceipt』の開発・運営を手がける株式会社ログノート。2014 年のサービス開始以来、導入企業は大手量販店や大手コンビニチェーンに拡大し、現在は年間約 5 億枚の電子レシートを発行しています。今後の拡大を見据える中、サービス基盤をスケーラビリティーと高可用性を備えた AWS に移行し、2019 年 5 月より SaaS として運用を開始しました。現在、新たな基盤をベースに、小売事業者への拡大を目指すとともに、データレイクに蓄積したデータを活用したマーケティングサービスやライフログサービスの提供を検討しています。


プリペイド型電子決済サービス『Web-Money』の発案者で、株式会社ウェブマネーを創業した高津祐一氏が、2014 年に設立したログノート。現在、POS 連動型電子レシートプラットフォーム『iReceipt(アイレシート)』の運用を主力にビジネスを展開しています。「量販店やコンビニのレジで受け取る紙のレシートを見ると、そのほとんどがすぐに捨てられています。もしこのレシートをスマートフォンに保存して表示ができたら、紙の無駄をなくしたうえで、膨大な購買データを有効活動できるのではないかと考えてレシートの電子化を研究し、ログノートを設立しました。」と語るのは、代表取締役社長 CEO の高津祐一氏です。

2014 年 3 月のサービス提供開始当初は、カードゲームを販売する秋葉原のショップで実験的な稼働を実施。その後、群馬県高崎市を中心に店舗展開をするラーメンチェーン店にクラウド型レジとともに導入し、ポイントシステムと連動させました。2016 年 7 月には、大手総合ディスカウントストアが、全国規模の大手リテールとしては初めて『iReceipt』を全店舗に導入し、本格的な運用を開始しました。

大手総合ディスカウントストアでは、同グループのオリジナル電子マネーアプリに『iReceipt』の機能を搭載。購買者は電子マネーを使って買い物をすることで電子レシートを受け取ることができ、過去の購入履歴もアプリ上で確認することができます。電子レシートには購買情報をもとにした広告を表示することも可能です。

『iReceipt』のサービス基盤は、これまで自社のオンプレミス環境で運用し、事業の拡大に合わせてサーバーを拡張してきました。しかし、2018 年に総合ディスカウントストアがさらなる導入拡大を発表したことから、トランザクションの急激な増加が見込まれました。さらに 2018 年末に全国展開をする大手コンビニチェーンが決済アプリに電子レシート機能として『iReceipt』を導入・実装することが決まり、より大規模なサービス提供基盤を用意する必要に迫られていました。

取締役の米井義人氏は「今後想定されるトランザクション量を考えた時、それに耐えられるハードウェアを自前で調達して、運用を続けていくのは困難です。そこで、柔軟なリソース拡張が可能なクラウド環境にサービス基盤を移行することを決断しました。」と語ります。

クラウドサービスについては、国内外を含めて複数の事業者を検討した中から、最も自由度の高い AWS を採用しました。

「以前からデータベースの一部やバックアップ用途などで複数のクラウドサービスを利用してきましたが、サービス提供基盤に求められるのは、24 時間 365 日止まらずに稼働する安定性です。今回、負荷検証を実施した中で動作が最も安定し、さまざまな環境でレスポンスが早かったのが AWS でした。稼働実績が豊富で、ドキュメント類が充実していてスペックどおりの機能・性能が発揮されていることも採用の後押しになりました。」(米井氏)

新たなサービス提供基盤は、Amazon EC2、Amazon S3、Amazon EBS、AWS Lambda、Amazon Kinesis などで構成されています。

データベースはシステムとの相性やレスポンスを重視してスケーラブルでフルマネージドの Amazon DynamoDB を採用。

また、将来のデータ活用を見据えて、Amazon S3 を用いたデータレイクの仕組みも同時に構築し、AWS Glue や Amazon Elasticsearch Service を使ったデータ抽出や分析がいつでもできるようにしました。サービス統括部 システム開発グループの中村悌氏は「全体のアーキテクチャについては、AWS のソリューションアーキテクトや担当者に相談し、技術支援やアーキテクトレビューを受けながら構成していきました。導入後も AWS のビジネスサポートに加入し、定期的に技術相談を行っています。」と語ります。

サービス基盤の AWS への移行後、現在まで安定して稼働を続けています。今後運用が始まるリテール様も含めますと、今期(2020 年 9 月期)の電子レシート総発行枚数は 5 億枚を見込んでいます。AWS への移行により、オンプレミス環境と比較して障害監視における精神的な負担や管理負荷は大きく軽減されました。「オンプレミス環境ではサーバーやストレージの負荷対策に時間と手間が取られていました。

AWS に移行したことで運用継続に関わる作業が大幅になくなり、システム開発やアプリケーションの運用に、開発チームの人的リソースが集中できるようになりました。」(中村氏)


 

同社は今後もドラッグストア、ホームセンター、スーパーマーケットほかの流通業界全体に『iReceipt』を拡大し、マーケットリーダーとしてのポジションを確立していくことを目指しています。機能面でも、電子レシートと家計簿アプリとの連携、薬局・ドラッグストアのお薬手帳との連携、購入商品のカロリー管理との連携など、電子レシートの仕組みを活用した新たな付加価値の提供に向けて、研究・開発を進めています。

システム面では、同一リージョン内のアベイラビリティーゾーンによる冗長化だけでなく、複数リージョンを活用した冗長構成を検討しています。

ビジネス面では、今回構築したデータレイクを活用し、マーケティングサービスを提供していくことがこれからの目標です。米井氏は「電子レシートに記載されている購買データは、小売事業者様にとって貴重な情報で、さまざまな価値を生み出す可能性を秘めていますので、安全性やセキュリティに考慮しながら活用の方法を探っていきます。そのためにも『iReceipt』、電子レシートの一層の普及に努めていきます。」と話します。

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高津 祐一 氏

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米井 義人 氏

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中村 悌 氏


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