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日本初の「後払い決済」の与信審査システムに AWS を採用
マイクロサービス化により変化に強いプラットフォームを構築
Amazon SageMaker の活用で待ち時間ゼロの「即時与信」を実現

2021

Credit Tech(クレジットテック)のパイオニアとして、日本初の未回収リスク保証型の後払い決済サービスを提供する株式会社ネットプロテクションズ。同社は 2002 年から提供している BtoC 通販向け決済サービス『NP 後払い』の大規模アップデートに際し、サービス基盤およびデータ分析基盤をアマゾン ウェブ サービス(AWS)で構築しました。アーキテクチャを全面的に見直し、マイクロサービス化したことで、変化に強く、スケールが容易なプラットフォームへと進化。与信審査には Amazon SageMaker を採用し、作成した学習モデルの結果を審査に利用することで即時与信を実現しています。

AWS 導入事例  | 株式会社ネットプロテクションズ
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AWS へアーキテクチャを全面的に刷新したことで、これまで最長 1 時間かかっていた審査も 2 秒で終わり、即時与信が実現しました

相澤 雄大 氏
株式会社ネットプロテクションズ
ビジネスアーキテクトグループ 
シニア・アーキテクト

決済結果をリアルタイムに返す審査の導入を検討

“つぎのアタリマエをつくる”をミッションに掲げるネットプロテクションズ。BtoC 向けの『NP 後払い』を始め、企業間決済代行の『NP 掛け払い』、会員登録制の『atone(アトネ)』など、さまざまな後払い決済サービスを提供しています。中でも 2002 年 3 月に開始した『NP 後払い』は、年間ユニークユーザーが 1,450 万人に達し、年間流通金額は 2,900 億円、57,500 店舗以上の通販事業者が採用する国内最大級のサービスに成長しています(2019 年度実績)。

躍進の理由は性善説に基づく独自の与信審査にあります。初回の利用者であっても"まずは信用する"というポリシーで運用しているので、どのような方でも気軽に後払いで買い物を楽しむことができます。

『NP 後払い』は自動審査を基本としているものの、一部の決済では目視審査を加えることで高い与信精度を維持していました。結果として審査完了まで数時間のタイムラグが発生することになり、利用者の利便性低下や EC 事業者の販売機会の損失を招くことが課題となっていました。そこで同社は、高精度の与信モデルを維持したまま、リアルタイムに結果を返す審査システムを全刷新することで、『NP 後払い』のサービス基盤をアップデートすることにしました。

「今回のアーキテクチャ刷新の目的は利便性を高めること、巧妙化する不正利用を高い精度で排除すること、事業横断的に展開していくことの 3 つです」と語るのは、ビジネスアーキテクトグループ シニア・アーキテクトの相澤雄大氏です。

拡張性や処理性能の強化のためマイクロサービスアーキテクチャを採用

審査システムの構築に際し、同社は新たなインフラ基盤に AWS を採用しました。
「AWS を選択した理由は、当社の別のシステムで採用実績があり、AWS によるクラウド化が社内の共通認識となっていたことにあります。取引量の増加や繁忙期などに合わせて柔軟にリソースが増強できるスケーラビリティの高さと、24 時間 365 日の安定稼働を支える可用性の高さに加え、サービスラインアップが豊富なこともあり、将来の機能拡張を考慮するなら、AWS で統一するのがベストである判断しました」(相澤氏)

AWS の採用決定後、構想と検証フェーズを経て、2018 年 10 月からシステム構築に着手。パートナーには金融機関の与信審査業務のノウハウを持ち、AWS 上へのシステム構築に実績のある株式会社電通国際情報サービス(ISID)を採用しました。新システムのポイントは、アーキテクチャを刷新し、マイクロサービス化したことにあります。ISID 金融ソリューション事業部 DX ビジネスユニットの舩山徹雄氏は次のように語ります。
「従来のオンプレ環境のシステムは単一機能を積み重ねたモノリシックアーキテクチャで構成され、拡張性や処理性能の強化に課題がありました。そこで複数のサービスを連携させるマイクロサービスアーキテクチャを採用し、コンテナ化することでデータソースの拡張や、機能追加がしやすいシステムとしました。アーキテクチャはビジネス要件や非機能要件を含めて検討し、コンテナ管理の Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS)や、サーバーレスの Amazon DynamoDB、AWS Lambdaなどを使って構築しています」

新システムのもう 1 つのポイントは、機械学習プラットフォームに Amazon SageMaker を活用し、審査機能を強化していることです。機械学習は以前から利用していましたが、機械学習モデルや学習データが柔軟に変更できるようになり、与信審査が新たな不正利用傾向に速やかに対応できるようにしています。

機械学習の導入によって不正検知力と与信通過率が向上

AWS 上に構築した『NP 後払い』のサービス基盤は、2020 年 2 月より本格提供を開始しています。審査精度の向上によって人を介さない即時与信が実現し、これまで最短で 5 分、目視審査を加えた場合で最長 1 時間かかっていた審査が 2 秒程度で終わるようになりました。データサイエンスグループの澤田智希氏は「即時与信の存在は、加盟店様にとって重要です。審査 NG だった場合、後日メールにて決済方法の変更を購入者様にお願いする必要があり、そのまま購入をキャンセルことが多いです。同じ審査 NG であっても決済時にお伝えできれば購入に進んでいただける可能性は高まります」と語ります。

AWS への移行に伴い購入者の購買履歴、商品の送り先が空き家でないかなど、さまざまなデータを組み合わせた審査が可能になりました。これにより、不正取引検知力の向上と、与信通過率の向上の 2 つが同時に実現しています。今後は、これまですべての取引に対して一元的な対応をしていた支払や請求のフローを、購入者様ごとに最適化させていく予定です。「督促のタイミングや購入者様へのメッセージをお客様に合わせて変えていくことで、購入者様に今まで以上に寄り添ったサービスにできると考えています」と澤田氏は語ります。

システム面では、マイクロサービス化によって機能拡張や性能強化が容易になり、追加リリースの要請にも従来の 2 分の 1 の時間で対応可能になりました。属人的な運用管理もなくなり、運用工数は 2 分の 1 以下となっています。 

Amazon S3 でデータレイクを構築し内部・外部のデータを横断的に分析

今後については、今回導入した審査システムを、『NP 掛け払い』や『atone』などの既存サービスや新規構築サービスに横展開していくことを検討しています。

同社は現在、後払い決済サービスごとに管理していたデータを一元管理するための共通データ管理基盤( データレイク)を Amazon S3 を用いて構築中です。これまで扱ってきた 1.8 億件超の取引に含まれる商品明細情報、問い合わせ履歴、支払い履歴、購入・利用パターンといった内部データや、加盟店データ、パブリックデータなどの外部データを集約し、横断的に分析することで新たな示唆を得ていく構想です。
「データが蓄積すれば、ユーザー様の購入履歴をもとにお薦め商品をレコメンドしたり、最寄りの店舗情報をお知らせしたりすることが可能になります。私たちだからこそ持てる貴重なデータを分析しながら、ワクワクするような新サービスを展開していきます」(澤田氏)

後払い決済のトップランナーとして、常に成長を追求するネットプロテクションズは、誰でも簡単に、安心して利用できるサービスを目指して“つぎのアタリマエ”を創出していきます。

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相澤 雄大 氏

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澤田 智希 氏


カスタマープロフィール:株式会社ネットプロテクションズ

  • 設立年月日:2000 年 1 月
  • 資本金:1 億円
  • 従業員数:310 名(2020 年 4 月 1 日
    現在)
  • 事業内容:BtoC 通販向け決済『NP 後払い』、BtoC サービス向け決済『NP 後払い air』、BtoB 向け決済『NP 掛け払い』、BtoC 向け会員制決済『atone(アトネ)』、クレジットカード決済『NP カード』、台湾向け決済『AFTEE( アフティー)』、ポイントプログラム『NP ポイントクラブ』等の運営 

AWS 導入後の効果と今後の展開

  • 最長 1 時間かかっていた与信審査を 2 秒程度に短縮し、即時与信を実現
  • 即時与信によるスピーディーな商品出荷(対加盟店)
  • 販売機会損失の解消(対加盟店)
  • 購買意欲の低下防止(対ユーザー)
  • 不正取引検知力の向上
  • 与信通過率の向上

AWS コンサルティングパートナー

株式会社電通国際情報サービス

「HUMANOLOGY for the future~人とテクノロジーで、その先をつくる。~」をビジョンに、社会や企業のデジタルトランスフォーメーションを、確かな技術力と創造力で支援する ISID。2010 年 3 月にAWS 社とパートナーシップを締結して以来、AWS 上でのインフラ構築からシステム開発、パッケージ製品の提供など、300 社を超える実績を有している。

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