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キャッシュレス決済の普及に向け AWS のマイクロサービスアーキテクチャを活用し
3,300 万人* が利用する QR コード決済サービスを3 ヶ月でリリース

2021

2018 年 10 月のリリースから 2 年間で、登録ユーザー数が 3,300 万人以上*を突破した QR コードやバーコードなどを使って支払うスマホ決済サービス『PayPay』。開発・運営を担う PayPay株式会社は、サービスのインフラ基盤にアマゾン ウェブ サービス(AWS)を採用し、マイクロサービスアーキテクチャによって分散システムを構築しています。開発決定からリリースまでに要した期間はわずか 3 ヶ月。AWS の活用と、日本、インド、カナダなどから集まった多国籍メンバーによる開発体制により、ファーストローンチを実現しました。現在も『スーパーアプリ』への進化を目指し、サービスのアップデートを続けています。

PayPay株式会社 AWS 導入事例ムービー「AWSで実現したPayPayのサービス」(1:52)
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PayPay が目指すのは、人々の生活をもっと豊かに便利にするスーパーアプリです。多くのユーザーに便利に使っていただくためには、多くの企業やサービスの連携が重要になり、決済に関するすべての行動を支援するスーパーアプリの実現のためには、AWS のサービスが不可欠です

中山 一郎 氏
PayPay株式会社
代表取締役社長執行役員CEO

市場シェアの早期獲得を目指し 3 ヶ月でのファーストローンチ

ソフトバンク株式会社とヤフー株式会社の共同出資により、2018 年 6 月に設立された PayPay。インド最大の決済サービス事業者である Paytm(ペイティーエム)とサービス開発において技術連携し、2018 年 10 月に QR バーコード決済サービス『PayPay』をリリースしました。登録ユーザー数は 3,300 万人以上(2020 年 10月時点)。累計決済回数は 10 億回(2020 年 5 月時点)を突破しています。加盟店も増え続け、コンビニ、ドラッグストア、飲食店など全国 260 万カ所以上*にのぼります。

同社が『PayPay』のサービスプラットフォームに AWS を採用した背景には、開発からリリースまでの期間が非常に短かったことがあります。「他社のサービスが先行する中、わずかな遅れが市場シェアの獲得に大きな影響を及ぼします。早期のローンチを模索した結果、3 ヶ月でミニマムスタートが切れると判断しました」と語るのは、プロダクト本部 執行役員本部長の Aditya Mhatre 氏です。「短い期間でプロジェクトを進める中、AWS のソリューションアーキテクトからアーキテクチャについての的確なアドバイスも得ることができました。また、キャンペーンのタイミングで急増するトラフィックへの対応など、運用面でも尽力いただきました」

* 2020 年 10 月時点

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マイクロサービスアーキテクチャを採用し多国籍による 7 つのチーム体制で開発

クラウドサービスの選定では、複数を検討した中から AWS の採用を決定しました。決め手になったのは、技術提携していた Paytm で開発実績があったことです。プロダクト本部 テクノロジー 1 部 部長の山本啓介氏は次のように語ります。
「当初はオンプレミス環境を利用することも検討しました。しかし、時間と手間を要することもあり、俊敏性の高いクラウドに着目し、Paytm でノウハウのある AWS を採用することにしました」

その他にもビジネスの成長を見越したスケーラビリティ、高可用性、決済サービスに求められる PCI DSS 等のセキュリティへの対応を総合的に判断して決めたといいます。
短期間でのリリースを実現するため、アーキテクチャは独立性の高い小規模なサービスを組み合わせるマイクロサービスアーキテクチャを採用。サービス群の運用基盤には、Amazon EC2 上に導入したコンテナ管理ツールの Kubernetes を利用しています。プラットフォームは 60 以上のマイクロサービスで構成し、それぞれ独立したリソースで動作。マイクロサービス間は API や分散メッセージキューの Apache Kafka を介して非同期で連携しています。

顧客本人の確認情報は、クライアントサイド暗号化、サーバーサイド暗号化、ネットワーク制限、マネージドセキュリティサービスなどを活用してセキュアに保管しています。
開発は、東京、インド、カナダの 3 拠点をつなぎ、多国籍のエンジニアによるチーム体制を敷きました。短期開発を実現するために各チームが得意分野を担当し、複数サービスを見ながら進めました。

「コアとなる決済システムや残高管理システムはカナダチーム、銀行との連携や加盟店の管理画面などは日本チームと役割を分け、サービスを構成していきました」(山本氏)

ファーストローンチのプロジェクトは計画どおり 3 ヶ月で終了し、『PayPay』は無事船出を迎えることができました。Aditya 氏はプロジェクトの成功要因について、次のように分析しています。
「一番大切なことは目的を共通化したこと。二つめはコアタイムをコントロールしたこと、三つめは言語のバリアをクリアにしたことです。言語については通訳・翻訳専門チームにも参加してもらいました。各国の文化を理解し、仕事とプライベートのワークライフバランスにも配慮しました。チーム間のコミュニケーションを円滑にするため、週 1 回のミーティングで各チームの状況や達成度の共有、成果の表彰を実施しました」

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AWS の柔軟性、拡張性を活用し、急成長する中でも信頼される決済サービスを実現

『PayPay』のファーストローンチ後も AWS のアカウントチームやエンタープライズサポートを活用して新たなサービスを追加したり、マイクロサービスごとに機能を強化するなどアップデートを続けています。

「AWS のサポートチームにはキャンペーン当日に待機をお願いし、スケーリングに関する相談に乗っていただきました。普段もアーキテクチャに関するアドバイスや AWS の新サービスの情報をいただいています。エンジニアにとっても、日々アップデートされていく AWS を使った開発は、やりがいにつながっています」(山本氏)

現在のインフラ運用は約 10 名からなる SRE チームが担当し、サービスチームからのリクエストに応じています。コスト面では、リソースの使用量を可視化する AWS Cost Explorer を介して詳細に分析し、日々最適化しながら運用。マネージドサービスの活用も運用コストの軽減に貢献しています。
『PayPay』がスタートアップからユニコーン、デカコーンにまで成長していくうえで AWS の柔軟性、拡張性は必要不可欠であり、AWS があるからこそ付加価値の提供に開発リソースが集中できると Aditya 氏は語ります。
「私たちのライバルは他社の決済サービスではなく、“現金そのもの”です。現金ではできないことを提供し、社会を変えていくことが私たちの目的です。その実現には AWS のサービスが不可欠です」

人々の生活をより豊かにするため『PayPay』の『スーパーアプリ』化をスピード感を持って促進

今後は安定したサービスを提供するために AWS の大阪リージョンのフルリージョン化を期待しており、山本氏は「単なるバックアップでなく、東京と大阪をアクティブ=アクティブで使ってトラフィックを分散させながらスタビリティを確保していこうと思います。AWS にはアーキテクチャ設計を支援いただきたいです」と語ります。

ビジネス面では『PayPay』を決済に特化したサービスではなく『スーパーアプリ』として発展させ、さまざまな領域をカバーすることで人々の生活をより便利で豊かにすることを構想しています。

「『PayPay』が目指すのはキャッシュレスのプラットフォーム化です。そのためには、多くの人に使ってもらうことが重要で、例えば配車サービスと連携したり、資産管理サービスと連携したりというように、決済に関するすべてが支援できるアプリに発展させていく必要があります。さらに、『PayPay』がサービス企業との橋渡し役となり、ユーザーに対して役立つ価値が提供できる存在へとなっていきたいと思います」(Aditya 氏)

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中山 一郎 氏

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Aditya Mhatre 氏

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山本 啓介 氏


カスタマープロフィール:PayPay株式会社

  • 設立年月日: 2018 年 6 月 15 日
  • 事業内容: スマホ決済サービス『PayPay』の開発・運営

AWS 導入後の効果と今後の展開

  • 3 ヶ月のファーストローンチ
  • マイクロサービスアーキテクチャによる開発サイクルの短期化
  • AWS Cost Explorer を活用したコストの最適化
  • マネージドサービスの活用による運用コストの軽減
  • AWS の大阪リージョンを活用したアクティブ=アクティブ体制を検討
  • 『 スーパーアプリ』へと発展させ、キャッシュレスのプラットフォームへ

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