Public Good Software が、AWS AppSync を利用して読者からのリアルタイムの反応を促すことで、ニュースを有益なものに変えます。

Public Good Softwareは、ジャーナリスティックな記事と関連する慈善目的を一致させることにより、ニュースの実用化を目標とする主要なコーズマーケティングプラットフォームです。出版社のウェブサイトの記事に埋め込まれた同社のウィジェット「Impact Unit」は、そのようなマッチを識別し、読者を行動へとかき立てます。Public Good Software は非営利団体、メディアパートナーだけでなく、ソーシャルグッドキャンペーンに取り組む大手ブランドと協力しています。

メディアパートナーは、コンテンツ管理システム (CMS) のマスターテンプレートや AD サーバーにウィジェットを統合します。以前のバージョンの Impact Unit では、どの目的をどの記事とリンクさせるかの決定に必要なデータを取得するため、多数のサービスに API コールを行いました。API コールの数が非常に多いため、ウィジェット操作にレイテンシーが生じ、また、ウィジェットの分離コードの大きさが、一部のパブリッシャーにとって問題となりました。レイテンシーとコードサイズが同時に問題になったため、Public Good Software が既存客のニーズを満たしたり、新規顧客を獲得しにくくなっていました。「お客様からは、大勢のメディアパートナーを使った、より複雑で複合的なキャンペーンの依頼をいただきました。その要求に応えるためには、Impact Unitのパフォーマンスを向上させる必要があります」と Public Good Software 最高技術責任者の Michael Manley 氏は語ります。

「1 人のエンジニアが AWS AppSync サービスの作業を行い、1 か月もかからずに概念を実稼働に移行しました」。

– Public Good Software, Inc.、最高技術責任者、Michael S. Manley 氏

 

  • Public Good について
  • Public Good Software は主要コーズマーケティングプラットフォームを運用しています。このプラットフォームでは、コンテキストに沿い、パーソナライズされたレコメンデーションにより、メディア企業や目的を重視するブランドが、社会的大義を中心としたエンゲージメントやアクションを奨励できます。

  • 利点
    • API を改善し、1 か月以未満で本番稼働に移行
    • API を更新すると、カスタマーエクスペリエンスを向上させ、ページロード時間を短縮
    • 可変サイトトラフィックに合わせて、アプリケーションをシームレスに拡張
    • API コールを約 12 回から 1 ~ 2 回に減少
    • インフラストラクチャへの負担を軽減すれば、デベロッパーは API の改善に集中
  • 利用している AWS のサービス

1 か月未満で概念実証から本番稼働に

Public Good Software は、API 用オープンソースのクエリ言語である GraphQL での実験を計画しました。「GraphQL を正しく使えば、Impact Unit が自社のサービスにコールバックするのは 1 回か 2 回だけで済むことがわかりました。GraphQL を利用すれば、複数のサービスから少しずつデータをリクエストするのではなく、欲しいデータを正確に指定して一度だけリクエストすれば済むようになります」と Manley 氏は述べます。アマゾン ウェブ サービス (AWS) が GraphQL マネージドサービスである AWS AppSync を提供していることを知った Manley 氏のチームは、API コールの数を減らしてレイテンシー問題を解決できるのではないか、しかもインフラストラクチャを維持する必要がないのではないかと考えました。

Public Good Software チームは、月曜日の企画会議で AWS AppSync の使用について話し合い、同週の金曜日には概念実証の作成が既に終わっていました。演習の結果、チームはすぐに、HTTPS で行われる API コールの数を、およそ十数回からわずか 1、2 回に減らすことができました。しかも、別の API サーバーを維持しなくても、これを実現できます。Manley 氏は、3 か月かけて作業をして解決策を見つけるつもりだったので、これほど早く解決策を見つけられたのは嬉しい驚きでした。わずか 1 か月もしないうちに、チームは AWS AppSync を実装しました。

「当社にとって、製品化が最大の利点でした。AWS AppSync サービスに取り組む 1 人のエンジニアが、1 か月もかからずに概念を実稼働に移行しました。次に価値が高い利点は、可変トラフィックにあわせてサービスを拡張できることでした」と Manley 氏は言います。Public Good Software は、AWS AppSync を使用して自社の GraphQL API を提供すれば、自社のアプリケーションスタックに独自のプロバイダーを実装するよりも、経常費用と人件費を共に大幅に低コスト化できると推測しています。

クライアントからバックエンドへの呼び出しが少なくて済むため、AWS AppSync を使用すると、実用的なコンテンツを配信する際のレイテンシーが短縮されました。AWS AppSync と GraphQL の組み合わせにより、単一のネットワークリクエストによって複数のマイクロサービス間でデータを取得および集約できるようになりました。「AWS AppSync を活用すると、Impact Unit ウィジェットで、JavaScript ライブラリをスリム化して配信でき、コードサイズとレイテンシーを削減できました。つまり、顧客には複雑なキャンペーンでもエクスペリエンスを向上させて提供し、メディアパートナーにはページロード時間を短縮できました」と Manley 氏は語ります。

インフラストラクチャへの不安を払拭し、競争優位性に注目

Public Good Software は、技術コンピテンシーが市場での差別化につながらないのであれば、そのタスクを他に引き渡すべきという哲学に賛同しています。つまり、同社にとっては、機能を AWS 製品に委任するということになります。こうした懸念事項を AWS に移行することで、チームは API やその他のキープロジェクトに集中できます。Manley 氏は述べます。「チームにはエンジニアが 4 人しかいません。当社のような規模であれば、AWS が既に構築している 8、9 割のインフラストラクチャ機能を AWS に引き渡すことだけが理にかなっています。そうすると、Public Good Software ならではの 10 ~ 20 % の機能に時間を割くことができます」。

Public Good Software は、既存のマイクロサービスとクライアントアプリケーションの間のレイヤーとして機能できるクローズドソースおよびオープンソースの GraphQL プロバイダーを複数検討しました。しかし、プロビジョニング、ハードニング、スケーリングに必要とするアプリケーションサービスという形で、各プロバイダーに、運用上のオーバーヘッドが追加されました。GraphQL API の提供で大きな競争力ができることが Manley 氏にはわかっていますが、それをサポートするインフラストラクチャの運用・維持では競争力ははるかに劣ると Manley 氏は認識しています。「もし、その API のインフラストラクチャに対する運用責任を委ね、代わりに API の動作の調整にリソースを集中させることができれば、大きな勝利となります。だから、AWS のサービスを利用します。AWS AppSync はアプリケーションスタックに、これまでよりも高いレベルのスケーラブルなコモディティ機能を提供します」。

機械学習モデルの改善

Public Good Software は、これまでの実績に甘んじることなく、サービスの改善、差別化して、顧客に提供する方法を模索し続けています。デベロッパーやデータサイエンティストが機械学習モデルを迅速に構築、トレーニング、デプロイできるようにするサービスである Amazon SageMaker の利用方法を検討しているため、同社には機械学習の利用拡大の兆しがあります。目標は、機械学習と自動テキスト分析によって、ジャーナリスティックコンテンツと関連する目的とのマッチングプロセスの劇的な拡大を発見することです。「当社の仕事の大半は、ジャーナリスティックコンテンツと社会的な利益をマッチングする方法を見いだすことです。どんなコンテンツが実用的なのかどうすればわかるのでしょうか? どのような組織を見せ、どのような行動を提案すればいいのかどうすればわかるのでしょうか? どのようなソーシャルグッドキャンペーンがマッチするのでしょうか? Amazon SageMaker を使って、機械学習モデルのトレーニングを行い、そういった質問に回答できるようにします」と Manley 氏は言います。


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詳細については、aws.amazon.com/appsync をご覧ください。