オンプレミスのような制約が無く、解決したい課題に応じて迅速に対応できる事が多い点が魅力です。
システム全体の性能限界が上昇したことで、創業祭を実施した際も、2014 年の性能限界の 150% 増の Pageview を、2015 年には処理することが出来ており、性能限界による受注機会の損失を防ぐことができるようになりました。
並木 卓也 氏 ジュピターショップチャンネル株式会社 Eコマース部 グループ長

ジュピターショップチャンネル株式会社は、CATV 放送、衛星放送、インターネット、カタログ等の媒体を通して通信販売を展開する「ショップチャンネル」の運営を中心としたダイレクトマーケティング事業を行っています。魅力ある商品の買い付けから、放送、受注、配送まで自社で一元管理しており、テレビ放送により全国視聴者への商品訴求を行うことが出来る点が強みです。

E コマース部は、ジュピターショップチャンネル社の EC サイトの開発・運用を行う部門で、現在、開発者、運用担当者が AWS を利用しています。

ジュピターショップチャンネル社では、当初ベンダー所有のデータセンターでコロケーションを使って EC サイトを運用していました。創業祭などのイベントやセール実施の際に、大量の受注が発生します。

これに伴い、ピーク時に合わせたキャパシティーをオンプレミスで構築・稼働していたが、低負荷時の過剰コストや、ピーク時の負荷に耐えられないと言ったケースも発生しており、クラウド利用の検討を開始しました。

クラウドの検討にあたっては、創業祭の初日 0 時に最大のシステムピークが発生し、その負荷も年々増えていく中、その負荷に耐えられるシステムとすることと、通常時は負荷に応じたサーバリソースとすることで、TOCを低減することを念頭に比較を行いました。

特にジュピターショップチャンネル社ではコンテンツ配信の面での改善が急務であったことから、CDN サービスの検討が優先して行われました。比較検討にあたっては、当時利用していた CDN の仕組みに加え、他社のクラウドサービス、そして AWS でと比較を行いました。

ジュピターショップチャンネル社の Eコマース部 グループ長である並木氏は、「AWS の場合 CDN サービス自体のコスト削減が見込むことができただけでなく、オリジン側も AWS クラウドで統一することで高い拡張性が得られる点も高く評価しました。」と言います。

このコスト、スケーラビリティーの点が評価され、2015 年 4 月より AWS に移行するプロジェクトが開始され、2015 年 9 月には静的コンテンツ配信が AWS 上で開始となり、同年 10 月から EC サイトを AWS に移行、12 月には動画の保管・配信も AWS 上での稼働を開始しています。

AWS では、コンテンツ配信に Amazon CloudFront、Amazon Route53 を利用しており、不正なトラフィックを防ぐために、AWS WAF も利用しています。

アプリケーション用のインフラ構築にあたっては、AWS Elastic Beanstalk を使うことにより、インフラを即座に構築することができました。データベースには Amazon RDS、Amazon DynamoDB、Amazon Elasticache を利用し、ログ分析では、Amazon Redshift も活用しています。

jp_diagram_jupitor-shop-channnel_1024x589_v2

ジュピターショップチャンネル社における AWS 導入により、受注ピーク時もインフラの安定稼働が可能となりました。移行段階の現状でも、負荷の一部を AWS で処理することでオンプレミスのリソースにも余裕が生まれ、サイト全体としてのキャパシティが向上しています。「システム全体の性能限界が上昇したことで、創業祭を実施した際も、2014 年の性能限界の 150% 増の Pageview を、2015 年には処理することが出来ており、性能限界による受注機会の損失を防ぐことができるようになりました。」(並木氏)

また作業面においても、クラウドの移行により検証環境の整備や、リリース作業の時間を削減することができています。オンプレミスの場合、検証環境の整備に 1 週間近く必要でしたが、AWS CloudFormation を活用することで、同様の環境であればテンプレート化し、即座に環境を追加することができるだけでなく、作業負荷やミスを抑制することができるようになっています。「AWS では様々なサービスが存在し、機能追加・改善も日々行われています。また、オンプレミスのような制約が無く、解決したい課題に応じて迅速に対応できる事が多い点が魅力です。」(並木氏)

コスト面では、オンプレミスで必要となる HW/SW のファームウェアアップデート作業が減少し、キャパシティ増強に伴う機器増設にかかる初期コストを削減することができています。

EC サイトであるため、当然のことながら受注に係る機能やデータを保持するにあたって、受注機会の損失や情報漏洩はリスクとなるためセキュリティも重視する必要がありました。この点についても AWS WAF により、悪意のあるアクセスを IP 指定のアクセスブロックや、アプリケーションの脆弱性に対するルールを設定しブロックを行うことが、迅速に対応を実現しています。特に迅速な対応の面においては、バックエンドの製品やフレームワークの都合上、対応が困難な箇所でもAWS WAF を利用して防御ができる利点があります。また、コンテンツ配信に利用している Amazon CloudFront には、L3/L4 層の DDoS 防御が標準機能として組み込まれているため、特別な設定等は行わすに常時 DDoS 攻撃からサイトを守ることができます。

ジュピターショップチャンネル社では、2016 年 4 月にオンプレミスのアプリケーション機能の一部を AWS 上で API として稼働を開始しており、その他の各機能も現在 AWS へ移行しています。今後もオンプレミスからの移行を続けていき、その都度必要になるソリューションで AWS を利用していく予定です。

「AWS 未経験の場合は、着手しやすい部分から導入していくことで、AWS のサービスに慣れていくことができると思います。AWS では様々なサービスが存在するだけでなく、機能追加・改善も日々行われています。また、オンプレミスのような制約が無いため、解決したい課題に応じて迅速に対応できるため非常に助かっています。」(並木氏)

AWS クラウドが E コマースアプリケーションでどのように役立つかに関する詳細は、e コマースアプリケーションの詳細ページをご参照ください。