SunPower は AWS IoT Core を使用して顧客に太陽エネルギーのインサイトを提供

2020 年

再生可能エネルギーの会社である SunPower は、顧客が自分たちのエネルギー使用状況についてもっと関心を持ってもらいたいと考えていました。現代社会においてエネルギーは非常に重要な役割を果たしているにも関わらず、Accenture のアンケートによれば、顧客が公益事業会社と関わる時間は年間で 10 分に満たないと報告されています。この状況を変える試みの一環として、SunPower は、ソーラーパネルやバッテリーを顧客が所有する建物に設置し、エネルギーがどのように生成され、保存され、使用されているかを積極的に追跡して、エネルギー問題を身近なこととして捉えるように顧客に勧めています。 「太陽光発電は家を所有するほとんどすべてのアメリカ人にとって当然の選択ですが、アメリカの家庭で設置されているのはわずか 2 % 程度です」と、SunPower のソフトウェア部門バイスプレジデントである Jake Wachman 氏は言います。「太陽光発電をもっとわかりやすく、手が届くものにするために当社ができることをすれば、必然的に太陽光発電の普及が進むでしょう」。

顧客の関心を引きつけるため、SunPower は、顧客数 220,000 人超、使用されているデバイス数 300 万台超という大規模で不揃いなフリートから得られるデータを迅速に処理する手段を開発する必要がありました。レガシーのシステムでパフォーマンスの課題に直面したため、このエネルギー会社は Internet of Things (IoT) を使用したソリューションを設計していたAmazon Web Services (AWS) に最終的に目を向けました。ソリューションの中心となったのは AWS IoT Core です。これは、コネクテッドデバイスから、クラウドアプリケーションやその他のデバイスに簡単かつ安全に通信するためのマネージドクラウドサービスです。AWS IoT Core やその他の AWS マネージドサービスを使用して、SunPower はさまざまなタイプのハードウェアをスムーズにモニタリングプラットフォームに統合できました。これにより、効率的なワークフローを作成でき、データ管理の効率性が向上しました。

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AWS IoT Core のおかげで、MQTT などを使用して、最大限効率性のいいデータストリームを作成し、モバイル通信データ使用量を削減して、全体としてワイヤレスインターネットデータ使用量をかなり減らすことができました」。

Patrick Franz 氏
SunPower ソフトウェアエンジニアリング部門ディレクター

エネルギーについての人々の考え方を変える

SunPower は、自宅所有者が電力エクスペリエンスを制御できるようにすることで、エネルギーサービスと送電網の収益化を先導したいと考えています。このイニシアティブの一環として、SunPower の完全組み込み型バッテリーソリューションである SunVault Storage があります。従来はできなかった方法で、消費者が送電網を使用して太陽エネルギーを蓄電および交換できます。SunVault Storage は顧客がバッテリーからのデータをリアルタイムで確認し、経済的で太陽エネルギーを最大限使用できる方法でバッテリーを運用できるため、他にはない一連の課題がありました。「ライブデータから、自宅所有者にとって価値のある複数のインサイトが生み出され、電力使用量をよりよく制御できるようになると確信しています」と言うのは、SunPower のモニタリングプラットフォームの上級製品マネージャーである Miltos Vratimos 氏です。「これにより、蓄電システムを持つ自宅所有者はバッテリーや太陽光発電システムをより直接的かつ積極的に管理できるようになります。さらにもう 1 つ挙げれば、自宅所有者は自分の電力使用量と環境への影響について、より責任感を持つことにもなります」。

オンプレミスの Microsoft SQL Server セットアップに基づいたレガシーのモニタリングプラットフォームでは、次世代の製品に対応できないことに同社は気付きました。「デバイスはすべて現場にあるため、データを当社のプラットフォームに通信させる方法が大きな課題の 1 つでした」と、SunPower のソフトウェアエンジニアリング部門ディレクター、Patrick Franz 氏は言います。「多くの場合、デバイスは自宅所有者の既存のワイヤレスインターネットなどで通信できますが、それが使用できない場合はモバイル通信に切り替わります。そうなるとデータ処理が遅くなることがあります」。 SunPower は 2015 年から AWS のお客様であったため、AWS が持つ可能性を知っており、新しいモニタリングプラットフォームの構築に採用しました。

AWS 上のマネージド IoT への移行

SunPower は、AWS IoT Core なら、さまざまなタイプのハードウェアが膨大な量のデータを同社のクラウドプラットフォームに配信する方法を標準化できることに気付きました。「AWS IoT Core のおかげで、MQTT などを使用して、最大限効率性のいいデータストリームを作成し、モバイル通信データ使用量を削減して、全体としてワイヤレスインターネットデータ使用量をかなり減らすことができました」と、Franz 氏は言います。また、同社は AWS IoT Core のセキュリティ機能も大きな利点として挙げました。「認証や暗号化用の X.509 証明書の数は膨大です」と Franz 氏は言います。「当社が行うあらゆることに対してセキュリティ対策を講じました。AWS のおかげで今までよりとても簡単でした」。

AWS のマネージド環境とサーバーレス環境は SunPower にとってプラットフォームをスケールするための大きなメリットとなりました。AWS Lambda を使用してサーバーのプロビジョニングや管理をすることなくコードを実行できます。「AWS Lambda 関数のおかげで、デカップリングされた開発を多く行うことができました。需要に合わせてサイズアップも可能です」と Franz 氏は言います。「西海岸の日中のピークに必要とするコンピューティング性能が、夜間と比較してどれだけ必要かといった計算はまったく心配する必要がありません。AWS Lambda 関数が代わりに行います」。 Franz 氏はまた、AWS Lambda のさまざまなコーディング言語との互換性についても強調しています。「Python に強いチームや、Node.js や Java に強いチームがいれば、それぞれ好きな方法で機能を構築できます」と同氏は言います。「これはサーバーレス環境以外ではとても困難なことでしょう」。

SunPower のモニタリングプラットフォームのもう 1 つの要素は、規模に関係なく数ミリ秒台のパフォーマンスを実現する、key-value 型ドキュメントデータベースの Amazon DynamoDB です。「Amazon DynamoDB は多くのことに使用されています。とりあえず選択するサービスです」と Franz 氏は言います。「使い方はとてもシンプルで、パフォーマンスは良好です。データをすばやく取り込んで、後から構造化されたオペレーションを行うことができます」。

今や、SunPower は、新しい顧客やデバイスが現場に追加されるにつれて、システムを動的にスケールできます。「オンプレミスでこのようなことに対応しようとすれば、多くのサポートスタッフ、さらに多くの設計、さらに多くのアーキテクチャが必要でしょう。このようなことは、このデータをすべて取得し顧客に見せるという私たちの主目的から外れたものです」と Franz 氏は言います。「レガシーシステムの頃よりはるかに複雑なプラットフォームを、はるかに少ない DevOps リソースとエンジニアリングリソースで実行できます。多くのことを AWS に任せることができたためです」。

未来にパワーを与える革新的な方法を見出す

AWS IoT Core を AWS Lambda や Amazon DynamoDB と併せて使用することで、SunPower は膨大なデータを何百万台ものデバイスから収集し、重要なインサイトを顧客に提供できるようになりました。今後、SunPower は AWS のサービスを使用して「ライブ電力データ」と呼ばれるものを実現しようとしています。言わば顧客が自分のエネルギーデータをこれまで以上にすぐに確認できるパイプラインの作成です。

全体として、SunPower は AWS を、自宅所有者が太陽エネルギーに興味を持つようにするという同社の使命にふさわしい協力者と見ています。「自宅所有者の関心を引きつける最良の方法は、最上級のカスタマーエクスペリエンスを構築することです」と Vratimos 氏は言います。「SunPower のプラットフォームと IoT クラウドを通じて顧客がモニタリングするエクスペリエンスにより、自宅所有者は太陽光発電の節電と電力の生成について学ぶことになります。当社のアプリで自宅所有者は、エネルギーがソーラーパネルから屋根、電力網を通じてデバイスに行き渡る様子を知ることができます。IoT ベースの優れたエクスペリエンスを使用して、太陽光発電の多くの利点を示し、顧客の関心を引きつけることができます。そして顧客は、友人や家族に同じ経験を楽しむように教えます。新しくソーラーパネルを備えた屋根が登場するごとに、当社は世界に電力を送る方法を変えるという使命を果たしているのです」。

詳細については、https://aws.amazon.com/iot-core/ をご覧ください。


SunPower について

1985 年創立の SunPower は米国に基盤を置く太陽電力会社であり、太陽エネルギーソリューションを全国の家庭やビジネスオーナーに提供しています。

AWS の利点

  • 認証や暗号化用の X.509 証明書を使用できた
  • AWS のサーバーレス容量を使用してスケーラビリティを実現できた
  • さまざまなプログラミング言語との互換性を作ることができた
  • 220,000 人の太陽光発電の顧客がエネルギーの使用量を追跡して管理できた


利用している AWS のサービス

AWS IoT Core

AWS IoT Core は、コネクテッドデバイスから、クラウドアプリケーションやその他のデバイスに簡単かつ安全に通信するためのマネージドクラウドサービスです。

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AWS Lambda

AWS Lambda を使用することで、サーバーのプロビジョニングや管理をすることなく、コードを実行できます。料金は、コンピューティングに使用した時間に対してのみ発生します。

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Amazon DynamoDB

Amazon DynamoDB は、規模に関係なく数ミリ秒台のパフォーマンスを実現する、key-value およびドキュメントデータベースです。

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開始方法

あらゆる業界のさまざまな規模の企業が、AWS を活用してビジネスを日々変革しています。AWS のエキスパートにお問い合わせのうえ、今すぐ AWS クラウドジャーニーを開始しましょう。