東京海上日動、通信機能付きドライブレコーダーを活用したサービス基盤に AWS を採用。累計 24,000 件の事故と約 3,300 件の救急要請* に対応し、お客様の安全・安心をサポート
お客様の大切な命を守るドライブレコーダー付き自動車保険『ドライブエージェント パーソナル』にとって、システムの安定稼働を支える AWS は欠かせない存在です"
早川 徹 氏
東京海上日動火災保険株式会社
個人商品業務部 自動車グループ
衝撃を検知すると自動で通報
通信型ドライブレコーダー付き自動車保険
お客様の期待に応えて
2 カメラ一体型をリリース
DAP は、今までの自動車保険にない「事故前・事故直後において、お客様に安心・安全を提供したい」という同社の想いの下、IoT デバイスから事故自動通知と安全運転支援を行える革新的なサービスとして発売されました。当初は前方 1 カメラ型のみでしたが、お客様からの要望を受けて 2018 年頃から 2 カメラ一体型の検討を開始し、2021 年 4 月にリリースしました。
「検討当時、あおり運転が社会問題化し、ドライブレコーダーの需要が高まっていた中で、市販のドライブレコーダーも複数のカメラを備えた製品が主流になっていました。DAPも2カメラ型を発売してほしいというお客様からの声を多くいただいていたため、約2年の開発期間をかけて2 カメラ一体型をリリースしました」(早川氏)
2 カメラ一体型のシステム開発に際し、プラットフォームには AWS を採用しました。同社は 2013 年頃から AWS の利用を開始し、全社方針として基幹業務やサービス基盤に AWS を活用する戦略としていました。IT企画部企画グループの新田光氏は次のように語ります。
「金融機関としてガバナンスの強化が求められる中、AWSは、安全対策基準を満たすための解説書やドキュメント類が充実しており、金融庁の指針に則したシステムを構築しやすいことが AWS を採用した大きな理由の一つです。お客様の命を預かるサービス基盤としても、セキュリティ面も含めAWS であれば安心感があります。継続的な値下げによるコストパフォーマンスの高さ、サービスの提供スピードなども評価しました」
システムは、Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS)を活用したスケーラビリティの高いアーキテクチャとし、機能群はマイクロサービス化してAmazon Simple Notification Service (Amazon SNS) / Amazon Simple Queue Service (Amazon SQS)で連携。外部のサービスともAPIによる疎結合で連携しています。
「安全性が求められる緊急通報の機能との連携は、AWS Direct Connectを活用して性能を確保しています。大量データをやり取りするデータ分析基盤との連携は、ETLツールの AWS Glue を活用して処理時間の短縮を図りました」(新田氏)
自動車保険の付加価値を高める
必要不可欠なサービスに
約 3,300 件の緊急要請に対応した実績を持つ DAP は、同社の自動車保険の付加価値を高めるサービスになっています。
「お客様からは、事故の際に速やか救急要請でき、到着するまで声をかけ続けてもらえて助かったといった声が届いています」(早川氏)
事故発生時以外でも、DAP の各種サービスであおり運転等のトラブル発生時に活用できたり、事故の頻度が減ったり、事故解決の日数が短縮できたりと、さまざまなメリットをお客様にもたらしています。
DAP で取得した各種データは、AWS 上に構築した自社保有のデータ分析基盤上で分析し、AI を活用した事故状況再現システムによる事故の責任割合の自動算出や、商品開発の用途などにも活用しています。
「走行データや映像データを蓄積し、一度に数億、数十億のデータを処理するような要件に、AWSの基盤が持つ高いスケーラビリティはよく適合していると考えています。お客様への価値提供の精度を高めるうえでも、重要な役割を担っています」(新田氏)東京海上日動は、今後も DAP のお客様の声に耳を傾けながら、新たな機能を随時追加していく計画です。「サービスの進化とお客様数の増加によって、DAP の基盤負荷はより高まっていくことが予想されます。AWS には引き続き、安定稼働に向けた支援を期待しています」(早川氏)