お客様事例/小売業

2024 年
地域商社とっとり

地域商社とっとり、AWS を活用して生産者とバイヤーのマッチングシステムを構築

鳥取県産の農水産物・食品加工品の提案活動を効率化

商品情報をマッチングサイトに集約して商談を効率化

農産物の生育や出荷状況をリアルタイムに確認

サーバーレス環境により管理 / 保守作業が不要

概要

鳥取県の豊かな土地と海から生まれる農水産物や、それらを使って地元のメーカーが加工した品を、県域外に届けることをミッションとする地域商社とっとり。さまざまな商品に関する情報を買い手である流通事業者へと伝える手段には手作業が多く、課題を感じていた同社は、アマゾン ウェブ サービス(AWS)上に商品マッチングサイトを立ち上げました。多様なニーズに応えるため検索方法などの使い勝手にこだわり、リアルタイムの情報発信、効率的な提案活動に取り組んでいます。

株式会社地域商社とっとり

ビジネスの課題 | 最新の農水産物情報をバイヤーに届けたい

日本海に面し、豊かな自然に囲まれた鳥取県は、魅力的な農水産物や加工品を多く生産しています。同県で活動する「株式会社地域商社とっとり」は、地域の生産者や食品加工業者など、多くの人々が持つ思いを大切にし、それをさらに広め、次の世代にもつなげていくことを目指し、官民が連携して 2017 年に設立されました。地域の生産者・メーカーの販路拡大や個別商談の支援、共同物流体制の構築、そして新商品開発や既存商品の改善などの活動を積極的に行っています。

これまで多様な商材の情報は、紙の資料や生産者からのメール、個別の表や文書のファイルなどに分散し、整理ができていなかったため、買い手である県外の流通事業者に提案する際には、手作業で情報整理を行わなければなりませんでした。

「商談ごとに、商品情報を紙の書類にまとめて提案していました。しかし商品が増えると資料も煩雑になります。また提案をする中で取引先企業からは、年間通しての出荷の規模や農産物の生育状況など、さまざまな質問をいただきます。実際の商談は対面で行うとしても、その前に出荷の規模や数量予測、リアルタイムの生育状況などの情報をデジタルで共有できないかと考えました」と語るのは、地域商社とっとり 取締役で戦略企画部 部長の薮内幸二氏です。

そこで同社は、生産者が提供する商品情報とバイヤーをつなぐ情報共有システムの開発に乗り出しました。商品情報をデジタルデータで整理して、タブレットやパソコンなどを通じてバイヤーに紹介するマッチングサイトを作り、商談に活かそうと考えたのです。そこで以前、スマート農業のプロジェクトに一緒に取り組み、信頼関係を築いていた AWS パートナー企業の株式会社バードワークスに、コストを抑えてマッチングサイトを実現する方法について相談を持ちかけました。バードワークスはこの要件に対して、固定費がかかるオンプレミス環境ではなく、稼働した分だけ料金が発生し、高い負荷にも耐えられ、リモート保守が可能な AWS 環境でのシステム構築を提案。この提案が受け入れられ、2022 年の春頃から開発プロジェクトが始まりました。

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農水産物や加工品の最新情報を AWS 上のマッチングサイトに集約し、バイヤーの方々に見ていただける環境を用意しました。多くの商品を一度に提案できますし、皆様の好きな時間に見ていただけます”

薮内 幸二 氏
株式会社地域商社とっとり 取締役 戦略企画部 部長

ソリューション | ユーザーごとの使い勝手や保守のしやすさを重視

バードワークスは、商品マッチングサイトの運用コスト抑制と、可用性を担保するためにサーバーレスアーキテクチャを採用しました。サーバーレスコンピューティングサービスの AWS Lambda を活用し、ウェブサイトは Web アプリケーション開発のフレームワークである AWS Amplify を使って構築したほか、ユーザー認証には Amazon Cognito を採用。このほか、コンテンツ配信ネットワークの Amazon CloudFront やウェブアプリケーションファイアウォールの AWS WAF によって可用性・堅牢性を担保しています。

このシステムのユーザーには、管理者である地域商社とっとりの関係者と、商品を登録する生産者、顧客であるバイヤーの 3 種類が想定されています。使い勝手やセキュリティ面を考え、ユーザー種類別にフロントエンド環境を分離して設計しました。データベース部分など、バックエンドについては共通化し、データの重複管理などの手間をなくすなど、保守性についても配慮しています。

生産者はサイトにログインして、自分たちが生産する商品の内容や商品の写真、品質や等級、出荷時期、生産量、生育情報などを登録します。地域商社とっとりのメンバーは、登録された情報を確認し、バイヤー向けに公開します。なお、商品写真については、マッチングサイトでの表示だけでなく、店頭販売時に使う POP やチラシ、ポスター用に高解像度のデータも保管できるようにしています。

登録される情報は多岐にわたり、バイヤーの需要もさまざまなため、目当ての商品を見つけるための検索機能の充実も図っています。データベースについては柔軟な検索に応えられるよう、サーバーレスのサービスでなく Amazon RDS for PostgreSQL を採用しました。

「生産者とバイヤーの方々それぞれが簡単に使えるユーザーインターフェースを目指しました。社内にも農業出身者がいますので、使い勝手などの評価を依頼しました。また、当初は農産物のみですが、今後は水産物や精肉、加工品などさまざまな層の商品を網羅していきたいと考えており、情報量が多くなるため検索性も重視しました」(薮内氏)

導入効果 | 商品情報の集約により、提案活動が効率化

商品マッチングサイトは 2023 年の 4 月から稼働を開始し、現在は生産者から商品情報を徐々に集めている段階です。地域商社とっとりのメンバーも、商品登録作業を支援しています。その成果について薮内氏は「これまで、バイヤーに提案する際は、紙の資料での案内や、個別の電話、メール、メッセージでやりとりしていました。ウェブサイトに情報が集約されていると、多くの商品を一度に提案できますし、皆様の好きな時間に見ていただけます。営業担当の社員からも、早く提案活動に役立てたいとの声があがっています」と語ります。

プロジェクトの進行中、薮内氏とバードワークスの担当者は 2 週間に 1 回程度の定例会を通じて、進捗状況やお互いの課題の確認をしていきました。バードワークスの提案や技術力、そして AWS が提供するサービスについて薮内氏は、「打ち合わせでの技術に関する説明や、各種機能を開発した後のフォローなど、非常にきめ細やかに対応いただき、安心してこのプロジェクトに取り組めました。サイトも安定して稼働していますので、安心感があります。自分たちで機器を管理しなくて良いのもメリットと感じています」と評価しています。

地域商社とっとりでは今後、商品マッチングサイトへの登録商品の情報集約と、バイヤーへの提案活動を行っていくかたわら、サイトが持つ機能も充実させていく方針です。まずマッチング相手をバイヤーなど流通事業者だけでなく、素材を加工して商品を作る加工事業者にも広めていきます。一次産業(農業、漁業など)、二次産業(製造業)、そして三次産業(サービス業)を融合して新たな価値を創出する六次産業化を目指しているのです。また、サイトの利用によって蓄積されるデータを、事業の成長に役立てる構想もあります。

鳥取県に新たな付加価値を提供するために、地元の産業や自治体の協力と期待のもと生まれた地域商社とっとり。同社のように、商品マッチングサイトを作って営業活動をしている地域商社はまだ少数だといいます。薮内氏は今後の展望について、次のように語っています。「マッチングの成約データを蓄積していけば、商品ごとに求めるバイヤーの傾向を分析して、先回りした提案活用に役立てるようになるはずです。また、当社が最も事業的に注力している分野は物流であり、産地直送による新鮮かつ低コストの販売を強化しています。情報と物流の効率化によって、鳥取の農水産物や加工品の販売をさらに拡大し、全国で高い評価を得られるようにしていきたいと考えています」

企業概要 : 株式会社地域商社とっとり

2017 年に地元の山陰合同銀行を中心とし、鳥取銀行、鳥取信用金庫などの金融機関、鳥取市、岩美町、若桜町、智頭町、八頭町といった行政、ほか地域の新聞社やテレビ局などの出資を受けて設立。「地域の事業者や生産者のサポートを通じて地域の課題解決に貢献し、新たな付加価値を提供する事業創造型地域商社」という経営理念のもと、鳥取県内で生産される食料品や地元メーカーの加工食品の流通を手がけている。

薮内 幸二 氏

薮内 幸二 氏


AWS セレクトティア サービスパートナー

株式会社バードワークス

「テクノロジーで人と社会の未来をつくる」をミッションに、システムインテグレーションを基盤とした事業を展開。専門性と技術力を評価されるプロフェッショナル集団として、クラウド事業においても柔軟でセキュアなソリューションを提供。顧客の課題に真摯に寄り添い、豊富な知識と経験を元に潜在的なニーズにまでアプローチする事で、ビジネスの成長をサポートしている。

株式会社バードワークス

ご利用中の主なサービス

AWS Amplify

Amplify には、AWS でフルスタックのウェブアプリやモバイルアプリを構築するために必要なものがすべて揃っています。

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Amazon RDS for PostgreSQL

Amazon RDS for PostgreSQL では、使い慣れた PostgreSQL データベースエンジンと同じ機能を使用できます。つまり、既存のデータベースで現在既に使用しているコード、アプリケーション、およびツールを Amazon RDS で使用できます。

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Amazon Cognito

Amazon Cognito を使用すると、ユーザーのサインアップおよびサインイン機能を追加し、ウェブおよびモバイルアプリケーションへのアクセスを制御できます。

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AWS Lambda

AWS Lambda は、サーバーレスでイベント駆動型のコンピューティングサービスであり、サーバーのプロビジョニングや管理をすることなく、事実上あらゆるタイプのアプリケーションやバックエンドサービスのコードを実行することができます。

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