お客様事例/ビジュアルコミュニケーションツールの企画・開発・販売・運用・保守

2023 年
株式会社ブイキューブ

ブイキューブが、Web セミナーサービスの映像配信・アンケート受信基 盤に AWS を採用。需要拡大に対応するとともにサービス品質も向上

サービス障害ゼロ

50,000 人 → 200,000 人

ライブ中継同時接続数の上限を拡張

500 件 / 秒 → 10,000 件 / 秒

アンケート処理のキャパシティ拡大

稼働状況の詳細な可視化が可能に

安定稼働により営業機会を拡大

概要

映像配信やビデオ会議など、ビジュアルコミュニケーションサービスの提供により、さまざまな社会課題の解決を目指す株式会社ブイキューブ。右肩上がりに利用者を増やしている Web セミナーや研修向けのサービス『V-CUBE セミナー』は、従来の基盤では配信キャパシティの課題に直面していました。そこで、アマゾン ウェブ サービス(AWS)のマネージドサービスを活用し、安定稼働できる基盤を構築。サービス品質の向上を実現しました。

株式会社ブイキューブ

ビジネスの課題 | 映像配信基盤のサービス品質と拡張性が課題に

離れた場所同士で、映像や音声を含むマルチメディアコンテンツを伝達可能にするビジュアルコミュニケーションによって、社会を担うすべての人が機会を平等に得られる社会の実現を目指すブイキューブ。近年需要の高まっているオンラインイベントや Web 会議、テレワークブース、遠隔業務支援など、インターネットを基盤とした映像配信技術やサービスを、早い時期から提供してきました。2012 年ごろからは、それまでオンプレミス環境にあった同社システムを順次クラウドにシフトしてきました。

従来の『V-CUBE セミナー』の映像配信の基盤は、あるベンダーのサービスを利用していました。しかし、この基盤では、頻繁に障害やメンテナンスが発生し、安定したサービスの提供を脅かすものでした。しかも、同時に視聴できる人数の拡張ができないなど、顧客のリクエストに応えられない課題もありました。

「当然ですが、障害はお客様にご迷惑をおかけします。従来のサービスは、障害に対処するにも日本語の情報が少なく、日本法人からのサポートも期待できない状況でした。どうにかしなければと考え、AWS への全面移行を決断しました。AWS はコミュニティが活発で情報も非常に多いことが魅力的でした」と語るのは取締役 CTO の亀﨑洋介氏です。

同社が映像配信の基盤として AWS の検討を開始したのは 2017 年にデジタル動画ワークフローのためのサービス AWS Media Services が登場してからです。セミナー開発グループの松嶋敏氏は「検討にあたって、AWS Media Services をテストしてみたところ、サービス品質が高く、これまでの課題が解決できると感じました」と当時を振り返ります。

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従来の映像配信基盤では運用上での安定性に不安な部分もありましたが、AWS へ移行してからは稼働率 100 %で、1 度も停止していません”

亀﨑 洋介 氏
株式会社ブイキューブ 取締役 CTO

ソリューション | AWS への移行で映像配信基盤とアンケート受信基盤のキャパシティを大きく拡大

『V-CUBE セミナー』の映像配信基盤を AWS Media Services に移すにあたってブイキューブが求めた要件は、DR(災害復旧)のための東京と他リージョンとのマルチリージョン対応です。セミナー開発グループ 岩上蘭氏は「安定稼働や配信キャパシティ向上は、高いレベルのチューニングが必要です。冗長配信も AZ 対応でなく、マルチリージョン対応が必要で、また企業などネットワーク要件の厳しい環境からの利用が多いため IP アドレス固定などの要件に対応しました」

松嶋氏は「動画処理サービスの AWS Elemental MediaLive は、設定するパラメーターが多く調査に時間がかかりましたが、AWS の担当者からのさまざまな支援により無事課題を解決できました」と述べます。こうして 2019 年 5 月には、映像配信基盤の AWS への移行が完了しました。同時接続数はそれまでの上限 50,000 人から 200,000 人まで向上しました。

2020 年春以降のコロナ禍によって、『V-CUBE セミナー』の需要はさらに高まりました。そこで新たな課題が生じます。映像配信だけでなく、アンケートなどでの双方向コミュニケーションが『V-CUBE セミナー』の特長ですが、双方向コミュニケーションでは即時性が重要なのにもかかわらず、短時間に多くのアクセスが集中することで処理の完了まで時間を要するようになりました。「セミナーの参加者が多くても、アンケートに回答できる数に制限を設ける必要があり、歯がゆい思いをしました」(岩上氏)

セミナー開発グループでは、アンケートのシステム基盤も AWS へ移行し、課題解消を目指します。2021 年 3 月、アンケート基盤は、AWS LambdaAmazon DynamoDB などのマネージドサービスをフル活用し、大幅な処理能力の向上を実現。従来のアンケート基盤では、秒間 500 件の処理だったものが、1 万件と飛躍的に向上しました。

セミナー開発グループでは、引き続きキャパシティ拡大や安定稼働のために、さまざまな指標を可視化する取り組みも行っています。岩上氏は「サービス改善のためのデータを取得しやすいのも AWS の利点です。以前の環境では得られるデータも少なく、取得方法も難しかったのです」と述べました。

アーキテクチャ

アーキテクチャ

導入効果 | サービス品質の向上、トラブルの低減で営業も自信をもって販売が可能に

AWS サービスの活用で、『V-CUBE セミナー』のサービス品質は大きく向上しました。亀﨑氏は「従来の映像配信基盤ではお客様にご迷惑をおかけすることもありましたが、AWS へ移行してからは稼働率 100 % で、1 度も停止していません。AWS の担当者と緊密に連携し、設計をしているので、安定運用ができています」と効果を語ります。

品質の向上は、営業活動にも良い効果を与えました。「以前の環境では、せっかく販売してもお客様にご迷惑をおかけすることがあるので、営業担当が萎縮していました。今はそんなことはなく、『もっとキャパシティを上げてほしい』とまで言われます。安心感を得て前向きに活動できるようになっています」(亀﨑氏)

セミナー開発グループの楊相允氏は「障害対応に多くの労力が必要でしたが、それが不要になり、生産性が上がりました。個人としてもチームとしても大きいのはストレスなく、熟睡できるようになりました」と語ります。また、従来は、品質管理部門が毎月障害の原因を分析し、その対策を経営陣も報告していましたが、今では四半期に 1 度、簡単な振り返りをするだけになりました。

AWS のサービスやサポートの評価について岩上氏は「AWS には、インフラ提供だけでなく、私たちのサービスや組織全体を成長に導く伴走力の高さがあります。設計のレビューでもベストプラクティスを教えていただき、私たちの現在位置から新たなゴールを提案するなど、一緒に成長している感覚を強く覚えます。同じマネージドサービスでも質が違って、仕事をする上でワクワクします」と語ります。2012 年に基本設計された『V-CUBE セミナー』は、今後一層マネージドサービスを活用し、よりモダンなアーキテクチャに改善する予定です。楊氏は「AWS Cloud Development Kit に興味があり、勉強会にも参加しています。これからインフラのコード化による資産管理をしていきたいと思っています」と述べます。

映像コミュニケーションによって社会課題の解決を目指すブイキューブには、顧客からも大きな期待が寄せられています。亀﨑氏は今後の展望について次のように語ります。「必要な機能がまだ大阪になく(2022 年11 月取材時点)、現在は DR 構成のために海外のリージョンを使っていますが、国内のサービスを希望されるお客様もいらっしゃいますので、大阪リージョンの拡張を強く希望しています。会社としては『V-CUBE セミナー』だけでなく、さまざまな新しい分野にも挑戦したいと考えていますので、エンジニアがこれまでのスキルセットを活かして新たな分野に参入できる仕組みや機会を作っていただけるとありがたいです」

カスタマープロフィール: 株式会社ブイキューブ

「Even な社会の実現」というミッションを掲げ、「いつでも」「どこでも」コミュニケーションが取れる環境を整備することで、時間や距離の制約によって起こるさまざまな機会の不平等の解消に取り組む株式会社ブイキューブ。ビジュアルコミュニケーションによって、人と人が会うコミュニケーションの時間と距離を縮め、少子高齢化社会、長時間労働、教育や医療格差などの社会課題を解決し、すべての人が機会を平等に得られる社会の実現を目指している

亀﨑 洋介 氏

亀﨑 洋介 氏

岩上 蘭 氏

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楊 相允 氏

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松嶋 敏 氏

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