AWS Backupでは、使用するバックアップストレージ、AWS リージョン間で転送されるバックアップデータ、リストアするバックアップデータ、バックアップの評価に対してのみ支払いが発生します。最低料金および初期費用は発生しません。
GB-月: 1 か月あたりの平均バックアップストレージ使用量 (ギガバイト) の測定単位
バックアップストレージの料金
AWS Backup ストレージの料金は、バックアップデータが消費するストレージ領域の量に基づきます。1 か月に請求されるストレージの量は、月全体を通じて使用される平均ストレージ領域に基づきます (GB-月で課金されます)。
* コールドストレージは現在、Amazon EFS、 Amazon DynamoDB、Amazon Timestream、SAP HANA on EC2、および VMware Backup のバックアップのみをサポートしています。
** DynamoDB のコールドストレージのバックアップは、DynamoDB のアドバンスト機能にオプトインした場合のみ利用可能です。
*** 128 KB 未満の S3 オブジェクトの場合、128 KB のバックアップとしてバックアップの料金が設定されます。S3 バックアップの GB/ 月単位の料金に加え、S3 オブジェクトへの GET リクエストにも課金されます。
^ オンプレミスの VMware、VMware CloudTM on AWS、VMware on AWS Outposts を含みます。
コールドストレージに移行したバックアップは、最低 90 日間保持する必要があります。90 日間が経過する前にバックアップが削除された場合、残りのストレージ料金が日割りで請求されます。
EFS、S3、VMware、SAP HANA on EC2、および Amazon Timestream のバックアップは、GB 時間単位ではなく、GB-日単位で課金されます。これは、これらのリソースのバックアップストレージが 1 日単位で課金されることを意味します。
復元の料金
ある月に課金される復元の量は、該当月に復元されたデータの量に基づきます。 ある月に復元されたデータ量は GB 単位で測定され、これは該当月に実行された復元すべてにおけるデータ量の合計を表します。
* AWS Storage Gateway の AWS Backup サポートは現在 AWS アジアパシフィック (大阪) リージョンでは利用できません。
** コールドストレージは現在、Amazon EFS、 Amazon DynamoDB、Amazon Timestream、SAP HANA on EC2、および VMware Backup のバックアップのみをサポートしています。
*** DynamoDB のコールドストレージの復元は、DynamoDB のアドバンスト機能をオプトインした場合にのみ利用できます。
^ サポートされる復元ターゲットは、オンプレミスの VMware、VMware Cloud TM on AWS、VMware on AWS Outposts です。ソースの AWS リージョンからオンプレミスのゲートウェイ、またはリージョンのゲートウェイにデータを復元する場合、前述のデータ復元料金に加えて、標準的な AWS データ転送 (アウト) の料金を支払います。
† 現在、Item-level restore はご利用いただけません。
†† S3 URI がわかっていれば、個々の S3 オブジェクトを復元できます。
クロスリージョンのデータ転送の料金
月に請求されるクロスリージョンの量は、1 つの AWS アカウント内、または 2 つの AWS アカウントにまたがって 2 つのリージョン間で転送されるデータ量です。データ転送料金は、AWS リージョン外へのデータ転送時のみ発生し、同一 AWS リージョン内の転送は無料です。データ転送料金は、データを転送する AWS アカウントに課金されます。バックアップストレージの料金は、データを受け取る AWS アカウントに請求されます。
Amazon Relational Database Services (RDS)、Amazon Aurora、Amazon Neptune、Amazon DocumentDB (MongoDB 互換) は、クロスリージョンバックアップとクロスアカウントバックアップをサポートしていますが、同じバックアッププランで両方を行うことはできません。
* AWS Storage Gateway の AWS Backup サポートは現在 AWS アジアパシフィック (大阪) リージョンでは利用できません。
** Amazon DocumentDB (MongoDB 互換)、Amazon Neptune は、サービスが利用可能な AWS リージョンにのみコピーできます。
AWS Backup Audit Manager の料金
AWS Backup Audit Manager は、事前に定義されたカスタマイズ可能なコントロールをお客様に提供し、お客様のバックアップ使用が定義されたポリシーに準拠していることを確認します。AWS Backup Audit Manager の料金は、バックアップの評価に対する料金と、AWS Config で記録された設定項目に対する料金の 2 つの要素に基づいています。AWS Backup Audit Manager では、実際に使用した分のみお支払いいただき、最低利用料金や前払いの義務はありません。
料金の例
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例 1: All-in
Amazon EFS バックアップが米国東部 (バージニア北部) リージョンに保存されるとします。月の 15 日間で Amazon EFS バックアップストレージを 400 GB 使用し、その月の別の 15 日間で 800 GB を使用したとします。月末の時点で、バックアップストレージ使用量 (GB-日) は次のようになります。
総使用量 (GB-日) = [400 GB × 15 日] + [800 GB × 15 日] = 18,000 GB-日
GB-日を合計し、30 で割って GB-月に換算します。
合計 GB-月 = 18,000 GB-日/30 = 600 GB-月
ストレージ月額料金 = 600 GB-月 × 0.05 USD = 30 USD
米国東部 (バージニア北部) リージョンから米国西部 (北カリフォルニア) リージョンへ、それぞれ 40 GB のバックアップコピーを 10 回行ったとします。月末に、クロスリージョンのデータ転送使用量と送信先リージョンのストレージ料金が次のようになります (合計 6,000 GB-日です)。
合計使用量 = 10 回のクロスリージョンデータ転送 × 40 GB = 400 GB
月間クロスリージョンデータ転送料金の合計 (送信側アカウント) = 400 GB × 0.04 USD = 16 USD
送信先リージョンでの合計 GB-月 = 6,000 GB-日/30 = 200 GB-月
月間送信先ストレージ料金の合計 (受信アカウント) = 200 GB-月 × 0.06 USD = 12 USD
さらに、各 1 GB のバックアップを 10 個復元したとします。月末の時点で、バックアップ復元使用量 (GB) は次のようになります。
総使用量 = 10 個の復元 x 1 GB = 10 GB
復元月額料金 = 10 GB x 0.02 USD = 0.20 USD続けて、2 つの別々のトランザクションで、それぞれ 100 MB のファイルを 10 個復元したとします。月末の時点で、バックアップアイテムレベルの復元使用量 (GB) は次のようになります。
総使用量 = 10 個の復元 x 100 MB = 1 GB
アイテムレベルのリクエスト総数 = 2 リクエスト (1 リクエストあたり 5 アイテム)
アイテムレベル復元月額料金 = 1 GB × 0.02 USD + 2 リクエスト × 0.50 USD = 0.02 USD + 1.00 USD = 1.02 USD最後に、2 つの AWS リージョンで 1 か月間に 1500 回のバックアップ評価を行うとします。また、これらのバックアップ評価により、2000 の設定項目が記録されたとします (バックアップ評価ごとに 1 つの設定項目、基盤となるバックアップリソースへの変更により 500 の追加設定項目)。月末には、以下のような AWS Backup Audit Manager の使用量となります。
総バックアップ評価数 = 1500 バックアップ評価 × 2 リージョン = 3000 バックアップ評価
バックアップ評価のコスト = 3000 バックアップ評価 × (1.25 USD/1000) = 3.75 USD *
AWS Config による設定項目のコスト = 2000 × 0.003 USD = 6.00 USD **AWS Backup Audit Manager の月額料金合計 = 9.75 USD
バックアップストレージ料金、バックアップコピー料金、およびバックアップ復元料金を合計すると、AWS Backup の総月額料金になります。
AWS Backup 総月額料金 = 30 USD + 16 USD + 12 USD + 0.20 USD + 1.02 USD + 9.75 USD = 68.97 USD
* この部分は AWS Backup によって課金されます。
** この部分は AWS Config によって課金されます。
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例 2: AWS Backup for S3
米国東部 (バージニア北部) リージョンに保存されている 500 TB の Amazon S3 データがあると仮定します。また、S3 バケットには、それぞれ 500 KB の 1,000 万個のオブジェクトがあるとします。AWS Backup を使用して S3 バケットのバックアップコピーを作成したいと考えています。 毎月の TCO は以下のように計算されます。
ストレージ月額料金 @0.05 USD GB-月 = 500,000 × 0.05 USD = 25,000 USD
500 TB のバケット内のすべてのオブジェクトで、最大 2,000 万件の EventBridge イベントが発生すると予想しています。EventBridge でマッチしたイベントは、100 万イベントあたり 1 USD の課金となります。
S3 バケットで想定される EventBridge の最大課金額 = (1 USD/100 万) × 2,000 万 = 20 USD
ウォームバックアップストレージの月間 TCO 総額 = 25,000 USD + 20 USD = 25,020 USDまた、2.5 TBのバックアップを復元することにしたとします。
復元の合計料金 = 2,500 × 0.02 USD = 50 USD
1 か月あたりの AWS Backup 請求額 = 25,000 USD (バージニア北部のバックアップストレージ) + 50 USD (復元) = 25,050 USD
Amazon EventBridge の月間請求額 = 20 USD
合計 TCO = 25,050 USD + 20 USD = 25,070 USD
S3 オブジェクトの S3 Versioning と S3 GET リクエストには追加料金が発生しますのでご注意ください。