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ガバメントクラウドの道案内『自治体職員編』
ガバメントクラウドに関する情報は AWS も含めてさまざまな方面から毎日のように発信されており、どの情報を追ったらいいのか、何を気にするべきなのかわからなくなってくることもあるかと思います。
そこで、このブログでは「ガバメントクラウドの道案内」と題して自治体ガバメントクラウドに携わる方がそれぞれ何を検討すべきで、そのためにどの資料を確認した方がいいのかを役割別にまとめていきます。
本ブログは自治体においてガバクラ利用を検討されているお客様に向けた「自治体職員編」です。
そのほかの方に向けたブログに関しては以下リンクをご参照ください。
- ガバメントクラウドの道案内: 『自治体職員編』 (本ブログ)
- ガバメントクラウドの道案内: 『統合運用管理補助者編』
- ガバメントクラウドの道案内: 『ネットワーク構築補助者編』
- ガバメントクラウドの道案内: 『 ASP &運用管理補助者編』
本ブログの構成
ここでは気にするべきポイントをステップに分けて紹介します。
- AWS について学ぶ
- ガバクラで使用するネットワーク範囲を考える
- どの範囲までアプリケーションをガバメントクラウドに移行するか考える
- 「共同利用方式」か「単独利用方式」かを考える
- 各事業者の役割を理解する
- (単独利用方式の場合) 統合運用補助事業者を立てる必要があるか確認する
- ネットワーク接続方式を考える
- 費用の算出方法を考える
それぞれの対応方法について概要と、どのように考えていくかをお伝えします。
(1) AWS について学ぶ
ガバクラを利用するにあたり、もし AWS の利用をお考えであればまずは AWS でできることについて知る必要があります。
AWS では月に1回ウェビナーを開催し、AWS の概要から利用できるサービスの概要、想定される構成などガバメントクラウドでの利用に必要な内容についてご紹介しています。
ぜひ一度こちらをご覧いただき、AWS の理解を深めていただけると嬉しいです。
自治体向けオンライントレーニング 〜ガバメントクラウド(AWS編)対応版〜
直近の参加が難しい方はオンデマンド版もご用意しております。
お手数ですが担当営業にご連絡いただくか、本ブログ末尾のお問い合わせ窓口よりご連絡ください。
(2) ガバクラで使用するネットワーク範囲を考える
ガバメントクラウドで AWS を利用する場合、AWS 上で使用する IP アドレス範囲はお客様側で自由に決定することが可能です。
(一部の共同利用方式では ASP と連携しながら IP アドレスを決める必要があります。後述します)
一方で、AWS とオンプレミス (庁舎など) は L3 レベルで接続されるため、AWS に割り当てる IP アドレスはオンプレミスで使用していない IP アドレスである必要があります。
そこで、ガバメントクラウドを利用するにあたってはオンプレミスで使用していない IP アドレス範囲を確認し、割り当てる必要があります。
AWS のネットワークの考え方についてより知識を深めたい方は [AWS Black Belt Online Seminar] Amazon VPC をご覧ください。
(3) どの範囲までアプリケーションをガバメントクラウドに移行するか考える
個人番号利用事務系に属する 20 業務がガバメントクラウドの移行対象となっていますが、関連システムについてもガバメントクラウドへ移行することが可能とされています。
AWS からオンプレミスへの通信と AWS 内部での通信では下図のように通信料金が異なりますため、データ連携が多く発生するシステムに関しては 20 業務以外のシステムでも AWS へ移行する方が費用が抑えられる場合があります。
※上記費用は 2024 年 1 月現在のものです。また、通信に関わる費用は上記料金以外にもございます。詳しくはネットワーク運用補助事業者の方向けのブログおよび使用するサービスのドキュメントをご参照ください。
「20 業務のシステムとデータ連携がどの程度発生するか」を検討した上で 20 業務のシステム以外まで視野を含めてどのシステムをガバメントクラウド移行対象とするかを検討していく必要があります。
(4) 「共同利用方式」か「単独利用方式」かを考える
ガバメントクラウドの利用方式は大きく分けて「共同利用方式」と「単独利用方式」の二つがあります。
- 共同利用方式
- パッケージベンダーがアカウントを持った上でシステムを構築し、SaaS 形式で利用できるようにする方式
- 単独利用方式
- 自治体がアカウントを持った上で、そのアカウント上にシステムの構築を依頼して利用する方式
利用方式に応じて、自治体の責任範囲・自由度が異なりますため、ガバメントクラウド上で実現したい内容に合わせて適宜選択いただく必要があります。
また、パッケージによっては単独利用方式・共同利用方式のどちらかしか採用できない場合があります。
利用方式を決定する際にはパッケージベンダーとも会話しながら進めていくことが望ましいです。
以下にそれぞれの利用方式の参考となる比較表を記載します。
(5) 各事業者の役割を理解する
ガバメントクラウドではパッケージベンダーの他に、運用補助事業者やネットワーク構築運用補助者など複数の事業者が紐づく形で構築されることが多いかと考えます。
各登場人物の役割分担については以前公開したブログにタスクリストのダウンロードに関する記載がありますので、こちらをご確認ください。
(6) (単独利用方式の場合) 統合運用補助事業者を立てる必要があるか確認する
採用した利用方式が単独利用方式の場合、かつマルチベンダー (マルチアカウント) でパッケージが構築される場合、複数のアカウントを跨ぐ形でメトリクスを取得しダッシュボードを作成するなど統合的に運用管理を行う事業者が必要となる場合があります。
単独利用方式の場合、これを実施する「統合運用管理補助者」を立てるかどうかを検討する必要があります。
統合運用補助者の役割および必要となると考えられる作業に関してはブログ「ガバメントクラウドの道案内『統合運用管理補助者編』」をご確認ください。
(7) ネットワーク接続方式を考える
オンプレミスから AWS への接続に関しては専用線が必要となります。
専用線をどう利用するかに関してはいくつか検討できる方式があります。以下は一例です。
- 自治体が個別に専用線を契約する方式
- 自治体が回線業者と契約することで AWS まで専用線を敷設する方式
- 自治体が単独で契約するためスピード感を持って敷設することができ、専用線を占有することができる。
- 複数団体で専用線を共有する方式
- 現在複数自治体でデータセンターを共有していたり、情報ハイウェイ等自治体共有のネットワークがある場合、そこから専用線を伸ばして AWS へ接続する方式
- 複数の自治体でネットワークを共有するため、コストを按分することが可能となる
- LGWAN を利用する方式
- 次期 LGWAN ではガバメントクラウドへの接続サービスの提供が予定されているため、それを利用する方式
- 今後公開される詳細情報を確認しながら検討
以上の方式の中から、どの選択が実現可能か検討いただければと思います。
(8) 費用の算出方法を考える
ガバメントクラウドでは費用に関しては各 CSP の計算ツールを利用することが求められています。
AWS では Pricing Calculator を用意しておりますため、これを使用していただくことが可能です。
Pricing Calculator の使い方についてはウェビナー「Pricing Calculator ~見積の仕方と自治体のモデルケース~」をご覧ください。
上記ウェビナーでご確認いただける通り、Pricing Calculator を使用できるのはあくまで「AWS で稼働させるシステムが利用するサービス・スペックがわかっている場合」のみになります。
今回20業務のシステムに関してはパッケージベンダーが新規に構築する場合が多いかと思いますので、可能であればパッケージベンダーの方に問い合わせていただき、Calculator を使用した見積もりを共有いただくと現実に即した費用感が得られやすいかと考えます。
上記方法が難しそうであった場合、既存のリソース表を基に Pricing Calculator に入力いただく必要が出てきます
まとめ
本ブログでは、自治体のお客様がガバメントクラウドを利用するにあたって検討すべきポイントをご紹介しました。
検討すべきポイントの整理と、検討すべきポイントがわかっていてもどの資料を見ると理解が深められるかわからなかった方に対するサポートがこのブログでできていれば嬉しいです。
自治体に所属している方、または関連するベンダー・パートナーの方でこのブログに関して追記した方がいい事項やご不明点などございましたらお気軽に担当のソリューションアーキテクトまたは末尾のお問い合わせ窓口へお気軽にご連絡ください。
免責事項
- 本ブログや添付資料の内容はできる限り正確な情報を提供するように努めておりますが、正確性や安全性を保証するものではありません。
- 本ブログや添付資料はあくまで一例であり、全ての作業内容を充足するものではありません。
- 本ブログや添付資料はガバメントクラウドの新しい情報や AWS サービスの変更・追加などにより今後修正される場合があります。
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ガバメントクラウドに関するお問い合わせ
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本記事で紹介したタスクリストに関するお問い合わせのほか、ガバメントクラウド利用全般に関するお問い合わせについて、担当の営業およびソリューションアーキテクトがご回答いたします。ぜひご活用ください。
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