Kayoko  さん ~ マネージャー ソリューションアーキテクト

AWS に入社する前は、外資 SIer で 10 年ほど働いていました。キャリアの前半は IT エンジニアとして、キャリアの後半はプロジェクトマネージャーとして従事していました。IT エンジニアとしては、OS やミドルウェアのスキルをベースに、インフラエンジニアとして複数プロジェクトを経験しました。同時にアプリケーションサーバーのミドルウェアの SME として、プロジェクト横断での活動もしていました。プロジェクトマネージャーにロールを変えてからは、データセンター移転プロジェクトや Web システム更改プロジェクトといったプロジェクトをリードしていました。オンプレミスに強い会社でしたので、AWS に入社する前は、ほぼほぼオンプレミスでの活動が中心でした。そんな中 AWS に興味を持ったのは、お客様への提案活動をしている中で、今までオンプレミスを中心に使用されていたエンタープライズのお客様もクラウドに舵を切り始めていることを、ひしひしと感じたためです。世の流れがクラウドにシフトしている中、自分もそのリーディングカンパニーで働きたいと思い、AWS への応募を決めました。

私はエンタープライズのお客様を担当するアカウント SA として活動していますが、IT エンジニアとしてインフラ技術を学んできたことは、AWS の SA 業務においても活きています。クラウドはオンプレミスと比べ、さまざまな技術がマネージドで提供されより抽象化されているものの、IT の根幹となる部分は同じです。その知識は AWS の各種サービスを学ぶ上でもベースになっています。特にエンタープライズのお客様は、まだクラウドジャーニーの初期にいるお客様も多いので、クラウドの技術をいかにわかりやすく、腹落ちしていただける形で伝えることができるかが重要です。オンプレミスのバックグラウンドがあると、同じ目線でお客様と会話できるので、強みとなっていると感じます。
また、プロジェクトマネージャーとしての経験は、つい ToBe 像に固執してしまいそうな時に良い戒めになっています。アーキテクトとして活動していると、つい ToBe 像にこだわってしまいがちですが、そこを突き詰めることは必ずしも最良であるとは限りません。お客様の置かれている環境、リソース、スキルレベル、時間軸、そのシステムが持つビジネスニーズ、さまざまなものを加味して実現パターンを定義します。その際に、お客様に寄り添い、一緒に模索していくことが必要ですが、その点で、プロジェクトマネージャーとしての経験が役に立っていると思います。

前職ではそのような経験はありませんでした。ですので、AWS に入ってから、セミナーやイベント登壇を実施していることになります。SA のミッションの一つとして、Technical Thought Leadership というものがあり、社内外に先進的なテクノロジーのメッセージを配信することが求められます。今まで経験のない方にとっては、最初はなかなか勇気が必要な場面かもしれませんが、先輩 SA の方々は何度もレビューしてくれますし、AWS には心強い仲間がいますので、そんなに心配しなくても大丈夫です。私も最初は不安でいっぱいでしたが、いろいろな方々に様々な視点でアドバイスいただき、少しずつ自信になっていきました。
我々はスピードの速い業界に身を置いておりますので、お客様との打ち合わせで全く予備知識のない技術の話題に突然直面することもあります。経験したことのない業務を遂行しなければならない場面は多々ありますので、登壇に限らず、常にDay1の気持ちで、何事にもチャレンジする姿勢、学び続ける姿勢というものは必要だなと感じます。

そうですね、まずは業界動向を知るという意味で、広く浅く情報を毎日の web 記事などを中心に得ることは心掛けていますね。その上でもっと DeepDive するべきと思ったことに関しては、書籍を購入して読んでみたり、AWS には大体その分野を極めた専門家がいますのでそう言った方にご意見を伺ったり、社内で開催される Internal Training に出たりして、より実践的な情報を得ています。Internal Training を頻繁に開催してくださる Specialist SA の方々には感謝しかないですね。そう言ったものから自分の技術が底上げされていき、お客様とのディスカッションでも活きていきます。また、Internal Training は大体録画されているので、自分の都合のいい時間に後から見られると言うのも、子育て中の身には有り難いポイントです。
また、自分自身も SA 全体に貢献することは意識しており、AWS には TFC  ( Technical Field Communities ) と呼ばれる技術コミュニティがあるのですが、私は CloudOps というクラウド運用にフォーカスした TFC にて活動しています。TFC での活動は、他のアカウント SA への支援はもちろん、お客様のお声をサービスチームにフィードバックしたり、リリース前テストの実施やガイド作成といった形でサービスのローンチに貢献したりできますので、エンジニア魂が満たされ、ワクワクしますね。

正直、子育てしながら働くことに関して、特に大変だと感じるところはないですね。保育園の時には送り迎えが必要でしたが、もう二人とも小学生になりましたので、そう言った意味でも楽になったなぁと思います。ただ保育園時代を含めても、AWS での SA を行う上で、苦労した点はあまりありません。男性が育休をバンバンとる会社です。上司や同僚はとても理解がありますし、懇談会や運動会など必ず出たいイベントは、事前にカレンダーをブロックしておけば配慮してもらえます。ただ、それを当たり前と捉えるのではなく、そう言った面で配慮いただいていることを謙虚に認識し感謝した上で、物理的に少なくなりがちな時間を、より効率的に使い、より大きな成果が得られるよう努力する必要はあるかなと思います。ただそのプレッシャーは悪いものではなく、私の場合は、その緊張感がより自分を成長させている感はあるかなと(笑)。私は昨年 7 月より、小売・消費財業界のエンタープライズのお客様を担当する SA チームのリーダーをさせていただいております。「子育てしながらでも働きやすい」は様々な会社が謳っているかと思いますが、AWS SA は、「子育てしながらでもビハインドを感じない」と言えると思います。