中長期的な予算計画に基づいて意思決定する場面で、ステークホルダーに向けた AWS 使用計画の説明がスムーズになりました。
AWS サポートのお陰でインフラストラクチャに起因した業務が軽減され、より高い価値をお客様に提供することに集中できています 
幾田 雅仁 様 株式会社gumi CTO

株式会社gumiは、モバイルオンラインゲームの企画・開発・運営を行っている会社です。世界No.1のエンターテインメント企業になるというビジョンを掲げ、2007年に創業、2014年には東証1部上場を果たした成長著しい会社です。2016年10月末時点で国内開発子会社3社、海外開発子会社6社を有し、従業員数はグループ全体で700名を超え、国内外問わず積極的にビジネス展開しています。現在、オリジナルゲーム開発だけでなく、主に自社開発の有力タイトルの海外市場への配信を積極的に行っています。また、他社IPなど超大型タイトルを手掛ける機会も増えて、非常に多くのユーザーに利用されています。

gumi 社ではユーザーに快適なサービスを提供するために、大規模ソーシャルゲームのサーバーにかかる高負荷を分散しつつ、データの整合性を担保する技術に特に注力しています。「ソーシャルゲームのサービス開始時にはトラブルがつきものですが、当社のエンジニアたちは、この負荷に対処できる高い技術力(設計・開発・運用)で、お客様への安定したサービス提供を実現しています。」と語るのは、gumi 社の CTO、幾田 雅仁氏です。

ソーシャルゲームのインフラストラクチャは、イベント時やテレビCM放映後など特定時間帯の負荷に応じてサーバーをスケーリングする必要があるため、流動的なインフラストラクチャ環境となります。そうした環境では、インフラストラクチャのコストをコントロールしながら、お客様に快適なサービス環境をいかに提供できるかが勝負になります。

また、「当社では競合他社に先駆けていち早くグローバル展開に力を入れてきました。お客様のロケーションに近いインフラストラクチャ環境からサービスを提供するため、AWSの複数リージョン環境を利用しています。海外拠点(シンガポール、フランスなど)のAWS アカウントも連結させ、インフラストラクチャ及びそのコストを統合管理しています。」(幾田氏)

gumi 社では過去、あるソーシャルゲームのサービス開始時に、インフラストラクチャの処理能力がリクエスト量に対して不足していることが判明し、迅速なアーキテクチャ見直しが必要となったことがありました。その際、負荷に耐えられるようサービスのアーキテクチャを見直した結果、再構築するまでに十分な期間が必要なことから、サーバー増設で一次対処する判断がなされました。そこで、「専任の AWS テクニカルアカウントマネージャー(TAM)に相談したところ、密接に連携していただき、インスタンス起動数の上限緩和などの AWS 内部の手続きを迅速にご対応いただけました。」(幾田氏)

サービス開始時の負荷によるトラブルは、多くの場合、サービスのアーキテクチャを見直すことで解決できます。サービス開始前に、サービスとそれを支えるインフラストラクチャの需要を把握し、キャパシティプランニングに不足がないことを確認したとしても、いつも完全とは限りません。

AWS サポートの『エンタープライズ』プランで利用できる、AWS インフラストラクチャイベント管理(IEM)では、サービス開始のスケジュールやインフラストラクチャの概要及びアーキテクチャを事前に AWS サポートと共有しておくことで、アーキテクチャやスケーリングに関してアドバイスを受けることができるほか、運用中の重大な局面に迅速で手厚いサポートを受けることができます。「サービス開始時に限らず、イベント時やテレビ CM 放映後には、インフラストラクチャに突発的な負荷が発生します。アーキテクチャのウィークポイントを TAM と連携しておくことで、AWS サポートでの応答は非常にスムーズになります。お客様に快適に遊んでいただくためにも『エンタープライズ』サポートプランは欠かせません。AWS サポートのお陰でインフラストラクチャに起因した業務が軽減され、より高い価値をお客様に提供することに集中できています。」(幾田氏)

満足度の高いエンターテインメントをユーザーに提供する上で、運用中のサービスにおけるユーザーからのアクションに対して、高速なレスポンスの実現は欠かせません。「当社には、『First to Try, First to Fail, First to Recover(誰よりも早く挑戦し、失敗し、そして復活する)』という理念が根付いており、安定した稼働が求められるインフラストラクチャに関しても例外なく、さまざまな挑戦を行っています。」(幾田氏)

gumi 社では日々リリースされる AWS の新しいサービスや機能について、定期的にサマリーを AWS サポートから受けています。これにより、新サービスの一覧紹介だけではなく、新たにリリースされた AWS サービスを採用することで、現在のアーキテクチャ上の課題について、どのようにインフラストラクチャを発展させてゆくことができるか、TAM やソリューションアーキテクトと定期的に議論することが可能となっています。ログ管理やアカウント管理の統合、またデプロイフローの改善など、継続的な運用管理の改善についても、経験豊富な TAM やソリューションアーキテクトと議論することが可能です。

「当社では AWS のフルマネージドサービスが機能要件を満たすならば積極的に採用し、管理維持に関わるコスト(TCO)を抑えたいと考えています。当社のユースケースに対して AWS サービスが提供する機能に要望がある場合は、AWS のサービスを開発するプロダクトチームに機能要望を伝えていただいています。また、当社のユースケースをプロダクトチームにダイレクトに伝えることができる打ち合わせを設けて頂くこともしばしばあり、当社が直面している問題の把握や機能要望の意図について議論できる機会は非常に有意義であると感じています。」(幾田氏) AWS から提供されるサービスをタイムリーにキャッチアップし、用意周到に計画することで、gumi 社では前の段階に戻ってやり直すコストの無駄を抑える事ができています。

gumi 社では、AWS の複数リージョン上でソーシャルゲームのインフラストラクチャを運用しています。海外拠点(シンガポール、フランスなど)でエンジニアリングされた AWS インフラストラクチャも含め、ゲームタイトル毎の売上原価を分析し、TCO の観点でインフラストラクチャリソースの最適化が行われています。

「当社では、ゲームタイトル毎に1つのAWSアカウントで運用しており、インフラストラクチャのコストや使用状況、セキュリティに関する TAM の分析レポートを定例会でレビューしております。ゲームタイトル毎にアーキテクチャやAWSのユースケースは異なりますが、分析レポートを並べて俯瞰することで、インフラストラクチャの最適化が計れています。」(幾田氏)

gumi 社では TAM による分析レポートがインフラストラクチャの予算計画や、コスト削減を目的としたリザーブドインスタンスを購入する際の意思決定に役立てられています。「CPU 使用率に基づくインスタンスサイズの見直しの提案、リクエストに応じた動的なインスタンス数の最適化を経て、無駄をそぎ落とした上でのリザーブドインスタンスの購入提案を頂いております。最適なリソース使用状況が把握出来ているおかげで、中長期的な予算計画に基づいて意思決定する場面で、ステークホルダーに向けた AWS 使用計画の説明がスムーズになりました。」(幾田氏)

gumi 社では、15分以内の初回応答が期待できる「非常事態」という緊急度でサポートケースをオープンすることは稀です。TAM が gumi 社の状況をよく把握することにより、トラブル状況に応じた緊急度の調整や早期の解決に向けた調整を、AWS の中で進めることができるためです。「インフラストラクチャで問題に直面した時に、AWSサポートチームの中に当社をよく知る専任の TAM の存在は欠かせません。」(幾田氏)

- 幾田 雅仁様(株式会社gumi CTO)

AWS サポートのエンタープライズプランに関する詳細は、エンタープライズサポート の詳細ページをご参照ください。