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AppsFlyer が Amazon SageMaker を利用して iOS 14 以降向けの予測分析ソリューションを構築

2022 年

広告業界は、データプライバシー、Cookie、広告識別子の使用に関する新しい基準によって一変しました。プライバシーが最重視されるこの環境におけるマーケティングキャンペーンの測定を改善するため、マーケティング測定企業である AppsFlyer は Amazon Web Services (AWS) を利用して、予測分析ソリューションの PredictSK を構築しました。これは、特定のユーザーが識別されないようにする匿名データに基づいて、機械学習 (ML) を使用して iOS SKAdNetwork キャンペーンのモバイルユーザーのライフタイムバリュー (LTV) を正確に予測するソリューションです。

PredictSK は、Amazon SageMaker などの AWS の ML サービスおよびサーバーレスサービスを利用しています。これは、データサイエンティストやデベロッパーが質の高い ML モデルを迅速に準備、構築、トレーニング、デプロイするのに役立ちます。PredictSK は予測モデリングを使用してユーザーを追跡しないようにしながら、キャンペーンのパフォーマンスに関する精度を高めるとともに、ユーザーインタラクションの最初の 24~48 時間に基づいたインサイトを生成します。また、このソリューションは、Apple の iOS 14 の広告に関するプライバシーの変更に準拠して、ユーザーのプライバシーを保護します。

AppsFlyer が AWS を利用してキャンペーンのパフォーマンスを最適化し、1 日あたり 1,000 億件を超えるイベントを管理
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AWS でサーバーレスアーキテクチャを利用することで、開発時間を短縮し、メンテナンスを削減できます。小規模から始めて、すべてがうまくいくという自信を持ってスケールすることができます”

Benjamin Winestein 氏 
AppsFlyer、Senior Software Developer

AWS で業界の課題を迅速に解決する

AppsFlyer は、e コマース、金融サービス、ゲームなどの分野で世界中に 12,000 を超える顧客を抱えており、そのサービスは 89,000 を超えるモバイルアプリで利用されています。PredictSK は ML を使用して、SKAdNetwork シグナルに基づき、マーケティングキャンペーンで iOS 14 以降のモバイルアプリユーザーの LTV を予測します。同社は、2019 年の第 4 四半期に最初のソリューションの構築を開始しました。「PredictSK は、マーケティング担当者のために、コスト削減とキャンペーンを大幅に最適化してくれます」と AppsFlyer の予測分析担当 Senior Product Marketing Manager である Michel Hayet 氏は述べています。「これにより、従来の LTV 評価サイクルよりもはるかに早く、キャンペーンのパフォーマンスに関する多くの情報をお客様に提供できます。従来のサイクルでは、キャンペーンが有効であるかどうかを知るまでに数週間または数か月かかることもありました」。

2018 年に開始された欧州連合と米国のデータプライバシー関連規制では、収集、共有、マーケティング目的で利用できる個人情報の種類を制限する新たなガイドラインが設けられました。主要なブラウザでは、データの追跡、ターゲティング、測定に使用されるサードパーティー Cookie が廃止されました。2021 年 6 月、Apple は、プライバシーを保護するモバイルインストールアトリビューションのフレームワークである SKAdNetwork と、消費者のデバイス識別子が同意なしに広告トラッキングやターゲティングで使用されないようにするフレームワークの App Tracking Transparency を備えた iOS 14 を公開しました。「iOS 14 では、各ユーザーの行動を観察して、そのユーザーの価値が高いかどうか、そのユーザーを提供したメディアソースに投資すべきかどうかを判断するのに、約 24 時間の猶予しかありません」と PredictSK の Product Team Lead である Elena Levi 氏は述べています。「しかし、予測分析を使用することで、24 時間あれば、必要な長期インサイトを得ることができるのです」。

AppsFlyer は、AWS を利用して、自社の予測分析ソリューションを新しい業界の要件に対応させました。このソリューションは、最初のアイデアの着想から 6~8 か月間で実用的な製品になりました。AppsFlyer は AWS を利用して、同じ従業員数で、本番稼働に至るまでの時間を 66% 短縮しました。また、2021 年 6 月 (App Tracking Transparency の有効化から 1 か月後、SKAdNetwork の実装から 1 週間後)、同社は最初の顧客を PredictSK にオンボーディングする準備を整えることができました。AppsFlyer は、予測分析機能を提供した初のモバイルアトリビューションプロバイダーです。

AWS で開発とデプロイを加速する

新たなソリューションを構築するために、AppsFlyer は Amazon SageMaker と、研究から本番までのパスを短縮するさまざまな AWS サーバーレスサービスを利用しました。これには、企業がサーバーのプロビジョニングや管理を行わずにコードを実行できるサーバーレスコンピューティングサービスの AWS Lambda などが含まれます。「AWS でサーバーレスアーキテクチャを利用することで、開発時間を短縮し、メンテナンスを削減できます」と AppsFlyer の Senior Software Developer である Benjamin Winestein 氏は述べています。「小規模から始めて、すべてがうまくいくという自信を持ってスケールすることができます」。

PredictSK は、モバイルアプリユーザーに 1~9 のスケールで予測スコアを提供します。このソリューションは、Amazon SageMaker 自動モデルチューニング (データセットに多くのトレーニングジョブを実行し、モデルの最適なバージョンを見つけるサービス) を利用して、アルゴリズムパラメータの数千の組み合わせを自動的に調整し、予測 ML モデルの精度を迅速に向上させます。その後、各モデルをデプロイします。または、追加のトレーニングが必要な場合、AppsFlyer は AWS Step Functions を利用してトレーニングフローを繰り返します。AWS Step Functions は、AWS Lambda 関数と複数の AWS サービスをビジネスクリティカルなアプリケーションに簡単にシーケンスできるようにするサーバーレス関数オーケストレーターです。精度を維持するために、数十 GB のデータを利用して、各モデルを毎月再トレーニングします。

AppsFlyer は、PredictSK に含まれるすべてのアプリ向けのカスタム ML モデルを作成します。これは、セキュリティとユーザーのプライバシーの両方を確保するために行われます。アプリ間で情報が共有されることはありません。さらに、ユーザーの行動はアプリの種類によって異なるため、AppsFlyer はいろいろなユースケース向けに、さまざまな ML モデルをトレーニングする必要があります。例えば、ヘルスケアアプリでのユーザーの行動は、ゲームアプリにおける行動とは異なります。そうした需要に対応するため、AppsFlyer は Amazon SageMaker マルチモデルエンドポイントに大きく依拠しています。これを利用することで、高いスケーラビリティとコスト効率で、多くのカスタム ML モデルをデプロイできます。AppsFlyer は、Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) P3 インスタンス で Amazon SageMaker を実行します。これは、NVIDIA V100 Tensor Core GPU と p3.2xlarge インスタンスを利用して、クラウドでハイパフォーマンスコンピューティングを提供します。

スケジュールされた予測フローでは、AppsFlyer は Amazon SageMaker バッチ変換を使用して、シンプルな API で大規模なバッチデータセットに対し 1~24 時間ごとに推論を実行します。その後、予測結果はデータベースに保存され、顧客が利用できるようになります。「予測インサイトや高度なインサイトを使用しない通常の広告主の場合、ユーザーに関するあらゆる種類の LTV のインサイトを受け取るまでに約 30 日かかります」と Hayet 氏は述べています。「PredictSK は、この時間をわずか数時間に短縮してくれます」。

PredictSK のほぼリアルタイムの予測フローはサーバーレスアーキテクチャで運用され、リクエストから応答までの推論ごとに 10~30 ミリ秒でほぼ瞬時に予測されたユーザーベネフィットスコアを AppsFlyer の顧客に提供します。毎日、数百 GB のユーザーデータを 1 秒あたり数万件のイベントの割合で処理し、1 秒あたり数十万件のイベントまでスケールします。このソリューションはその日の関連イベントを消費し、そのデータを key-value およびドキュメントデータベースである Amazon DynamoDB に保存します。次に、AWS Lambda を利用して推論用にデータを準備し、Amazon SageMaker マルチモデルエンドポイントに送信します。その後、推論結果は Amazon DynamoDB 上の別のテーブルに書き込まれ、顧客に送信されます。

AWS で新たなソリューションを最適化する

AppsFlyer は次に、User Acquisition Manager が PredictSK のインサイトを使用してキャンペーンを最適化するプロセスを合理化し、場合によっては完全に自動化することを計画しています。また、Amazon SageMaker を利用した分散トレーニングも検討しています。これは、トレーニング時間を短縮し、スケールしてより大規模なデータセットをサポートするのに役立つ可能性があります。

AppsFlyer は AWS を利用して、他の既存のソリューションよりも早く実用的なインサイトを提供しながら、キャンペーンのパフォーマンスの精度を向上させ、消費者のプライバシーを保護するソリューションにより、業界の大きな変化に迅速に対応しました。「現在、いずれの競合他社も提供していない種類のサービスを、当社がお客様に提供できることに喜びを感じています」と Hayet 氏は述べています。「すばらしい状況にいることに甘んじず、当社は常に前進しています。今後もこのソリューションを進化させ、改善し、より良いものにしていきます」。 「予測分析は、多くの重要な点でモバイルマーケティングゲームを変容させます。今後、さらなるイノベーションをエコシステムに提供したいと考えています」と Levi 氏は付け加えています。


AppsFlyer について

2011 年に設立された AppsFlyer は、モバイルマーケティング分析とアトリビューションのための Software as a Service を提供しています。世界 20 か所にオフィスを構える AppsFlyer は、ユーザーがさまざまなアプリ、チャネル、デバイスを通じてブランドとどのようにやり取りしているかを測定できるように、12,000 を超える顧客をサポートしています。

AWS のメリット

  • ML アルゴリズムのアイデアを 6~8 か月間で実装
  • 最初の 24~48 時間のユーザーインタラクションに基づいてインサイトを生成
  • 1 秒あたり数十万のイベントまでスケール
  • 1 日あたり数百 GB のユーザーデータを処理
  • 数十 GB のデータを利用してモデルを毎月再トレーニング
  • リクエストから応答までの時間が推論あたり 10~30 ミリ秒
  • 最短で 30 日間ではなく 1~24 時間で LTV を予測
  • 同じスタッフ数で本番稼働に至るまでの時間を 66% 短縮

利用されている AWS のサービス

Amazon SageMaker

Amazon SageMaker は、機械学習専用に構築された幅広い一連の機能をまとめて提供することにより、データサイエンティストとデベロッパーが高品質の機械学習 (ML) モデルを迅速に準備、構築、トレーニング、およびデプロイするのを支援します。

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AWS Lambda

AWS Lambda はサーバーレスコンピューティングサービスで、サーバーのプロビジョニングや管理、ワークロード対応のクラスタースケーリングロジックの作成、イベント統合の維持、ランタイムの管理を行わずにコードを実行できます。

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AWS Step Functions

AWS Step Functions は、AWS サービスのオーケストレーション、ビジネスプロセスのオートメーション、サーバーレスアプリケーションの構築に利用するローコードのビジュアルワークフローサービスです。

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Amazon DynamoDB

Amazon DynamoDB は、規模に関係なく数ミリ秒台のパフォーマンスを実現する、key-value およびドキュメントデータベースです。

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