AI は、今後モダンアプリケーションすべての基本構造の一部をなすに違いありません。既存の最高クラスの AI サービスを利用することは、そうしたサービスを独力で作り上げるよりも合理的です。AWS がすぐに導入および使用できるサービスを提供していることは非常に意義深いことです。
Andy Pflaum 氏 Astro、設立者兼最高経営責任者
Astrobot Voice - Devices
  • Astro の概要

    Astro は、ワークプレイスチームが最重要の作業に集中できるよう、機械学習を使用して通信を効率化します。2015 年に設立され、カリフォルニア州パロアルトに拠点を置く同社は、シリーズ A ベンチャーキャピタルラウンドで 1,000 万 USD を調達しました。

  • AWS の利点

    • エンタープライズ仕様の本稼働アプリケーション機能をわずか 6 週間で構築およびデプロイ
    • わずか 1 名の従業員だけで 5 つのプラットフォームで利用可能なアプリケーション用サーバーの運用を管理
    • Astrobot Voice 提供開始後 1 週間で 3 倍の新規ユーザーが登録
  • 使用する AWS のサービス

今にも終焉を迎えるという予測が頻繁になされるものの、E メールは未だ健在です。2021 年末までに、41 億を超える世界中の E メールユーザーが、毎日約 3,200 億もの送受信を行うものと予想されています。

この大量の E メールによって受信箱に過負荷がかかることで、生産性が低下する恐れがあります。現在のテクノロジーソリューションには、ますます多くの洗練された機能を備えた E メールアプリケーションと、E メールの座を狙う別の通信アプリケーションが両方含まれています。

2015 年に設立された、カリフォルニア州パロアルトに拠点を置くソフトウェア開発スタートアップの Astro は、少し異なるアプローチでこの問題に取り組んでいます。同社は、人工知能 (AI) およびアマゾン ウェブ サービス (AWS) クラウドの Amazon Lex のような深層学習テクノロジーが情報過負荷の問題を解決できると確信しています。

Astro は、E メールユーザーにとって計り知れない価値が受信箱に眠っていると見ています。「E メールアカウントには、大量の、大きな価値を秘めた非構造化データやワークプレイス情報が手つかずで保管されています」と、Astro の最高経営責任者兼共同設立者の Andy Pflaum 氏は言います。

Astro は、機械学習を使用して E メールデータの持つ価値を E メールユーザーが開放するための支援に着手しました。機械学習は、エンタープライズ全体の非構造化データセットから価値を発見するのに多くの企業で使用されています。「昨今の機械学習の進歩を見るに、E メールの処理における認知上のオーバーヘッドを削減する E メールアプリケーションを構築できるのではないかと思いました」と Pflaum 氏は言います。「当社のアプリケーションは、即時の対応を要するメッセージを抜き出したり、そうでないメッセージを人々が普段どう処理しているかを学習したり、そうしたメッセージを可能な限り早く受信箱から取り除いたりします。ユーザーはより価値のある作業に集中できます」

Astro が 2017 年上半期に Astro E メールアプリケーションの最初のバージョンをリリースした際、同製品にはアプリケーション内チャットボットアシスタントの Astrobot が付属していました。Astrobot は機械学習および自然言語処理を使用して、雑然とした受信箱の管理におけるいくらかの「認知上のオーバーヘッド」に対処します。

ユーザーのアカウントおよび E メールと同期を開始して 30 秒足らずの内に、Astrobot はインサイトおよび推奨アクションを取得します。推奨アクションは、メーリングリストからの登録解除、特定のメッセージの自動アーカイブ、重要な質問や期限のハイライトといったものです。Astrobot には、リマインダーの設定、質問への回答、重要性の低い連絡先と VIP の識別もさせることができます。

Astrobot のインターフェイスはリリース時にはテキストのみでしたが、Astro はすぐに Alexa スキルを追加し、Amazon Echo ファミリーデバイス経由で音声コマンドを使用してサービスとやり取りできるオプションを提供しました。Astro は、サービスを発展させる次なる論理的ステップとして、Astro アプリケーション自体に音声ベースの E メール管理機能を内蔵することを決定しました。

2017 年 8 月、Astro は Amazon Lex により実現した Astrobot Voice を発表しました。同機能が実装されることで、Astro アプリケーションは単体での音声コマンドによる E メール管理が可能になりました。「自宅で仕事の準備をしている最中、または運転中で安全に手でデバイスを操作できないときなど、多くの状況で、音声は最速かつ最も安全に情報をやり取りできる手段です」と、Astro のマーケティング部門代表、Emily Kramer 氏は言います。「初のアプリケーション内音声 E メールアシスタントと確信する機能を提供できることに大変満足しています。これは、AWS クラウドがなければ実現不可能だったでしょう」

Astrobot の顧客もまた、この新機能を歓迎しているようです。

「Astrobot Voice のローンチ当日にウェブセッションは 250% 増加し、以後 1 週間で前週比 3 倍の新規ユーザーを獲得しました」と Pflaum 氏は言い、さらに全 Astrobot ユーザーの 1/3 以上が提供開始日に Astrobot Voice を試したことを付け加えました。

Astro のようなスタートアップがこれほどの成功をこれほど迅速に収めるには、十分にシンプルでフレキシブルかつ強力な IT インフラストラクチャおよびサービスを利用して、同社のリーン方式のチームをコード、製品、価値の向上に集中させる必要がありました。Astro が AWS クラウドで誕生し、Astro E メールアプリケーションや Astrobot Voice に AWS のサービスを利用しているのはこのためです。

Astrobot Voice の核をなすのが Amazon Lex です。自然言語処理を用いて高品位な音声認識および言語理解機能を提供します。こうした機能により、開発者は既存のアプリケーション内に洗練されたチャットボットを構築することができます。Astro E メールアプリケーションでは他にも、メッセージおよびアカウントのメタデータ保存に Amazon Aurora を、メッセージのコンテンツおよび添付ファイルの保持に Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) を利用しています。Astrobot Voice では現在デバイス上での音声出力が使用されていますが、Astro ではまもなく Amazon Polly に切り替える予定です。この API 駆動型サービスは高度な深層学習テクノロジーを利用して音声を合成し、ソリューションが出力した文字列を自然な発音の音声に変換します。Astro ユーザーはより自然にアプリケーションと対話できるようになります。

Amazon Lex が非常に使いやすいことから、Astro は 2 か月足らずで Astrobot Voice を E メールアプリケーションに追加することができました。「Amazon Lex は Astrobot Voice を迅速にデプロイする最良かつ最速の手段でした。特に Astrobot Alexa スキル用に構築した多くのロジックを再利用できたことが大きな理由です」と Pflaum 氏は言います。「Amazon Lex を使用したことで、わずか 6 週間でエンタープライズ仕様の音声 E メールアシスタントを開発およびデプロイできました」

Amazon Lex を始めとした AWS のサービスの習得しやすさと使いやすさも、Astro が小規模のチームで大きな成果を収めることに貢献しています。「Amazon Lex、Amazon S3、Amazon Aurora といった AWS のサービスを使用することで、4 つのモバイルプラットフォームと 1 つのデスクトッププラットフォームで現在利用可能なアプリケーション用サーバーの運用管理を、フルタイム従業員 1 名だけでまかなうことができます」と Pflaum 氏は言います。「仮に同じようなアプリケーションを社内データセンターで実行した場合、運用管理には少なくとも 5 名のフルタイム従業員が必要になるでしょう」

AI および深層学習が役立つか否か、またはどう役立つかを未だ考えあぐねている企業もあるなか、Pflaum 氏はこうしたテクノロジーがすでに必要不可欠なものであり、まもなくありふれたものになると確信しています。同氏は、深層学習テクノロジーをデータベースまたはインターネット接続といった初期のモダンソフトウェア開発における基礎にたとえ、「AI は今後、モダンアプリケーションすべての基礎の一部となるに違いありません」と言います。「既存の最高クラスの AI サービスを利用することは、そうしたサービスを独力で作り上げるよりも合理的です。AWS がすぐに導入および使用できるサービスを提供していることは非常に意義深いことです」

Astrobot Voice_Architecture_AWS

Astrobot Voice のアーキテクチャ図。

Amazon Lex による対話型インターフェイスの詳細をご確認ください。