AWS の使用により、SAP インフラストラクチャのコストを最大 60% 削減できています。
Levent Yildirmak 技術マネージャー、データセンターおよびクラウド

Coca-Cola İçecek (CCI) は、コカ・コーラブランドの下で、炭酸飲料および非炭酸飲料を生産、流通、販売しています。トルコの国内市場に加えて、アゼルバイジャン、イラク、ヨルダン、カザフスタン、キルギス、パキスタン、シリア、タジキスタン、トルクメニスタンで事業を展開しています。売上高が世界第 5 位のコカ・コーラ製品製造業者であり、3 億 8,000 万人を超える顧客にサービスを提供しています。1964 年に設立され、イスタンブールに本社を置く同社は、10,000 人を雇用し、25 の工場を運営しています。2015 年の年間収益は、67 億トルコリラ (29 億 2 千万 US ドル) です。

Coca-Cola İçecek の SAP ERP セントラルコンポーネント (ECC) は、財務報告、サプライチェーン管理、人事などの重要なビジネス機能のために、9 か国で 5,000 人近くの CCI スタッフが利用しています。同社は、イスタンブールのプロバイダーが運営するデータセンターに SAP ECC プラットフォームをホストしていました。しかし、ビジネスの成長に伴い、インフラストラクチャは性能の限界に近づき、SAP アプリケーションのパフォーマンスが損なわれていました。それにより、生産性が妨げられ、報告が遅れ、重要な情報がシニアマネージャーに伝わるまで時間がかかっていました。

CCI のデータセンターとクラウドの技術マネージャーである Levent Yildirmak 氏は、「数千人のユーザーのために SAP アプリケーションのパフォーマンスを向上させるだけでなく、より効率的に運用し、SAP に関連するコストを調べられるようになりたいと考えていました」と述べています。

移行によるユーザーの混乱を最小限に抑え、ビジネスの継続性を維持するために報告サイクルへの影響がないようにする必要がありました。また、業務全体で 400 を超えるシステム (社内のデータウェアハウスやトランザクションシステムなど) と新しい環境をシームレスに統合する必要がありました。

CCI は、オンプレミスとクラウドのさまざまな選択肢を評価して、AWS アドバンストコンサルティングパートナーである Lemongrass Consulting と協力し、ミッションクリティカルな SAP プラットフォームをアマゾン ウェブ サービス (AWS) クラウドに移行することに決めました。「SAP のパフォーマンスを改善し、より堅牢な災害復旧を構築し、ストレージコストを削減することを目標としていました。当社は、これらの目標を達成するために Lemongrass を選択しました」と、データセンターとクラウドの技術サービスマネージャーである Levent Yildirmak 氏は述べました。

Lemongrass Consulting のディレクターである Eamonn O'Neill 氏は、CCI のために選択したアプローチについてこう語っています。「コストモデルを立案し、節約が可能な分野を特定することから始めました。SAP を運用するうえで最大のコストはストレージだけですので、ストレージサイズを大幅に縮小する方法を示しました。また、移行のスピードが重要であることも理解していたので、詳しいロードマップを作成して、CCI が抱いていた懸念を緩和しました。」

このプロジェクトの結果、CCI は 2015 年末に概念実証を開始し、2016 年 1 月には 9 か国に及ぶ移行を完了しました。

CCI の SAP ECC 環境は、オンデマンドと専用の Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) インスタンスが混在する環境で稼働しています。Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) によって拡張性の高いストレージを実現し、SSD およびマグネティックの両方の Amazon Elastic Block Store (Amazon EBS) ボリュームをワークロードに応じて使用しています。AWS 欧州 (フランクフルト) リージョン全体で複数のアベイラビリティゾーンを使用しています。

実稼働ワークロードと非実稼働ワークロードは、別々の Amazon Virtual Private Cloud (Amazon VPC) 環境で実行しています。AWS Identity and Access Management (IAM) を利用すると、AWS リソースへのユーザーアクセスを制御できます。インフラストラクチャは Amazon CloudWatch で監視し、AWS CloudTrail を使用してサービス間で行われた変更を記録しています。

O'Neill 氏は、「必要な統合ポイントをすべてテストするなど、綿密な計画を立てて、わずか 3 か月で初期コンセプトから完全展開に進みました。これは SAP プロジェクトとしては驚異的なスピードです」と述べています。

「移行中も移行後も問題はありませんでした」と Yildirmak 氏は付け加えました。

CCI はミッションクリティカルな SAP 環境を迅速に移行し、IT とビジネスに大きなメリットが素早くもたらされました。「AWS の使用により、SAP インフラストラクチャのコストを 50~60% 削減できています」と Yildirmak 氏は言います。「新しい AWS 環境では、アーキテクチャを常に最適化し、実行中のワークロードを調べて、必要なときにだけキャパシティをスケジューリングしています。」

たとえば、月末の報告が近づくと、AWS で実行されている自動機能により、より多くのキャパシティを提供するために追加のリソースが確保されます。これらのリソースは、不要になった時点で縮小されます。同様に、開発環境とテスト環境は、夕方や週末に実行する必要がないため、こうした時間にはオフに切り替えられます。

Yildirmak 氏は次のように続けています。「インフラストラクチャは、当社だけのために設計されています。その結果、大きな節約が可能になりました。」AWS で SAP を運用するコスト関連のもう 1 つの利点は、使用するリソースに対して各 CCI リージョンを正確に割り当てられることです。「これは以前のインフラストラクチャでは不可能でした」と Yildirmak 氏は言います。

エンドユーザーのエクスペリエンスも事業全体で改善されました。スタッフは、SAP を使用して財務報告書を作成し、シニアマネージャーがビジネス上の意思決定を行うために使用する情報を生成します。Yildirmak 氏は、これまでに受け取ったフィードバックについて次のように述べています。「財務チームは、以前よりも 4 倍の速さで報告書を生成しています。オンプレミスの環境では報告書の作成に 1 時間かかっていましたが、現在は 15 分しかかかっていません。」事業リーダーへの情報提供が速くなるだけでなく、他の部門の生産性も向上することになります。たとえば、人事チームは、給与計算を 3 倍速く処理できるようになりました。

新しいシステムにより、CCI はストレージ要件も縮小できました。「たとえば、Amazon EBS の優れたハウスキーピング機能やスナップショットを使用することで、CCI のストレージ効率は 50% も向上し、さらなる節約効果を上げています」と O'Neill 氏は言います。「AWS に移行して間もなく、Amazon CloudWatch で新たに表示できるようになったデータベース負荷に異常な増加が見られました」と Yildirmak 氏は言います。ユーザーのエラーが原因で、CPU 負荷が 20% から 60% に急上昇したことが判明しました。また次のように続けました。「現在、ユーザーは再トレーニングを受け、この問題は発生しなくなりました。AWS によって、事業の俊敏性を高めることができます。効率の悪いプロセスを特定したら、何度かクリックするだけで変更することができます。

また、AWS で運用されるシステムは、より速い目標復旧時点 (RPO) と目標復旧時間 (RTO) を実現します。「これまでは、最速でも RPO は 1 日、RTO は 3 日間でした」と Yildirmak 氏は言います。現在では、RPO は 15 分、RTO はわずか 3 時間と見ています。

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AWS アドバンストコンサルティングパートナーである Lemongrass Consulting は、SAP 中心の組織がモバイルやクラウドベースの実装によって職場を変革するのを支援します。Lemongrass Consulting が企業の AWS 環境の構築および管理をサポートする方法の詳細については、AWS パートナーディレクトリLemongrass Consulting のリストを参照してください。
 

AWS でミッションクリティカルな SAP 環境を運用する方法について説明しています。