導入事例 / 情報サービス

2023
Compact Smart City Platform Council Logo

コンパクトスマートシティプラットフォーム協議会、大阪府豊能町や福井県など国内自治体のスマートシティ化を支援

非エンジニアでも使える操作性

総務省ガイドラインを満たす安全性

簡便なサービス実装

サポート不要の使い勝手と安定性

概要

スマートシティの実現を目指す自治体を支援する一般社団法人コンパクトスマートシティプラットフォーム協議会(以下、CSPFC)。CSPFC は、北欧で実績のあるデータ連携基盤をベースとしたサービスプラットフォーム『コンパクトスマートシティプラットフォーム』を提供するインフラとして、アマゾン ウェブ サービス(AWS)を採用。プラットフォーム自体が持つセキュリティの堅牢性を高め、サービス実装の容易さやシステムの安定性といった面でも大きな効果が得られています。

Compact Smart City Platform Council Case Study

ビジネスの課題 | デジタル技術を積極的に活用し住民の QoL を向上

2020 年に施行された「改正国家戦略特区法」(いわゆるスーパーシティ法)、さらに 2021 年からは「デジタル田園都市国家構想」が提唱されるなど、日本政府は自治体のスマートシティ化を積極的に推進しています。その狙いは「仕事・交通・教育・医療をはじめとする地方が抱える課題を、デジタル実装を通じて解決し、誰一人取り残されず全ての人がデジタル化のメリットを享受できる心豊かな暮らしを実現する」ことにあります。「スマートシティには大きく 2 つの流れがあります。1 つが都市の効率化を目指すトップダウン型の都市開発モデルで、もう1 つが住民の QoL(Quality of Life)の向上から実現していくボトムアップ型の住民サービスモデルです。デジタル田園都市国家構想では特に『心豊かな暮らし(Wellbeing)』を明示的にうたっており、前者の都市効率化から、人々の幸福度をいかに高めるかという後者へと、軸足がシフトしてきています」と CSPFC 代表理事の江川将偉氏は語ります。

デジタル田園都市構想に基づき住民の QoL 向上を目指す自治体を支援するため 2021 年 8 月に設立された CSPFC は、スマートシティ化を支援するサービス群『コンパクトスマートシティプラットフォーム』を提供しています。ここで言う“コンパクト”は小さいという意味ではなく、“手軽に始められる”という意味を込めたものです。自治体が抱える IT 人材不足や予算不足といった課題を解消しながら、まずは住民目線での導入しやすさを重視しています。

「さらに大局的な観点では、グローバルで見たときの日本のデジタル化の遅れを取り戻したいと考えています。それに向けたアプローチとして、スマートシティ化を捉えています」と江川氏は力説します。

CSPFC ではヘルスケアやモビリティ、デジタル教育、子育て、見守りといった様々な分科会を設置しており、そこに関連サービスを提供する様々な企業が参加してサービスの構築を進めています。どの分野であっても、すべてのニーズに単一のベンダーで対応するのは容易ではないため、各社が得意なサービスをデータ連携基盤上でシームレスにつなげることで実現しています。また、分野を超えたサービス連携も重要です。例えば、高齢者が健康イベントや通院に移動する場合、目的のイベントや病院での診察だけでなく、AI オンデマンド交通を活用して予約時間前にバスが家まで迎えに来るといったシーンが想定されます。このように、ヘルスケアだけでなくモビリティのサービスとも連携していくことで、住民に新たな価値を提供できます。

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スマートシティへの取り組みは、どの自治体にとっても不可避です。難しく考えず、まずは始められるところから手を着けることが肝要です。そうした自治体を全面的にバックアップします

江川 将偉 氏
一般社団法人コンパクトスマートシティプラットフォーム協議会 代表理事

ソリューション | スマートシティ先進国で実績ある連携基盤を日本向けに提供

CSPFC は、コンパクトスマートシティプラットフォームのデータ連携基盤として『JP-LINK』を活用しています。「エストニアやフィンランドといった北欧の国々では、行政サービスの 99.8% がデジタル化されています。これらの国々で住民目線のサービス基盤として用いられている『X-Road』を、日本の環境やニーズに沿ってローカライズしたものが JP-LINK です」(江川氏)

すでに CSPFC では、コンパクトスマートシティプラットフォームを使って大阪府の豊能町におけるスマートシティの取り組みを支援しています。同町ではスマホアプリの『とよのんコンシェルジュ』を通じてヘルスケアサービス、高齢者・子供見守りサービス、デジタル商品券やポイントサービスなどが始まっています。豊能町での活動をパイロットとして、福井県や茨城県笠間市といった自治体のプロジェクトを続々と支援。豊能町で実現した仕組みを横展開し、各自治体の課題やニーズに沿ってカスタマイズしていくことで、素早いサービス実装を実現しています。こうした活動は大きな注目を集めており、デジタル田園都市構想に基づく取り組みを考えている全国の自治体から、CSPFC への問い合わせも急速に増えています。

CSPFC はコンパクトスマートシティプラットフォームの基盤に AWS を採用し、データ連携基盤『JP-LINK』、個人情報 ID 管理システム、サービス統合アプリケーションを構築 / 運用しています。「日本政府の掲げる『クラウド・バイ・デフォルト』原則に従うと、インフラはやはりクラウドが前提となります」と江川氏は語り、AWS を選定する最大の理由に「日本政府のガバメントクラウドに採用されている安心感」を挙げます。また、CSPFC に会員として参画する企業が、主に AWS をターゲットとしてサービスを開発している点もポイントです。

導入効果 | AWS の高いセキュリティや簡便なサービス実装を活用

自治体のスマートシティを構成するシステムについては、総務省から出されている「スマートシティセキュリティガイドライン」に準拠することが必須となります。CSPFC は AWS の厳格なセキュリティポリシーのもとでシステムを運用することで、セキュリティを高めています。

「コンパクトスマートシティプラットフォームのベースとなっている X-Road には、北欧の国々が他国からのサイバー攻撃に 20 年以上も耐え続けてきた実績があります。それを AWS 上で動かすことで、さらに万全のセキュリティが実現されます」(江川氏)

また、総務省のガイドラインでは IDS(不正侵入検知システム)/IPS(不正侵入防止システム)の導入が必須となっていますが、その部分は AWS のパートナーであるトレンドマイクロの『Trend Micro Cloud One』を適用することで対応しています。
CSPFC が各自治体におけるスマートシティプロジェクトを推進する中で、AWS について特に高く評価しているのがサービス実装の簡便性です。AWS には多種多様な API 群が用意されており、最新のデジタル技術を活用したサービスがスピーディに開発できます。

「コンパクトスマートシティプラットフォームではデータベースに対して VM(仮想マシン)を実装し、VM 上にデータ連携基盤のモジュールを配備しています。それらの VM を、エンジニアでない人たちも簡単に設定できるという点が AWS の特筆すべきアドバンテージだと思います」(江川氏)

CSPFC では今後も、各自治体のスマートシティ化に向けたプロジェクトを、コンパクトスマートシティプラットフォームで支援していきます。各自治体から CSPFC への引き合いも増加の一途をたどっており、中にはアジア圏の他国からの問い合わせも寄せられているといいます。

「国外からの要請に対しても、AWS とタッグを組みコンパクトスマートシティプラットフォームとともに対応していきたいです。各ベンダーが提供するサービスをメニュー化した、例えば『スマートシティパッケージ』のようなものも提供していければ、素早く低コストにスマートシティの取り組みを展開していきたいという自治体の要請にも応えられるのではないかと考えています」と将来のビジョンを描く江川氏。今後の CSPFC の活動においても AWS は欠かすことのできないパートナーと改めて強調しています。

カスタマープロフィール:一般社団法人コンパクトスマートシティプラットフォーム協議会

2021 年 8 月 10 日設立。スマートシティ化を目指す自治体向けに、各種のデジタルサービスを提供する会員企業同士の連携で新たなサービスを創出し、自治体の抱える IT 人材不足や予算不足といった課題の解消に貢献することを目指す組織。技術・サービスに関する調査研究、ガイドラインの策定や標準化の検討および普及啓発を実施し、日本におけるスマートシティ産業の発展と新規事業創造、ひいては国民生活の向上に寄与することを目的とする。

AWS 公共部門パートナー

トレンドマイクロ株式会社

トレンドマイクロはサイバーセキュリティの世界的リーダーであり、30 年以上にわたりセキュリティの専門企業として、グローバル規模の脅威調査や製品イノベーションを続けている。世界最大の脆弱性発見コミュニティ Zero Day Initiative も運営しており、脆弱性の発見・情報提供に努めている。AWS 環境に向けては、時代とともに多様化するクラウド環境を保護する Trend Micro Cloud One を提供し、お客さまのセキュリティレベルの向上を支援している。

Trend Micro Logo

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