ENSEK が AWS のエネルギー分野向け SaaS ソリューションでエネルギー移行を加速

消費者の期待の高まり、規制圧力の強化、気候変動に対する世界的なストレスの増大により、エネルギー小売業者にとって、継続的に適応する必要性は前例のないものとなっています。これらの小売業者は、消費者のニーズとエネルギー移行をサポートするために、顧客中心の俊敏な小売ビジネスを構築する必要があります。しかし、多くの企業にとって、この複雑な市場で成功を収めることができるデジタル戦略を実行することは困難な場合があります。

Software-as-a-Service (SaaS) プロバイダーの ENSEK は、Amazon Web Services (AWS) でエネルギー小売業者向けのクラウドネイティブソリューションを構築することにより、これらの課題に対処しました。このソリューションは、顧客のライフサイクル全体をサポートし、エネルギービジネスの運営に伴う非裁量的なタスクを処理するイベント駆動型の API ファーストアーキテクチャを使用します。これにより、小売業者は運用コストを大幅に削減し、カスタマーエクスペリエンスを改善し、世界的なエネルギー移行をサポートするためにより多くのリソースを割り当てることができるようになります。

英国に本社を置き、英国、ベルギー、オーストラリア、およびニュージーランドに従業員を擁する企業である ENSEK は、エネルギー小売業者に SaaS ソリューションを提供しています。ENSEK のテクノロジーは、世界中で数百万のエネルギーメーターを支えており、複数のセクターの顧客をサポートしています。

2010 年、ENSEK は、財務上のエクスポージャーを体系的に特定し、バックオフィスの効率を最適化するデータ調整ソリューションを構築しました。このソリューションは、最終的に ENSEK の現在の SaaS 製品の基盤となりました。「当社のソリューションは常にクラウドに存在していました」と、ENSEK の事業開発ディレクターである Chris Broadhurst 氏は述べています。「当社のバランスの取れたドメインに関する専門知識と AWS のサービスを利用して、当社では、より速く、より安全にスケールすることができます。これにより、エネルギー分野のお客様のデジタルトランスフォーメーションの導入を加速することができました」

2016 年、ENSEK は、完全に AWS 上に構築された新しいソリューションを発表しました。このソリューションは、顧客のライフサイクル全体をカバーし、顧客サービスエージェント向けの自動ワークフロー、リアルタイムの請求およびセルフサービスポータル、エンドカスタマー向けのモバイルアプリケーション、使いやすいクラウドコンタクトセンターである Amazon Connect を利用したマルチチャネル通信を組み合わせたものであり、低コストで優れたカスタマーサービスを提供するのに役立ちます。

ENSEK の AWS を利用したソリューションは、エネルギー分野の顧客がソリューションをゼロから構築することなく、柔軟に独自のデジタルトランスフォーメーションを追求することを可能にします。ほとんどのケースで、ENSEK は、AWS でのオートメーションを通じて、エネルギー小売業者のコストを 50% 超削減します。新しい顧客をオンボーディングしたり、新しい地域に移動したりするときも、ENSEK は顧客ライフサイクルソリューションを迅速にデプロイできます。

例えば、ENSEK は AWS Lambda (デベロッパーがサーバーをプロビジョニングまたは管理せずにコードを実行できるサーバーレスコンピューティングサービス) を使用して、数千のマイクロサービスを実行し、ソリューションを迅速かつ自動的にスケールします。ENSEK は、AWS Lambda と、他のアベイラビリティーゾーンの障害から分離されるように設計された、AWS リージョン内の別個の場所であるアベイラビリティーゾーンを使用して、顧客管理ソリューションをさまざまな国に拡大しながら、市場投入までの時間を短縮できます。「ENSEK はお客様のニーズに合わせて迅速に対応できます。その多くでは、AWS のサービスの利用が大きな役割を占めていると言えるでしょう」と ENSEK の最高技術責任者兼共同創設者である James Kirk 氏は述べています。「当社は、ベルギー向けにローカライズされた AWS で、8 週間以内にパイロットを開始することができました」 ENSEK はまた、オーストラリアのビクトリア州で、アベイラビリティーゾーンを使用して、オーストラリアの規制を満たすようにソリューションを再構成したうえで、パイロットをわずか 16 週間でデプロイしました。AWS のサービスを利用することで、ENSEK は、さまざまな国で数か月ではなく数週間で顧客管理ソリューションを安全に実装し、より迅速にソリューションを顧客に提供できます。

ENSEK は、フルマネージドメッセージングサービスである Amazon Simple Notification Service (Amazon SNS) と、アプリケーション間を移動するメッセージを格納するための高度にスケーラブルなホストキューである Amazon Simple Queue Service (Amazon SQS) を使用してイベントバスも構築しました。毎日何百万ものイベントがイベントバスを流れます。ENSEK はそれらを使用して、スマートメーター通信、顧客向けの請求書の生成、支払いの受け取りなどのタスクを、従来のバッチベースのプロセスに依存するのではなく、リアルタイムで実行できるようにします。すべてのイベントは ENSEK Digital Insights ソリューションにもフィードされ、データへの即時アクセスを提供します。小売業者はこれを利用して、問題の事前予防的な特定、カスタマーエクスペリエンスの合理化、革新的な製品の構築、および配信速度の向上を実現することで、価値を高めることができます。

ENSEK の API ファーストのアプローチは、高度な相互運用性と柔軟性を促進し、小売業者がカスタマーエクスペリエンスを迅速に調整、反復、および改善できるようにします。「当社のソリューションは柔軟性があり、イベントベースであるため、小売業者であるお客様は当社の API を使用して、お客様自身または顧客がデータを必要なときに即座にプッシュおよびプルできるのです」と James 氏は述べています。「これにより摩擦が減り、全体的なカスタマーエクスペリエンスが改善されます」 この API ファーストの設計と柔軟性により、多くのエネルギー小売業者はビジネスをデジタルに変革することができました。実際、ENSEK の顧客は、カスタマーサービスに基づいて評判の良いエネルギー小売業者を比較する英国の組織である Citizens Advice によって作成されたランキングのトップ 5 に同社を一貫して位置付けています。

ENSEK は、AWS を利用したスケーラブルな SaaS ソリューションを通じて、世界中のエネルギー小売業者がデジタルトランスフォーメーションを実現し、将来に備えることを可能にしてきました。柔軟なソリューションにより、小売業者は、エネルギー移行の推進を進めながら、持続可能な基盤を構築することができました。今後、ENSEK は、この移行を通じて顧客をサポートすることに重点的に取り組み、エネルギー小売業者の脱炭素化、分散化、民主化、およびデジタル化の動きをサポートするテクノロジーにイノベーションを起こします。

ENSEK は、エネルギー業界に効果的なソリューションを提供し続け、小売業者が顧客のニーズを理解し、コストを最適化するのをサポートします。さらに、AWS のサービスを利用して顧客のオペレーションを継続的に改善する予定です。「当社が成功するためには、お客様のために道を切り開く必要があります」と James 氏は述べています。「AWS のチームは、当社が顧客の問題を解決するのをサポートするための真の能力と意欲を示してくれました。これは、当社の事業開発の取り組みと、ベルギーやオーストラリアへの拡大の鍵であり続けています」