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AWS のマネージドサービスをフルに活用したライブ配信プラットフォームにより
マルチチャンネル・マルチアングル対応のライブ配信を実現

2022

映画、ドラマ、アニメ、電子書籍など 21 万本以上、68 万冊以上のコンテンツを配信する株式会社U-NEXT は、2020 年に開始したマルチアングル対応のライブ配信のプラットフォームに、アマゾン ウェブ サービス(AWS)を採用。さらに 2021 年 6 月にはマルチチャンネルに対応したプラットフォームを AWS 環境で新たに構築し、国内女子ゴルフツアーを全 7 チャンネルで独占配信するなど、新たな映像体験を幅広く提供していく仕組みを着々と整えています。

AWS 導入事例  | 株式会社U-NEXT
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AWS Elemental Live と AWS Media Services を筆頭に、ライブ配信のワークフローに必要な部品がすべて揃っているため、オペレーションを複雑化させることなく、シンプルなプラットフォームが構築できました

Li Rutong(リー・ルートン) 氏
株式会社 U-NEXT CTO

コロナ禍でのライブ配信実施にオンプレと AWS の 2 系統を用意

2007 年のサービス開始以来、日本における動画配信の先駆者として著しい成長を遂げる U-NEXT。2021 年 2 月時点で課金ユーザー数は 217.9 万人、前年同時期比で約 55 万人(33%)増と、高い市場シェアを獲得しています。

ドラマや映画などのオンデマンド配信を主軸とする同社がライブ配信を始めたきっかけは、コロナ禍によりエンターテイメント業界のライブ興行の中止が増えたことにありました。2020 年 3 月に興行主・アーティスト向けに無観客収録のライブを配信するためのインフラ無償提供プログラムを開始、同年 6 月にはサザンオールスターズの無観客ライブを配信しました。「トップアーティストのライブ、宝塚歌劇団の舞台、声優のイベント、お笑いの公演、格闘技の RIZIN などをマルチアングルで配信し、2021 年 9 月時点でライブ配信の総本数は 300 を超えています」と語るのは、事業企画担当部長 兼 タレントアクイジション担当部長の柿元崇利氏です。

ライブ配信のプラットフォームは、自社データセンターのオンプレミス環境と、AWS 上に構築した環境の 2 系統で用意。同期を取りながら並行稼働させることで冗長性を確保し、1 つがダウンしても止まらない構成としています。AWS 側のプラットフォームは、オンプレミス環境で稼働するエンコーダーの AWS Elemental Live と、クラウド環境で稼働するエンコード系の AWS Media Services(AWS Elemental MediaLive、AWS Elemental MediaPackage、AWS Elemental MediaConnect、AWS Elemental MediaConvert)を用いて構築しています。

AWS の活用について CTO の Li Rutong(リー・ルートン)氏は「自社データセンターの配信プラットフォームで、AWS Elemental Live アプライアンスを長年利用してきた経緯があり、AWS 上でも同様の構成が組めます。さらに AWS Elemental MediaConnect を使って AWS Elemental Live と AWS Elemental MediaLive/AWS Elemental MediaPackage の連携がスムーズになることに加えて、非稼働時に縮退できるなどコストメリットが大きいことが決め手となりました」と語ります。

マルチチャンネルのニーズ拡大を受けてスケーラブルなプラットフォームを構築

順調にライブ配信を増やしていく中、新たなニーズも浮上してきました。複数のステージを使う音楽フェスや、スポーツ中継で複数の視点での映像が見たいという視聴者からの要望に応えるため、マルチチャンネル対応のライブ配信プラットフォームの構築に乗り出しました。
「同時間帯に配信するライブ数が増えると、オンプレミスのプラットフォームだけでは捌き切れなくなってきます。そこで AWS のスケーラビリティを活かして、マルチチャンネル対応のプラットフォームを構築することにしました。ライブ配信を初めて実施してから 1 年間、百数十台のカメラを使ったマルチアングル配信でもトラブルなく対応できた実績も鑑みて、AWS のみで構築しています」(Li 氏)

新プラットフォームも従来の AWS 環境を活かす形で、AWS Elemental Liveと AWS Media Services を継続。新たに配信で Amazon CloudFront、制御で AWS Lambda と Amazon EKS、管理で Amazon CloudWatch、Amazon EventBridge、Amazon SNS、分析で Amazon Athena と、AWS のサービスをフルに活用しています。
「AWS Elemental Live と AWS Media Services を筆頭に、ライブ配信のワークフローに必要な部品がすべて揃っているため、オペレーションを複雑化させることなくシンプルなプラットフォームが構築できました。開発期間は 3 週間足らずと、従来の 4 分の 1 の期間で済んでいます」(Li 氏)

また、今回の開発のテーマは、AWS のマネージドサービスを活用してチャンネルの拡張性が高いプラットフォームを作ることでした。その中心となっているのは、Infrastructure as Code を実現する AWS CloudFormation です。
「10 チャンネルでも 20 チャンネルでも、必要なチャンネルをわずか数十分で用意できます。複数のチャンネルを集中的に管理しながら、それぞれは干渉することなく独立し、いつでも作成・消去ができるようになっています。そのために、AWS Lambda のファンクションも新たに 10 数本作成しました」(Li 氏)

国内女子ゴルフツアーのライブ配信で 7 チャンネルのマルチアングル配信を実施

マルチチャンネル対応の新プラットフォームは、2021 年 6 月に開催された国内女子ゴルフツアーのライブ配信で初めて活用され、全 7 チャンネルのマルチアングル配信が実現し、高い評価を得ました。
「これまでのゴルフ中継は 1 つの視点しか提供できないため、ファンにとって価値ある映像を撮影できてもお届けできませんでした。そこで、今回の配信では総合チャンネルのほか、練習場・インタビューチャンネル、注目選手チャンネル、PAR3 密着チャンネルなどを用意しました。視聴者は好きな選手を追いかけたり、練習場をのぞいたりと、実際にゴルフ場に出かけて見ているような感覚になり、4 日間のツアーも飽きずに見られたといった声が寄せられています」(柿元氏)

幅広い層にアプローチできるゴルフやスポーツコンテンツの充実は、会員獲得の観点からも期待が高まります。

AWS のクラウド移行支援プログラムを活用し活用領域の拡大へ

今後は新プラットフォームを活用して、マルチチャンネル・マルチアングル対応のライブ配信を幅広いジャンルに拡大し、新たなビジネスの柱に育てていく予定です。
「視聴者の体験をよりリッチにするためには、映像だけでなく音響効果も重要になってきますので、AWS Media Services にはドルビービジョン、ドルビーアトモス、HDR など、サラウンド方式のフォーマットにも対応することを期待しています」(Li 氏)

また、新プラットフォームの構築を機に、AWS のクラウド移行支援プログラム Migration Acceleration Program(MAP)を締結。ライブ配信以外でも、適材適所で AWS の活用を進めていく計画です。「MAP の締結で、さらに AWS の活用領域を拡大していくことになります。ただしすべてをクラウド化するのではなく、オンプレミスとクラウドのメリット・デメリットを考慮し、運用面とコスト面の合理性を見ながら最適なものを採用していきます」と、Li 氏は今後の展望を語っています。

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Li Rutong 氏

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柿元 崇利 氏


カスタマープロフィール:株式会社 U-NEXT

  • 事業内容:動画配信サービス『U-NEXT』の企画開発・運用・マーケティング

AWS 導入後の効果と今後の展開

  • 顧客体験の向上、顧客満足度の向上
  • ライブ配信のジャンル拡大による新たなスポンサー獲得への期待
  • Migration Acceleration Program による AWS 活用の拡大

ご利用中の主なサービス

AWS Elemental Live

ベースバンド SDI 動画ソースの処理など、ライブ動画をオンプレミスでエンコーディングするとき、AWS Elemental Live は動画をテレビ放送での配信やインターネット接続されたデバイスへのストリーミング用に効率的にフォーマットします。

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AWS Media Services

AWS は、デジタルコンテンツの作成、変換、配信を迅速かつ簡単に実行するために、どのクラウドよりも特化したメディアサービス、ソフトウェア、およびアプライアンスを提供します。

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Amazon CloudFront

Amazon CloudFront は、データ、動画、アプリケーション、および API をすべて開発者にとって使いやすい環境で、低レイテンシーの高速転送により世界中の視聴者に安全に配信する高速コンテンツ配信ネットワーク (CDN) サービスです。

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AWS CloudFormation

AWS CloudFormation では、プログラミング言語またはシンプルなテキストファイルを使用して、あらゆるリージョンとアカウントでアプリケーションに必要とされるすべてのリソースを、自動化された安全な方法でモデル化し、プロビジョニングできます。

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