90%
口座残高の照会にかかる時間の短縮
改善
顧客とエージェントのエクスペリエンス
統合されたエージェントエクスペリエンス
コンタクトセンターにおける音声およびチャットのやり取りの管理のため
25%
セルフサービスボットの利用により相殺されることが予想される通話量
概要
WaFd Bank (WaFd) は、会話型人工知能 (AI) を活用したイノベーションを通じて、コンタクトセンターでのカスタマーエクスペリエンスを改善したいと考えていました。過去 10 年間にわたって、銀行業界には、新しい組み込み金融アプリケーションやデジタル専用銀行によってディスラプションがもたらされてきました。WaFd は、他の従来型銀行と同様、変化する顧客の期待に応えるためにデジタルで競争する必要がありました。
WaFd がオンラインバンキングソリューションを再設計した後、同行のデジタルアップグレードに向けた次の焦点はコンタクトセンターでした。WaFd は、Amazon Web Services (AWS) と、AWS Contact Center Intelligence ソリューションパートナーである Talkdesk を利用して、会話型 AI と音声識別テクノロジーを実装した新たなコンタクトセンターソリューションを構築しました。WaFd は、AI を活用した新しいソリューションを利用して、エージェントと顧客の両方のエクスペリエンスを改善しました。
機会 | Amazon Lex を利用して AI を活用したコンタクトセンターソリューションを実装
WaFd は、8 つの州に 200 超の支店を持つ米国の小売および商業銀行です。WaFd は 2019 年に、同行の顧客向けデジタルイノベーションを推進するため、フィンテックスタートアップである Pike Street Labs を子会社として設立しました。「銀行はデジタルに関するお客様の期待に応える必要があります」と WaFd Bank と Pike Street Labs の Chief Technology Officer である Dustin Hubbard 氏は述べています。「お客様は毎年、さらなるイノベーションを期待しています。なぜなら、お客様は、新規参入者や他の市場でそれを目にしているからです」。 Pike Street Labs は、パーソナライズされたカスタマーエクスペリエンスを提供するために WaFd のオンラインバンキングソリューションを再設計し、同行のカスタマーケアセンターの改善に向けて取り組み始めました。同行の以前のコンタクトセンターソリューションでは、機能が限られた時代遅れのテクノロジーが異種の複数のシステムで利用されていました。これにより、顧客の待ち時間が長くなっていました。また、エージェントは、顧客が必要としているサポートを事前に知らない状態で、かかってきた電話に応答しなければならないことに不満を感じていました。エージェントには、詐欺電話を特定するという責任も負ってました。このため WaFd は、顧客とエージェントの両方のエクスペリエンスを改善するソリューションを必要としていました。
同行は、チャットボットと音声ボットの構築を目指し、アプリケーション内の会話型インターフェイスを設計、構築、テスト、デプロイするため、高度な自然言語モデルを搭載したフルマネージド AI サービスである Amazon Lex の利用を開始しました。WaFd は、同じテクノロジーをコンタクトセンターソリューションの改善に利用して、同じテクノロジースタックですべてを強化したいと考えていました。2022 年 1 月、WaFd は新しいクラウドコンタクトセンタープラットフォームとして Talkdesk を選択しました。Talkdesk のクラウドベースのコンタクトセンターソリューションは、音声認証と従来のコールセンターのルーティングを提供します。さらに、Talkdesk は、WaFd のためにコンタクトセンタープラットフォームを Amazon Lex と統合したいと考えました。「Talkdesk のクラウドプラットフォームと AWS の会話型 AI を組み合わせることで、私が求めていたコンタクトセンターテクノロジーの包括的なスタックを手に入れることができました」と Hubbard 氏は述べています。「AWS の会話型 AI は非常に優れており、さまざまなアクセントや話し方を正しく理解できます」。
当行は、会話ログを通じて AWS から信じられないほどのデータを取得しています。この結果、お客様が求めているサポートについてのインサイトが得られ、セルフサービス機能をさらに追加できるようになりました”
Dustin Hubbard 氏
WaFd Bank および Pike Street Labs、Chief Technology Officer
ソリューション | カスタマーエクスペリエンスを改善し、通話時間を最大 90% 削減
WaFd は AWS および Talkdesk チームと連携して、新しいコンタクトセンターソリューションを生み出し、2022 年 7 月にその利用を開始しました。3 社はいずれも顧客中心主義であり、可能な限り最高のカスタマーエクスペリエンスを実現するために協力してきました。AI を活用したコンタクトセンターシステムでは、音声生体認証を利用して顧客を認証します。顧客は本人確認情報として音声を利用することを選択できるため、音声ベースのバンキングを実行し、詐欺電話を防ぐことができます。また、このコンタクトセンターソリューションは、エージェントを支援するためユーザーのアカウント情報を自動入力し、エージェントが問題を迅速に解決するために必要な情報を入手できるようにします。これにより、処理される通話量が増加し、エージェントのエクスペリエンスが改善されました。さらに、このシステムは、人間のエージェントを介さずに、特定の顧客のリクエストを処理するセルフサービスバーチャルエージェントを提供します。例えば、口座残高を確認するために電話をかけてきた顧客 (WaFd の通話の 20% に相当) は、人間のエージェントが応答するのを待つことなく、音声認証を利用して口座残高を確認できます。顧客は電話で口座残高を 28 秒で確認できるようになりました。当初は 4 分 30 秒かかっていたことを踏まえると、これは 90% の時間短縮です。
WaFd は以前、カスタマーケアセンターで音声およびチャットベースの 2 つの異なるシステムを利用し、顧客とのやり取りを管理していましたが、一方のシステムはエージェントが他方のシステムで対応中であることを認識できませんでした。エージェントがチャットシステムにサインインし忘れると、チャットメッセージは応答されないままになっていました。そこで同行は、Amazon Lex を利用したチャットボットと音声ボットを実装しました。現在、通話システムとチャットシステムは相互運用が可能で、必要に応じて、チャットをエージェントが対応する通話にエスカレーションできます。通話がエージェントに渡される際に、システムは完全なチャット記録と顧客の口調の分析結果も渡すため、エージェントはクライアントのニーズに対応し、発信者の感情に共感できるよう準備できます。
WaFd は、AWS 上のデータレイクを利用して、電話やチャットボットの会話からのデータを保存および分析しています。「当行は、会話ログを通じて AWS から信じられないほどのデータを取得しています」と Hubbard 氏は述べています。「これにより、お客様が求めているサポートについてのインサイトが得られ、セルフサービス機能をさらに追加できるようになりました」。 また、このデータにより、WaFd は通話量についてのさらなるインサイトを得ることができるため、コールセンターはスタッフのスケジュールをより適切に管理できるようになります。
WaFd は、会話型 AI を備えた AWS Contact Center ソリューションを利用してより多くの顧客とのやり取りを処理できるため、この新しいコンタクトセンターソリューションがエージェントの通話量を 30% 削減してくれると見ています。目標は、人間のエージェントにつなげにくくすることではなく、セルフサービスをより利用しやすくすることにあります。さらに同行は、顧客とのやり取りがチャットボットなどの低コストで効率の高いチャネルに移行し、将来的には通話量の約 25 % が相殺される可能性があると予想しています。しかし、より大きな影響があるのは銀行の顧客満足度です。これはネットプロモータースコア (顧客が他者にその銀行をどの程度推奨したいかという尺度) の増大によって示されます。過去数年間にわたる WaFd のイノベーションにより、同行のネットプロモータースコアは 12 から 50 超に増大しました。この数値は、銀行業界では優れているとみなされます。この改善は、WaFd の顧客に対するコミットメントの証です。
WaFd Bank のソリューションの詳細については、こちらをご覧ください。
成果 | カスタマーエクスペリエンスをさらに改善するためのイノベーション
WaFd はまた、高品質で自然な人間の声をデプロイする AWS の AI サービスである Amazon Polly を利用してチャットボットと音声をリンクさせ、顧客が文字を打つ代わりに音声を利用してバーチャルエージェントと会話できるようにしています。長期的に WaFd は、会話型 AI と Talkdesk のソリューションを組み合わせることでコストが削減され、ボイスメールの量と通話放棄率が減少すると期待しています。これらの改善により、多くの一般的な銀行取引での問題をセルフサービスを通じて迅速に解決できるようになるため、顧客満足度の向上と従業員のエクスペリエンスの改善に役立ちます。WaFd はこれを、会話型 AI と音声生体認証を利用したイノベーションジャーニーの始まりにすぎないと考えています。
「問題を軽減するためのイノベーションを、最初に市場にもたらしたいのです」と Hubbard 氏は述べています。「WaFd は、高度な AI 機能を備えたデジタルファーストのバンキングエクスペリエンスを構築しています。当行は、独創的に考え、既存のテクノロジーを新しい方法で適用することで、銀行業務にどのようなイノベーションをもたらすことができるのかを示しているのです」。
WaFd Bank について
WaFd Bank はワシントン州シアトルに拠点を置く銀行で、8 つの州で 200 超の支店を設けています。
利用している AWS サービス
Amazon Lex
Amazon Lex は、アプリケーションにおける会話型インターフェイスを設計、構築、テスト、およびデプロイするための高度な自然言語モデルを備えた、フルマネージド人工知能 (AI) サービスです。
Amazon Polly
Amazon Polly は深層学習テクノロジーを使用して、人間のように自然な音声を合成し、記事を音声に変換することができます。さまざまな言語で数多くのリアルな音声を利用して、音声起動型アプリケーションを構築することができます。
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AWS Contact Center Intelligence ソリューション
機械学習をコンタクトセンターに統合することで、カスタマーサービスのエクスペリエンスを改善し、コストを削減できます。インテリジェントなチャットボットや音声ボット、音声感情分析、ライブ通話分析、エージェント支援、通話後分析などを通じて、顧客とのあらゆるやり取りをパーソナライズし、顧客満足度を全体的に向上させます。
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