Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2025/2/3週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの戸塚です。今週も 週刊AWS をお届けします。
まだまだ寒い日が続きますが、みなさんいかがお過ごしですか。私は寒いのが苦手なので、家でゆっくりしたい派です。
少し先のイベントですが、AWS Innovate Generative AI + Data | 2025 年 3 月 6 日開催の参加登録が開始しました。AWS だけでなくお客様からの実際のユースケースのセッションも盛りだくさんです。ぜひ、ご参加ください。
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。
2025 年 2 月 3 日週の主要なアップデート
- 2/3(月)
- AWS CodeBuild が Buildkite と統合されました
AWS CodeBuild は、セルフホスト Buildkite ランナーのネイティブサポートを提供し、CodeBuild 環境内で Buildkite パイプラインジョブを実行できるようになりました。 AWS CodeBuild は、ソースコードをコンパイルし、テストを実行し、デプロイ準備の整ったソフトウェアパッケージを生成する、フルマネージド継続的インテグレーションサービスです。 - Amazon EC2 で Microsoft SQL Server の VSS を使用した自動復旧をサポート
Amazon EC2 において、VSS (Volume Shadow Copy Services) を使用した EBS スナップショットからの自動復旧が可能になりました。この機能により、実行中の Microsoft SQL Server データベースを停止することなく、AWS Systems Manager の Automation Runbook を使用して特定の時点への復旧を自動化できるようになりました。VSS は、アプリケーションが実行中でもデータのバックアップを取ることができる機能です。従来は手動で行っていた復旧作業が自動化され、大規模なデータベースでも数分以内に復旧できるようになります。また、新しいデータベースとして復元したり、特定の時点への復旧を行ったりすることも可能です。
- AWS CodeBuild が Buildkite と統合されました
- 2/5(水)
- AWS Step Functions で AWS アカウントあたり 100,000 個のステートマシンとアクティビティをサポート
AWS Step Functions は、AWS のサービス間の連携を視覚的に構築できるワークフローサービスです。今回のアップデートでは、1 つの AWS アカウントで作成できるステートマシンとアクティビティの上限数が、従来の 10,000 から 100,000 へと 10 倍に引き上げられました。ステートマシンとは、システムの処理の流れを定義したものです。この変更により、より多くのワークフローを単一の AWS アカウント内で管理できるようになり、特に動的にワークフローを生成するようなアプリケーションの開発がしやすくなりました。このクォータの引き上げは自動的に全ての AWS アカウントに適用され、お客様側での特別な設定は不要です。 - AWS IAM が暗号化された SAML アサーションのサポートを発表
AWS IAM において、SAML 認証情報の暗号化サポートが開始され、セキュリティが大幅に強化されました。SAML は多くのアイデンティティプロバイダー (IdP) が利用するオープンな標準規格で、シングルサインオン (SSO) を実現するために使用されます。この仕組みを通じて、企業のユーザーやアプリケーションは AWS Management Console へのログインや AWS API の呼び出しを行うことができます。今回のアップデートの主な特徴は、アイデンティティプロバイダーが IAM に送信する SAML 認証情報を暗号化できる点です。その結果、SAML 認証情報が中間者(エンドユーザーのウェブブラウザなど)を経由する場合でも、暗号化された状態で安全に転送されることが保証されます。 - AWS Wickr でファイルを整理・アクセスできる専用スペースを提供開始
AWS Wickr に、ファイルを整理してアクセスするための専用スペース機能が追加されました。AWS Wickr は、セキュリティを最優先したメッセージングおよびコラボレーションサービスです。この新機能「Wickr Files」により、会話の中でファイルの管理がより便利になりました。Wickr ルームのモデレーターや、自己管理型のグループ会話のユーザーは、フォルダにファイルをアップロードして整理することができるようになりました。また、「Messages」と「Files」のタブを切り替えることで、必要なコンテンツにアクセスし、コラボレーションを効率化することができます。 - Amazon Q Business がユーザークエリ管理のオーケストレーションを導入
Amazon Q Business の新機能として、ユーザーの問い合わせ管理のためのオーケストレーション機能が導入されました。Amazon Q Business は、仕事に関する情報検索、洞察の獲得、アクションの実行をサポートする生成 AI アシスタントです。今回のアップデートでは、ユーザーからの問い合わせを理解し、適切なデータソースやプラグインに自動的に振り分けて、関連性の高い回答を生成する機能が追加されました。これまでは、ユーザーが業務上の作業を完了し、データソースから洞察を得るために、異なる業務アプリケーション間を手動で切り替える必要がありました。しかし、このオーケストレーション機能により、ユーザーの問い合わせを企業固有のデータソースやプラグインに自動的に振り分けることで、手動での選択が不要になり、会話体験が大幅に向上しました。
- AWS Step Functions で AWS アカウントあたり 100,000 個のステートマシンとアクティビティをサポート
- 2/6(木)
- Cost Optimization Hub が EC2 Auto Scaling グループの推奨事項をさらに拡充
Cost Optimization Hub の機能が強化され、EC2 Auto Scaling グループに関する新しいコスト最適化レコメンデーションが追加されました。今回のアップデートにより、アイドル状態の EC2 Auto Scaling グループの検出と、スケーリングポリシーや複数のインスタンスタイプを持つ EC2 Auto Scaling グループのサイジング推奨機能が利用できるようになりました。さらに、スタンドアロンの EC2 インスタンスとは別に、EC2 Auto Scaling グループを簡単にフィルタリングして集計できるため、コスト削減の可能性が高い EC2 Auto Scaling グループを特定しやすくなりました。 - Amazon Q Developer で Pro tier サブスクリプションの新しい簡素化されたセットアップ機能を導入
Amazon Q Developer の Pro プランのセットアップ体験が新しく改善されました。Amazon Q は AWS が提供する開発者向けの AI 支援ツールで、今回のアップデートでは特に Pro プランの導入をよりシンプルにする改善が行われました。新しいセットアップ方法では、統合開発環境 (IDE) で Amazon Q Developer を試してみたいユーザーやチーム向けに、わずか 2 ステップの簡単なセットアップフローが用意されました。 - Amazon GuardDuty の S3 向けマルウェア保護の料金が値下げ
Amazon GuardDuty Malware Protection for S3 の価格が大幅に値下げされました。この機能は、Amazon S3 バケットに新しくアップロードされるオブジェクトに対してマルウェアスキャンを実施する、フルマネージドなセキュリティサービスです。2025 年 2 月 1 日より、データスキャンに関する料金が 85% 引き下げられます。これは、スキャンインフラストラクチャとデータ処理の効率化により実現した改善を、AWS のポリシーに基づいてお客様に還元するものです。GuardDuty Malware Protection for S3 の料金は、評価されるオブジェクトの数とスキャンされるデータ量の 2 つの要素に基づいて計算されます。今回の価格改定では、データスキャンの料金が引き下げられ、例えば US East (バージニア北部) リージョンでは、1 GB あたり $0.60 から $0.09 に下がります。 - Amazon RDS for Oracle が 2025 年 1 月のリリースアップデートをサポート
Amazon RDS for Oracle において、Oracle Database 19c および 21c に対する 2025 年 1 月のリリースアップデート (RU) のサポートが開始されました。このアップデートにより、Oracle データベースの最新のセキュリティパッチや機能改善が適用できるようになります。Amazon RDS for Oracle の各エンジンバージョンでサポートされている Oracle RU の詳細については、Amazon RDS for Oracle のリリースノートで確認することができます。自動マイナーバージョンアップグレード (AmVU) オプションを有効にしている場合、AWS リージョンで Amazon RDS for Oracle が提供を開始してから 6 〜 8 週間後に、データベースインスタンスが最新の四半期 RU に自動的にアップグレードされます。これらのアップグレードは、事前に設定されたメンテナンスウィンドウの時間帯に実行されます。
それでは、また来週お会いしましょう!
著者について
- Cost Optimization Hub が EC2 Auto Scaling グループの推奨事項をさらに拡充