Amazon Web Services ブログ

サーバーレス関連の見逃し情報 2025 年第 4 四半期

本記事は、2026 年 1 月 30 日に公開された Serverless ICYMI Q4 2025 を翻訳したものです。翻訳は Solutions Architect の 齋藤 拓巳が担当しました。

最新のサーバーレスイノベーションを把握して、アプリケーションの変革に役立てましょう。
この第 31 回四半期レビューでは、2025 年第 4 四半期に発表された、見逃しているかもしれない AWS サーバーレスの重要なリリース、機能、リソースをご紹介します。

前回の ICYMI を見逃した方は、2025 年第 3 四半期の内容をご確認ください。

2025 年第 4 四半期カレンダー

2025 年第 4 四半期カレンダー

re:Invent 2025 におけるサーバーレス

この記事では、re:Invent 2025 で発表された主要なサーバーレス関連のアナウンスを取り上げ、アプリケーションの改善に役立つ重要な機能アップデートを紹介するとともに、最新情報を把握するための有用なリソースを共有します。

AWS re:Invent 2025 には 60,000 人以上が現地参加し、基調講演には 200 万人以上のオンライン視聴者が集まりました。
イベントでは 3,000 人のスピーカーによる 3,500 のセッションが開催され、530 の AWS サービスおよび機能のアナウンスに関する情報が紹介されました。

基調講演 サーバーレスムーブメントの火付け役

基調講演 サーバーレスムーブメントの火付け役

サーバーレス関連のコンテンツは、Containers and Serverless (CNS) と Application Integration (API) の 2 つのトラックで構成されていました。
これらのトラックでは 150 種類のセッションが開催され、16,000 人を超える参加者が現地で視聴しました。
開発者向けの体験として、Road to re:Invent Hackathon、AWS Builder Loft、Builders Arena が用意されていました。
サーバーレステクノロジーで運営されるコーヒーショップ Serverlesspresso は、イベント期間中、Expo Hall と認定資格ラウンジの 2 か所で営業していました。

サーバーレスおよび開発者コミュニティの写真

サーバーレスおよび開発者コミュニティの写真

厳選されたサーバーレス動画のリストは Serverless Land YouTube でご覧いただけます。

AWS Lambda durable functions

マルチステップのサーバーレスワークフローにおける状態管理には、従来、複雑な外部オーケストレーションツールが必要でした。
AWS Lambdadurable functions は、開発者が Lambda を活用する方法を拡張します。
信頼性の高いマルチステップのアプリケーションや AI ワークフローを Lambda 内で直接構築できるようになりました。

AWS Lambda durable functions code

AWS Lambda durable functions のコード

durable functions は、実行中の重要なポイントで現在の状態と完了したステップを保存することで、自動的に進捗のチェックポイントを保存します。
これにより、長時間実行されるタスク中に最大 1 年間実行を一時停止でき、障害が発生した場合も最初からやり直すのではなく最後のチェックポイントから再開して復旧できます。しかも追加のインフラストラクチャ管理は一切不要です。

開発者は Python または TypeScript で構築し、自動リトライとチェックポイント機能を備えたステップで呼び出しをラップできるようになりました。
wait を使用すると、アイドル状態のコンピューティングに課金されることなく、数分、数時間、最大 1 年間まで実行を一時停止できます。
durable functions はリプレイメカニズムを使用して状態を維持し、障害を適切に処理します。
このメカニズムは、障害からの復旧時にチェックポイントから関数コードを再実行することで動作し、データを失うことなく状態の一貫性を確保します。
これにより、多くのユースケースで複雑な外部オーケストレーションツールが不要になります。
外部インフラストラクチャを管理することなく信頼性の高い状態管理が必要な AI ワークフローやマルチステップアプリケーションに特に役立ちます。

詳細については、発表ブログ記事をお読みいただくか、re:Invent ブレイクアウトセッションの動画をご覧ください: Deep Dive on AWS Lambda durable functions (CNS380)

AWS Lambda Managed Instances

Lambda は、Lambda Managed Instances という新しいコンピューティングオプションを提供開始しました。これは Amazon EC2 の柔軟性とフルマネージドインフラストラクチャを組み合わせたものです。
AWS がインスタンスのプロビジョニング、スケーリング、メンテナンスを自動的に処理しながら、Graviton4、ネットワーク最適化インスタンス、その他の特殊なコンピューティングオプションを含む EC2 の幅広い機能にアクセスできます。

AWS Lambda Managed Instancesの設定

AWS Lambda Managed Instancesの設定

関数は、お客様のアカウントの専用 EC2 キャパシティ上で、お客様自身の Amazon Virtual Private Cloud (Amazon VPC) 内で実行されます。
OS パッチ適用、ロードバランシング、オートスケーリングなどの運用オーバーヘッドは引き続き AWS が管理します。
これにより、サーバーレスの運用モデルを維持しながら、特殊なハードウェアオプションにアクセスできます。
Compute Savings PlansReserved Instances などの EC2 料金モデルを Lambda ワークロードに活用することで、コストをさらに最適化できます。
各インスタンスは複数の同時リクエストを処理できるため、予測可能な料金体系と特定のハードウェア要件が重要な、大量かつ定常的なワークロードに特に適しています。

詳細については、発表ブログ記事をお読みいただくか、re:Invent ブレイクアウトセッションの動画 Lambda Managed Instances: EC2 Power with Serverless Simplicity (CNS382) をご覧ください。

その他の Lambda に関する発表

マルチテナント SaaS アプリケーションには、テナント間のデータ漏洩や、あるテナントのワークロードが他のテナントに影響を与えるノイジーネイバー問題といった課題があります。
また、カスタムの分離メカニズムの実装にも苦労してきました。
テナント分離モードは、テナントごとに個別の実行環境で関数の呼び出しを処理することで、これらの課題に対処します。
これにより、テナントレベルのコンピューティング環境の分離が自動的に管理されます。

AWS Lambda tenant isolation

AWS Lambda tenant isolation

Lambda は Amazon SQS イベントソースマッピングに Provisioned Mode を追加しました。これにより、高スループットの SQS 処理ワークロードにおいて、予測可能なパフォーマンスとコールドスタートの削減を実現します。

非同期 Lambda 呼び出しで最大 1 MB のデータを送信できるようになりました。
従来の 256 KB から引き上げられ、より複雑なデータ処理シナリオの構築が可能になります。

Lambda 関数は IPv6 ネットワーキングをサポートするようになったため、VPC に接続された関数からインターネットや他の AWS サービスにアクセスする際に NAT Gateway が不要になりました。

Lambda internet connectivity through a NAT Gateway (IPv4) and Lambda internet connectivity through an egress-only internet gateway (IPv6).

NAT Gateway を介した Lambda のインターネット接続 (IPv4) と、Egress-Only インターネットゲートウェイを介した Lambda のインターネット接続 (IPv6) です。

Lambda の Rust サポートが一般提供 (GA) になり、実験的ステータスから移行しました。
これは AWS サポートおよび Lambda の可用性 SLA の対象となります。

Lambda は、Python 3.14Node.js 24Java 25 をマネージドランタイムおよびコンテナベースイメージとして追加し、ランタイムサポートを拡充しました。
これにより、最新の言語機能を利用でき、長期サポートも確保されます。

Amazon ECS

Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS) Express Mode は、従来開発者の作業を遅らせていたインフラストラクチャのセットアップを自動化することで、コンテナ化されたアプリケーションのデプロイと管理を効率化します。

Amazon ECS Express Mode デプロイメント

Amazon ECS Express Mode デプロイメント

これにより、AWS のベストプラクティスを活用して自信を持ってデプロイしながら、アプリケーションの構築に集中できます。
Express Mode では、単一のコマンドで本番環境対応のコンテナ化された Web アプリケーションと API をデプロイできます。
シンプルな API を通じて、ドメイン、ネットワーキング、ロードバランシング、AWS Identity and Access Management (IAM) ロール、オートスケーリングが自動的に処理されます。
アプリケーションが進化し、高度な機能が必要になった場合は、Amazon ECS を含むリソースのすべての機能をシームレスに設定してアクセスできます。
詳細については、発表ブログ記事をご覧ください。

Amazon ECS は、AI を活用した開発・運用体験を実現するフルマネージド型の MCP サーバーのパブリックプレビューを発表しました。
この Model Context Protocol (MCP) サーバーは、自動更新とパッチ適用、AWS IAM 統合による一元的なセキュリティ管理、AWS CloudTrail を通じた包括的な監査ログ、そして AWS が実証済みのスケーラビリティ、信頼性、サポートといったエンタープライズグレードの機能を提供します。

Amazon Elastic Container Registry (ECR)マネージドコンテナイメージ署名は、セキュリティ体制を強化し、署名のセットアップにかかる運用上のオーバーヘッドを排除します。
コンテナイメージ署名により、イメージが信頼できるソースからのものであることを検証できます。
ECR は、イメージがプッシュされる際に、プッシュしたエンティティの ID を使用して自動的にイメージに署名します。
署名操作は CloudTrail を通じてログに記録されるため、完全な監査が可能です。

Amazon API Gateway

Amazon API Gateway では、レスポンスペイロードをクライアントに段階的にストリーミングすることで、REST API の応答性を向上させることができます。
この新機能により、ストリーミングレスポンスを使用して、LLM 駆動のアプリケーション (AI エージェントやチャットボットなど) を構築する際のユーザーエクスペリエンスの向上、Web およびモバイルアプリケーションの Time-to-First-Byte (TTFB) パフォーマンスの改善、大容量ファイルのストリーミング、Server-Sent Events (SSE) などのプロトコルを使用した増分的な進捗報告を伴う長時間実行オペレーションの実行が可能になります。

Amazon API Gateway streaming

API Gateway は、Application Load Balancer (ALB) とのプライベート統合を導入しました。
これにより、ALB をパブリックインターネットに公開することなく、VPC ベースのアプリケーションを REST API を通じて安全に公開できます。

API エンドポイントやカスタムドメイン名に強化された TLS セキュリティポリシーを設定できるようになり、API のセキュリティ体制をより細かく制御できるようになりました。

Amazon EventBridge

Amazon EventBridge に、カスタムアプリケーションや 200 以上の AWS サービスからのイベントを開発者が発見しサブスクライブできる拡張ビジュアルルールビルダーが導入されました。
このコンソールベースのインターフェースは、EventBridge のスキーマレジストリと包括的なイベントカタログ、直感的なドラッグアンドドロップキャンバスを統合し、イベント駆動型アプリケーションの構築を簡素化します。
開発者は、個々のサービスのドキュメントを探し回ることなく、すぐに利用可能なサンプルペイロードやスキーマを使ってイベントを閲覧・検索できます。
スキーマ対応のビジュアルビルダーが、イベントフィルターパターンやルールの作成をガイドし、構文エラーを削減して開発時間を短縮します。

EventBridge では、SQS フェアキューをターゲットとして指定することもできます。

AWS Step Functions

AWS Step Functions では、TestState API を通じて強化されたローカルテストが可能です。
AWS にデプロイすることなく、包括的なテスト機能にプログラムからアクセスできます。
これにより、開発マシン上でワークフロー定義をローカルに検証する自動テストスイートを構築できます。
お好みのテストフレームワークを使用して、エラーハンドリングパターン、データ変換、モックサービス統合をテストしましょう。

また、新しいメトリクスダッシュボードも追加され、アカウントレベルとステートマシンレベルの両方でワークフローの運用状況を可視化できるようになりました。

その他の発表

Savings Plans の柔軟な料金モデルが、Database Savings Plans のローンチにより AWS マネージドデータベースサービスにも拡張されました。
1 年間の一定量の使用量 ($/時間) をコミットすることで、データベースコストを最大 35% 削減できます。
割引は毎時間、対象のデータベースサービス全体の適格な使用量に自動的に適用され、コミットメントを超える追加使用量はオンデマンド料金で課金されます。

Amazon DynamoDBグローバルセカンダリインデックスでの複数属性複合キーをサポートするようになりました。
これまでは値を手動で連結して合成キーを作成する必要があり、新しいインデックスを追加する前にデータのバックフィルが必要になることもありました。
今後は、最大 8 つの既存属性を使用してプライマリキーを作成できるため、多様なアクセスパターンのモデリングや新しいクエリ要件への対応が容易になります。

Amazon Bedrock は、信頼性の高い AI エージェントを大規模にデプロイするための品質評価とポリシーコントロールを備えた AgentCore を発表しました。

Bedrock には 18 のフルマネージドオープンウェイトモデルも追加され、開発者が利用できる AI モデルの選択肢が拡大しました。

Strands Agents SDK は、モデル駆動型のアプローチで AI エージェントをわずか数行のコードで構築・実行できるオープンソースフレームワークです。
TypeScript のサポートがプレビューとして利用可能になり、Strands Agents の構築に Python と TypeScript のどちらかを選択できるようになりました。

Amazon S3 Vectors が一般提供開始となりました。
S3 Vectors は、AI エージェント、推論、検索拡張生成 (RAG)、セマンティック検索を数十億ベクトル規模で実現する、専用設計されたコスト最適化済みのベクトルストレージを提供します。

サーバーレスに関するブログ記事

10 月

11 月

Serverless Office Hours

毎週火曜日の午前 11 時 (太平洋時間) に開催されるライブストリームにぜひご参加ください。サーバーレステクノロジーに関するライブディスカッション、Q&A セッション、深掘りセッションを行っています。
エピソードは serverlessland.com/office-hours でオンデマンドでもご視聴いただけます。

10 月

11 月

12 月

さらに詳しく知りたい方へ

サーバーレスのランディングページには、サーバーレスアプリケーションの構築に関する全般的な情報があります。
Lambda リソースページには、ケーススタディ、ウェビナー、ホワイトペーパー、お客様事例、リファレンスアーキテクチャ、さらに多くの入門チュートリアルが掲載されています。

Serverless Developer Advocacy チームをフォローして、最新ニュースの確認、会話のフォロー、チームとの交流もできます。

最後に、サーバーレスに関するあらゆる情報については Serverless Land をご覧ください。