AWS JAPAN APN ブログ
[内製化支援推進] ANGEL Dojo for エンドユーザー with AWS パートナー 遂に最終報告会!
2021年6月3日より、お客様のIT内製化を支援する取り組みの一環として、「ANGEL Dojo for エンドユーザー & AWS パートナー」を開始致しました。
内製化支援推進については、こちらのブログ「内製化支援推進 AWSパートナー」も是非ご参照ください。
ANGEL Dojo は参加企業から選出いただいた4〜6名のメンバーでチームを組んでいただき、3ヶ月間でサービスの企画から実際にプロトタイプ作成をしていただくことで、AWS を活用したチーム開発を体感いただく実践型のトレーニングです。
今回の ANGEL Dojo にはエンドユーザー企業、AWS パートナー含め、13社65名の方にご参加いただきました。
9/3に最終発表を実施したので、その様子とそれまでに参加者の皆様に参加いただいたワークショップと講義についてご紹介していきます!
これまでの内製化支援推進 ANGEL Dojoはこちらのブログでもレポートしております。
- [内製化支援推進] ANGEL Dojo for エンドユーザー & AWS パートナー 開始しました!
- [内製化支援推進] ANGEL Dojo for エンドユーザー with AWS パートナー 日々のチーム開発と相談会
- [内製化支援推進] ANGEL Dojo for エンドユーザー with AWS パートナー 中間報告会
中間報告会終了後、講義やワークショップを経てサービスを洗練化!
BizDevOpsワークショップ・ライブアーキテクチャレビュー・Well-Architectedセッションにてサービス及びアーキテクチャを改善する
ANGEL Dojoでは開発を促進するための多くのトレーニングを提供しています。
7/30の中間発表後にはサービスやアーキテクチャをよりよくするための、以下のワークショップ・講義を実施しました。
- BizDevOpsワークショップ:サービスの事業化に向けて、サービスの目的や事業計画を検討するワークショップ
- ライブアーキテクチャレビュー:チームをピックアップし、スペシャリストによるアーキテクチャの公開レビュー
- アーキテクチャの改善点や考慮が漏れていたところを知れました。また、他のチームのレビューを見ることも参加者の学びにつながる機会になります。
- Well-Architected Framework基礎:Well-Architected Frameworkを学び、チームをピックアップして公開レビュー
- AWSの設計のベストプラクティスが集まったWell-Architected Frameworkを知ることでアーキテクチャで考慮が必要な点を再確認できます。特に信頼性、運用、セキュリティの観点でのチェックをレビューにて実施しました。 Well-Architected Frameworkについてはこちらをご参照ください。
- 運用管理・監視基礎:運用の考え方とどういう監視が必要かを講義
- ANGEL Dojo終了後にサービスをどうやって運用監視していくのかを学んでいただきました。
特に、BizDevOpsワークショップでは今回ANGEL Dojoの中で開発したサービスをビジネスとして継続していくための検討をするワークショップを実施しました。ワークショップの中で、ANGEL Dojoで開発しているサービスの目的を再整理し、プライシングを検討して簡易事業計画を作っていただくことで、テクニカルな観点以外にも視野を広げていただくという取り組みを行っていただきました。
参加者からは本ワークショップについて以下のようなコメントもいただいており、参加者の皆様から有用なトレーニングとして評価いただきました。
- 事業計画で収支について考える機会がなかなかなかったので、苦労しました。しかし経験としてかなり良いものだったと思います。
- 今まではサービスの開発だけをやってきたので、サービスを作るためにはこのような段階を踏まないといけないというのは良い学びでした。
- 経営観点/事業観点からサービスを考えることがはじめてでしたのでとても良い経験となりました。
9/3 最終発表会で全チームがサービスのDEMOとプレゼンテーション
そしていよいよ9/3に最終発表会を実施しました。
最終発表会では全てのチームから3ヶ月間の集大成として企画・開発したサービスをプレゼンテーションしていただきました。最終発表の様子はストリーミング配信を行い、ご参加企業によっては社長や執行役員などのエグゼグティブの方がご視聴いただいた企業もあり、参加企業の方々からも注目度が高いイベントとなりました。
プレゼンテーションは1チーム12分間で、以下のようなコンテンツを含めてサービスの価値をご紹介いただきました。
- どんな課題を抱えている人に対して、このサービスでどのように課題を解決するのか
- サービスを実現するためにどんなアーキテクチャを考えたか
- 具体的なサービスイメージが想像できるようなデモ
- ANGEL Dojo終了後のサービス展開
すべてのチームからサービスのデモを見せていただき、サービスとして実際に稼働していても違和感がないほどレベルが高いものも多くありました。アーキテクチャの観点においても、サーバーレスアーキテクチャを採用いただいたり、各種AIサービスを組み込むなど、参加企業各々がそれぞれの状況において、積極的に新しい取り組みをされていました。
それぞれのチームが三者三様なプレゼンテーションをされていましたが、特に印象的だったチームは、BizDevOpsワークショップにて事業計画を検討した結果、残念ながらサービスへの投資はしないことに決めたという思い切った決断をされたチームでした。
これまで何度か開催してきたANGEL Dojoではこういった経営的な決断をしたチームはなく、今回新しく取り入れたBizDevOpsワークショップにて参加者の皆様にビジネスの視点でサービスと向き合っていただいた効果が出ているとAWSメンバーも良い驚きを感じました。
そしていよいよ賞の発表!
最終発表では以下の2つの賞をユーザー企業・パートナー企業で選定させていただきました。
- ANGEL賞:ビジネス的に優れている / サービス全体の完成度という観点で参加者と聴講者から投票
- ベストアーキテクチャ賞:AWSJ の Solutions Architect および Partner Solutions Architect にてWell-Architectedの観点で選定
どのチームも素晴らしいサービスを開発いただいており、ベストアーキテクチャ賞の選定はとても迷いました。多くのチームがサーバレスなサービスを活用することで開発効率を上げており、かつInfrastructure as CodeやCI/CDを使って開発を進められていました。
ユーザー企業チーム・パートナー企業チームで以下のような結果となりました。
ユーザー企業チーム
- ANGEL賞
- 第1位:戸田建設株式会社
- 第2位:株式会社サンエー
- ベストアーキテクチャ賞
- 第1位:戸田建設株式会社
- 第2位:タック株式会社
パートナー企業チーム
- ANGEL賞
- 第1位:混合チーム(クラスメソッド株式会社 / 株式会社サーバーワークス)
- 第2位:SCSK株式会社
- ベストアーキテクチャ賞
- 第1位:混合チーム(クラスメソッド株式会社 / 株式会社サーバーワークス)
- 第2位:SCSK株式会社
甲乙付け難い中で、今回ベストアーキテクチャ賞の1位を受賞された戸田建設様と混合チーム(クラスメソッド株式会社 / 株式会社サーバーワークス)は、Well-Artchitected5本の柱に合わせてアーキテクチャの考慮事項を説明いただいており、今後の拡張性もしやすいサービスを作られていたという観点で、賞の選定をさせていただきました。
優勝チームからのコメント
ユーザー企業チームでダブル受賞された戸田建設株式会社 宮﨑様
「参加企業の方々、またAWSの方々から評価頂き、ダブル受賞をさせて頂けたことを嬉しく思います。参加時点では、サービス企画もチーム開発も未経験、AWSもあまり触ったことがないという状況であり、どちらかというと不安な3ヶ月でした。一方、始まってからは企画講座(Working Backwards)、各種サービスのハンズオン、技術相談会など様々なコンテンツ、サポートがあり、当初の不安を払拭しながら、チームとしての成長感覚を得ることができる3ヶ月間になりました。その為、Angel Dojoに参加させて頂いて非常に良かったと感じております。今後もAngel Dojoでの学びを活かし、当社としての内製化の実現を目指していきたいと考えております。」
パートナー企業チームでダブル受賞されたクラスメソッド株式会社 春田様
「大変光栄です!メンバーそれぞれがチャレンジングなことをしながらも開発は順調に進み、短期間で質の高いプロダクトをリリースすることができました。対面で一度も会ったことないですが、メンバーと楽しく開発できたのも良い思い出です。ANGEL Dojoでの経験はとても実践的で、自身の開発や考え方に対してもかなり良い刺激をもらいました。AWSJさんをはじめとする関係者の方々が築き上げていったこの場と経験が無駄にならないよう、若手メンバー一同、これからも日々鍛錬していきます。本当にありがとうございました!」
パートナー企業チームでダブル受賞された株式会社サーバーワークス 行武様
「この度、混合チームとして『ANGEL賞』1位と『ベストアーキテクチャ賞』1位を頂戴したこと、光栄に思います。3ヶ月間、様々な形で参加者をサポートしてくださったAWS Japanの皆様とメンターの皆様に感謝いたします。本企画を通して、今まで以上にユーザー視点を意識して、サービスの企画・設計・開発・改善に取り組むことができました。この経験を活かして、今後もエンジニアとして日々精進してまいります。貴重な学びの機会を提供してくださり、ありがとうございました。」
<左:ユーザー企業でANGEL賞・ベストアーキテクチャ賞の第1位を受賞された戸田建設様
右:パートナー企業でANGEL賞・ベストアーキテクチャ賞の第1位を受賞された混合チーム(クラスメソッド様・サーバーワークス様)>
<左から、ユーザー企業でANGEL賞の第2位を受賞されたサンエー様
ユーザー企業でベストアーキテクチャ賞の第2位を受賞されたタック様
パートナー企業でANGEL賞・ベストアーキテクチャ賞の第2位を受賞されたSCSK様>
ANGEL Dojoにご参加中の企業と内製化支援推進AWSパートナー
今回の ANGEL Dojo には以下のエンドユーザー企業の皆様にご参加いただいております。
- 株式会社サンエー
- タック株式会社
- 戸田建設株式会社
- 南海電気鉄道株式会社、南海マネジメントサービス株式会社
- 日清紡メカトロニクス株式会社
- 菱電商事株式会社
今回のANGEL Dojoをサポートいただいた内製化支援推進AWSパートナー企業はこちらです。
トレーニングを通して参加ユーザー企業へパートナ各社の内製化支援のノウハウのご提供をしていただくなど、さまざまな協力いただきました。下記が、各パートナーの内製化支援のサービスページとなります。
クラスメソッド株式会社 | 内製化支援サービス |
デロイト トーマツ ウェブサービス株式会社 | DevOps支援 |
SCSK株式会社 | テクニカルエスコートサービス |
ウルシステムズ株式会社 | エンタープライズアジャイルコンサルティング |
キヤノンITソリューションズ株式会社 | アジャイル開発支援サービス |
ARアドバンストテクノロジ株式会社 | 内製化支援サービス |
アイレット株式会社 | アジャイル開発 |
株式会社サーバーワークス | 内製化支援サービス |
株式会社Serverless Operations | 内製化支援サービス |
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 | Build Service |
また、内製化支援推進AWSパートナー企業は10/1にさらに5社新規参加いただきました。こちらのブログにて発表しておりますので、是非ご覧ください。
内製化支援推進 AWSパートナー 新規参加パートナーのご紹介
今後に向けて
今回初めての試みであるユーザー企業・パートナー企業の合同ANGEL Dojoは参加者の皆様のご協力もあり大成功となりました。
これまでもANGEL Dojoはパートナー企業の若手の方に向けてエンジニアの育成を目的に実施しており、多くの方に素晴らしい成果を出していただいておりました。ANGEL Dojo終了後に自社内の若手のメンターをされている方やAWS Partner Summitにてご登壇いただくなどの活躍をされている方もいらっしゃいます。
では、そんな成功してきたANGEL Dojoを、何故今回、枠組みを広げてユーザー企業とパートナー企業の合同開催として実行したかというと、やはり今後は企業の競争力を得るために内製化の推進が必須であり、そこにはユーザ企業とパートナー企業との協業が必要不可欠だからです。
日本のエンジニアの多くがIT企業に勤めているという現状がある中で、ユーザー企業とパートナー企業が協業していくためには、ユーザー企業はビジネスをリードしつつ開発や運用を理解する、そして、パートナー企業は開発と運用のプロフェッショナルでありつつビジネスの理解を進めていく必要があります。そして、相互理解を深めつつサービス開発を加速していくことが、企業の競争力の強化につながります。
ANGEL DojoはAmazonが持つ様々なビジネス・開発・運用の知識を得ながら実際にサービスのプロトタイプを作っていただきます。そのため、参加者の方に前述のスキルの実践力を身につけていただけるトレーニングであり、内製化推進の前段として効果的なものだと考えました。
実際に参加者の皆様にはサービスの企画や開発の実践力を身につけ、素晴らしい成果を発表いただくことができました。
今後は内製化支援推進プログラムの促進のため、内製化支援推進AWSパートナー企業を追加していく予定です。続報については本ブログにて発信致しますので、是非またご一読いただければと思います。
ANGEL Dojoについてもノウハウが蓄積されているので、今後は内製化支援推進AWSパートナー企業の皆様と協力しながら、更に多くの方にご参加いただけるように展開していく予定です。
PSA 担当:髙橋(達)、宇賀神、片寄、塩飽、田中