AWS 芸人の「カノン」アレンジ奮闘記 - AWS DeepComposer 編-

2020-02-03
日常で楽しむクラウドテクノロジー

Author : 清水 崇之

こんにちは、ソリューションアーキテクト/AWS 芸人しみず(@shimy_net)です。先日このマガジンの編集長に捕まり「芸人らしいハイテンションな記事を書け」ということで白羽の矢が立ちました。

何を書こうか考えましたが、この前 AWS DeepComposer をシカゴで仕入れてきたので、それをネタに AWS DJ として趣味半分で書きたいと思います。

※本記事でのコメントは会社を代表するものではなく、あくまで自称ミュージシャンによる一個人の見解です。

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AWS DeepComposer とは

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AWS DeepComposer は、開発者が事前トレーニング済みのモデルまたは独自のモデルで Generative AI を使用できるように設計された 32 キー、2 オクターブのキーボードです。AWS DeepComposer を使えば、開発者はクリエイティブな方法で機械学習を始めることができます。メロディがほんの数秒で完全にオリジナルな楽曲に変身します。チュートリアル、サンプルコード、トレーニングデータが含まれ、1 行もコードを書くことなく、生成 AI モデルの構築を開始できます。

詳しくは以下の記事を参照してください。

現在プレビュー申込み受付け中ですので、ご利用したい方は以下のリンクから申し込みましょう。()

キーボードをコンピュータに接続する

AWS DeepComposer のキーボードをコンピュータに接続します。このキーボードは USB で電源が供給されるのでコンピューターに接続さえすれば、ブラウザで開いている AWS マネージメントコンソール上でキーボードを認識してくれます。

このキーボードにはボタンやコントローラが付いています。オクターブ、アルペジエーター、スタート、ストップ、ピッチベンド、ノブなど、よくあるコントローラー類です。キータッチはミニ鍵盤ですので少し固めな印象があります。いわゆる MIDI キーボードですので市販のものでも代用できます。みなさんの使い慣れたものを使っていただくのも良いでしょう。私は AWS ロゴ付きの DeepComposer キーボードが欲しかったのでちゃっかり 2 台所有しているのですが、今回の記事では標準鍵盤の MIDI キーボードを使っています。

もし手持ちのキーボードがない場合は、AWS マネージメントコンソールで提供されている仮想キーボードも利用できます。

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サンプル「きらきら星」に演奏をつける

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DeepComposer には Jazz、Pop、Rock、Symphony など既にトレーニングされたモデルが用意されています。このなから利用したいモデルを選んで「Generate Composition」をクリックすると数秒で演奏が付きます。作成された Composition は AWS マネジメントコンソール上で再生して確認できますし、MIDI もしくは MP3 としてダウンロードできます。今回は「Pop」モデルを利用して演奏をつけます。以下の音源を聞いていただくとポップソングになっていることが分かります。

 クリックすると再生します

独自のメロディを録音して演奏をつける

独自のメロディを録音して演奏を付けてみましょう。今回は、パッヘルベル「カノン」のメロディをハ長調で録音します。先ほどと同じように 「Pop」モデルで演奏をつけます。

↓ パッヘルベル「カノン」の Pop 演奏 (メロディのみ録音した場合)

 クリックすると再生します

んっ ???
コレジャナイ・・・ 

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「きらきら星」と「カノン」を比べてみると原因が分かるかもしれません。サンプルの「きらきら星」ではルート音とメロディ音の両方があらかじめ録音されていましたが、私が弾いた「カノン」はメロディ音のみを録音しました。そのため、DeepComposer 側に和音感が伝わらず「コレジャナイ」演奏になってしまったのではないでしょうか。

和音を意識して録音する

と、意気込んだはいいのですが、すみません。やっぱり無理だったので和音だけを録音して「Pop」モデルで演奏をつけました。出来上がった素材は以下のようなものです。先ほどの演奏よりも和音の進行が明確になりわかりやすい演奏になったと思います。

ただし、当然ながらメロディ音がないので、この演奏を MIDI ファイルとしてダウンロードして DAW にインポートしてアレンジしましょう。

↓ パッヘルベル「カノン」の Pop 演奏 (和音を録音した場合)

 クリックすると再生します

4つパートの素材をもとに楽曲をアレンジする

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ここからが本当の本番です。今回 DeepComposer により作成された演奏は、String Ensemble 1、Acoustic Guitar (steel)、Drums、Electric Bass (pick) の 4 つのパートで構成されています。

DeepComposer ではメロディパートは弾かずに和音パートのみを入力として演奏を作成しました。そのため、この演奏にはメロディパートが含まれていません。そこで、2 つのパート(メロディパート、和音パート)は DAW で別途録音しておきます。加えて、DeepComposer で作成された演奏の 4 つのパートを利用します。この「合計 6 つのパートのみ利用してアレンジする」ことを今回の企画の制限条件とします。

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まずは、DeepComposer の演奏した 4 つのパートの素材を補正します。これらの素材は発音タイミングや音程がおかしいノートが若干含まれています。クオンタイズすることで発音タイミングのズレを補正します。8〜16 分音符程度の精度で補正しますが、味のあるところはそのまま残します。

また、DeepComposer ではテンポを変更できなかったため、DAW でテンポを 100 から75 に変更します。DAW は Cubase Pro 8、音源は Komplete5 から Kontakt、Absynth、Massive などを利用します。() アップデートしないまま更新時期を逸してしまった感があります。みなさんの業務システムやサーバーはちゃんとアップデートしてくださいね! (自戒)

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「Ensemble String 1 」はイイ感じに和音も出していますし、一部の不協音を取り除くだけでほぼ使えそうです。ただし、和音パートと音程が被る部分も多いのでオクターブ上にトランスポーズします。このストリングスの雰囲気に合うように、まずはアコースティックな路線でアレンジしていきたいと思います。メロディにはピアノ音色を割り当てて、ストリングスとピアノで一度ミックスダウンしてみます。

「Acoustic Guitar (steel)」は・・・。この主張の激しいギターをどのように扱えばよいものか悩みます。カッティング演奏なのでしょうか。ギターのピアノロールを見るとわかりますがノートがあちこちに散らばっており音もジャカジャカしています。それぞれのノートを編集するのは骨が折れますし、やりすぎは企画の目的に反します。

そこで「Acoustic Guitar (steel)」はディストーションをかけたエレキギター音色にして誤魔化すことにします。以下のアレンジ後の素材を聴いていただくとわかりますがディストーションをかけても結構グダグダです。さらに、ギターが「ギュイーン」と演奏することになるので、ベースやドラムも迫力ある演奏にしなくてはギターが浮いてしまいます。

当初、アコースティックなアレンジを狙っていましたが、ここにきて方針転換してみます。

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「Drums(steel)」はそのまま使うと、「バンドやろうぜ!」の雑誌 (知らない方はこちら ») やイカ天 (知らない方はこちら »)をみて憧れて適当にメンバーを集めたけど、ジャンケンに負けた初心者が仕方なくドラムを叩いたような演奏です。根本的に修正が必要ですが、ギターと同様に修正しすぎは本末転倒です。

そこで、小節ごとにスライスして使える部分を選択して並び替えて基本のリズムを作成します。ノリを加えたいのでトラックを複製したうえでスライスの前後を入れ替えて 16 分音符ほどずらして配置することで裏打ちを表現します。さらに Auto Pan エフェクトをインサートすることで音の配置を左右に激しく振り動かすようにします。

「Electric Bass (pick) 」は全く仕事していない小節がありますがほぼ使えます。欠落している小節のノートを追加し不協音や被っている音は削除します。先ほど修正したディストーションのかかったギターが浮きすぎないように、ベースやメロディもノイジーでパワフルな音色にして全体楽曲をリードしてもらいましょう。

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楽曲を仕上げる

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できあがった素材を配置しつつイコライザーやコンプレッサーなどで調整して楽曲に仕上げます。楽曲の前半部分はメロディパートと和音パートのみです。後半部分は DeepComposer で出力した 4 つのパートを組み合わせて作成されています。

シマリを出すために、FX1〜3 トラックにはシンバル・キック・スネア連打を入れました。ご愛嬌ということで。

↓ アレンジ版カノン

 クリックすると再生します


※本記事は AWS DeepComposer プレビュー版を使用して書かれたものです。正式リリース時には一部機能アップデートが行われる場合があります。
※Cubaseは、Steinberg Media. Technologies GmbH の登録商標です。その他の製品名、社名は、それらの各所有者の商標™あるいは登録商標®です。本記事での使用は、同製品との提携あるいは推薦を意味するものではありません。

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筆者紹介

清水 崇之

技術統括本部 西日本ソリューション部 ソリューションアーキテクト / 部長
過去のプレゼンテーションはこちら »

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